アパートの鍵貸します
DVDなども、買うのは良いけれど、1度見てお終い・・・というのは沢山あります。家のDVDコレクションの中で、何度も見たという映画のひとつが、これ、「The Apartment」(アパートの鍵貸します)。考えてみれば、他にも、何度か、見ているものの中には、「おかしな二人」や、「お熱いのがお好き」が入っているので、ジャック・レモンの出ているコメディーファンとも言えるのかもしれません。
*あらすじは
ニューヨーク保険会社で働く、しがない平社員のバクスターは、自分のアパートの鍵を上司達に貸し、上司は、浮気の場所として、このバクスターのアパートを利用。バクスターはこれで、上司達の成績を稼ぎ。やがて、人事の重役シェルドレイクが、このアパートの話を聞き、自分にも鍵を貸してくれるようもちかけ、バクスターは、それと交換に昇進。
さて、バクスターの憧れの女性は、社内の建物のエレベーターガールのフラン・キューブリック。デートに誘って、待ちぼうけを食わされながらも、なんとか彼女にしたいとアプローチ。ところがフランは、シェルドレイクが、バクスターのアパートに連れ込んでいた愛人だった。クリスマスイブの夜、アパートに戻ったバクスターは、フランが、自殺を試み、睡眠薬を飲んで自分の部屋で横になっているのを発見。隣人の医師の力を借りて、なんとか、彼女の命を救う。
シェルドレイクは、やがて、以前の浮気の相手であった秘書が、彼の妻にシェルドレイクの不倫を密告したため、妻から追い出されてしまう。それでも、すぐ、彼は、フランとの関係は続けながらも、独身生活を楽しみ始める。大晦日の夜、再び、フランを連れ込むのに、鍵を貸して欲しいとシェルドレイクから頼まれたバクスターは、それを断り、せっかくの出世コースを捨て、会社を去る。大晦日の夜のパーティーを、シェルドレイクと過ごしながら浮かない面持ちのフラン。バクスターがアパートの鍵を貸すのを断った一件を聞かされ、フランは、いきなり、パーティーを一人去って、バクスターのアパートへ、微笑を浮かべながら走って行き、後は、めでたし、めでたしとなるのです。
*****
ショートカットのうら若いシャーリー・マクレーンのフランは、キューピーさんのようでとても可愛いのです。フランとバクスターの両者がお互いを、ミス・キューブリック、ミスター・バクスターと呼び合うオールド・ファッションな感じも、なんとなく心地良く。
フランの自殺未遂騒動の後、アパート内で、バクスターは、フランにスパゲティーミートボールの食事を作ってあげるのですが、この際に、バクスターが、テニスラケットを使ってスパゲティーのお湯を切る場面、非常に印象に残っています。「ババルババーン、ミートボール、ミートボール」などと変な声を上げて歌いながら、料理をし、お湯を切った後、バックハンドで、スパゲッティーを皿に盛る彼の姿を、子供の頃初めてテレビで見た際、結婚するなら、こうして自分のために時に料理をつくるのを厭わず、笑わしてくれる人がいい、などと思ったのです。
一人寂しくクリスマスを送るはずだったところへ、フランと食卓につくこととなり、バクスターが放つ、記憶に残る名セリフが、
You know, I used to live like Robinson Crusoe. I mean shipwrecked among 8 million people. And then one day I saw a footprint in the sand and there you were.
僕は、ロビンソン・クルーソーみたいな生活してたんだよ。800万人の人間の只中で難破したみたいに。そして、ある日、砂の上に他の人間の足跡を見つけ、君がここに現れた。
大晦日の夜、オールド・ラング・ザインが響く中、バクスターが、自分を本当に好いていてくれるのに気づき、大写しのフランの顔に微笑が浮かぶ様子、その後、一目散にアパートへ走る彼女の様子も、大晦日に、この歌が歌われるのを聴くと、良く思い出します。彼女が、アパートの階段を駆け上がる中、バクスターの部屋から、バンと拳銃の音の様なものが聞こえ、フランと共に、見ているほうは一瞬、「すわっ!バクスター、自殺しちゃった?」と思うのですが、ドアを開けてバクスターが開けたばかりのシャンペンの瓶を抱えて出てくると、ほっとして笑いが出てくる。「これは、演出上手!」と思うワンシーンのひとつでした。
そして最後、部屋でカード遊びを始めた二人の会話
Did you hear what I said, Miss Kubelik? I absolutely adore you.
僕の言ったこと聞いていた、キューブリックさん?君に、ぞっこんなんだよ。
Shut up and deal.
