エイヴベリーの巨石たち


ストーンヘンジを北へ行くと、ウィルトシャー州の小さな村、エイヴベリー(Avebury)があります。この村は、面積からいくと、ストーンヘンジより、更に大きなエイヴベリー・ストーンサークルの只中にあるのです。

エイヴベリーの各々の石の大きさは、ストーンヘンジのものより小さいようですが、規模的にはヨーロッパにあるストーンサークルでは最大とされ、実際、周辺を歩いていただけでは、その全体の形や構成がつかみにくいほどの広さ。何も無い平原の中、巨石たちは点々と、たたずんでいます。ストーンヘンジと同じく世界遺産。作られたのは、新石器時代、おそらく、紀元前2500年から2000年の間と言われます。

先月の終わり、年末最後の小旅行にと、友達に連れられて行って来ました。風の強いどんよりした日でしたが、それがまたイメージにはあっているかもしれません。クリスマス期に飲んで食べて、家でうだうだするのに飽きた人たちが訪れて、時折のにわか雨や強風にめげず、歩き回っていました。海外からの観光客もちらほらおり、アメリカ人のカップルから、石の前でポーズした写真を撮ってくれるよう頼まれました。それでも、ストーンヘンジほどの知名度がないので、いささかのんびりしたところが良いのです。

 ストーンサークルは、アースワーク(土手とその内側の溝)で囲まれています。一部、土手の上を回りました。元来「ヘンジ」とは、新石器時代のアースワークの事を指す言葉だそうです。周辺はチョークの地層。このチョークが露出されている部分を歩くと、雨があがったばかりなのも手伝って、つるつると滑りそうで要注意。

 溝の中では、羊達が食事中。

ということで、私達も腹ごしらえに、ストーンサークル内にある、パブ(上の写真右奥)、レッドライオンに