喋ってないで、カードを切って。
これで、心はほのぼの、満足感一杯で幕となるのです。
と書いているうちに、また見たくなりました。
原題:The Apartment
監督:Billy Wilder
言語:英語
1960年
*あらすじは
ニューヨーク保険会社で働く、しがない平社員のバクスターは、自分のアパートの鍵を上司達に貸し、上司は、浮気の場所として、このバクスターのアパートを利用。バクスターはこれで、上司達の成績を稼ぎ。やがて、人事の重役シェルドレイクが、このアパートの話を聞き、自分にも鍵を貸してくれるようもちかけ、バクスターは、それと交換に昇進。
さて、バクスターの憧れの女性は、社内の建物のエレベーターガールのフラン・キューブリック。デートに誘って、待ちぼうけを食わされながらも、なんとか彼女にしたいとアプローチ。ところがフランは、シェルドレイクが、バクスターのアパートに連れ込んでいた愛人だった。クリスマスイブの夜、アパートに戻ったバクスターは、フランが、自殺を試み、睡眠薬を飲んで自分の部屋で横になっているのを発見。隣人の医師の力を借りて、なんとか、彼女の命を救う。
シェルドレイクは、やがて、以前の浮気の相手であった秘書が、彼の妻にシェルドレイクの不倫を密告したため、妻から追い出されてしまう。それでも、すぐ、彼は、フランとの関係は続けながらも、独身生活を楽しみ始める。大晦日の夜、再び、フランを連れ込むのに、鍵を貸して欲しいとシェルドレイクから頼まれたバクスターは、それを断り、せっかくの出世コースを捨て、会社を去る。大晦日の夜のパーティーを、シェルドレイクと過ごしながら浮かない面持ちのフラン。バクスターがアパートの鍵を貸すのを断った一件を聞かされ、フランは、いきなり、パーティーを一人去って、バクスターのアパートへ、微笑を浮かべながら走って行き、後は、めでたし、めでたしとなるのです。
*****
ショートカットのうら若いシャーリー・マクレーンのフランは、キューピーさんのようでとても可愛いのです。フランとバクスターの両者がお互いを、ミス・キューブリック、ミスター・バクスターと呼び合うオールド・ファッションな感じも、なんとなく心地良く。
フランの自殺未遂騒動の後、アパート内で、バクスターは、フランにスパゲティーミートボールの食事を作ってあげるのですが、この際に、バクスターが、テニスラケットを使ってスパゲティーのお湯を切る場面、非常に印象に残っています。「ババルババーン、ミートボール、ミートボール」などと変な声を上げて歌いながら、料理をし、お湯を切った後、バックハンドで、スパゲッティーを皿に盛る彼の姿を、子供の頃初めてテレビで見た際、結婚するなら、こうして自分のために時に料理をつくるのを厭わず、笑わしてくれる人がいい、などと思ったのです。
一人寂しくクリスマスを送るはずだったところへ、フランと食卓につくこととなり、バクスターが放つ、記憶に残る名セリフが、
You know, I used to live like Robinson Crusoe. I mean shipwrecked among 8 million people. And then one day I saw a footprint in the sand and there you were.
僕は、ロビンソン・クルーソーみたいな生活してたんだよ。800万人の人間の只中で難破したみたいに。そして、ある日、砂の上に他の人間の足跡を見つけ、君がここに現れた。
大晦日の夜、オールド・ラング・ザインが響く中、バクスターが、自分を本当に好いていてくれるのに気づき、大写しのフランの顔に微笑が浮かぶ様子、その後、一目散にアパートへ走る彼女の様子も、大晦日に、この歌が歌われるのを聴くと、良く思い出します。彼女が、アパートの階段を駆け上がる中、バクスターの部屋から、バンと拳銃の音の様なものが聞こえ、フランと共に、見ているほうは一瞬、「すわっ!バクスター、自殺しちゃった?」と思うのですが、ドアを開けてバクスターが開けたばかりのシャンペンの瓶を抱えて出てくると、ほっとして笑いが出てくる。「これは、演出上手!」と思うワンシーンのひとつでした。
そして最後、部屋でカード遊びを始めた二人の会話
Did you hear what I said, Miss Kubelik? I absolutely adore you.
僕の言ったこと聞いていた、キューブリックさん?君に、ぞっこんなんだよ。
Shut up and deal.
喋ってないで、カードを切って。
これで、心はほのぼの、満足感一杯で幕となるのです。
と書いているうちに、また見たくなりました。
原題:The Apartment
監督:Billy Wilder
言語:英語
1960年
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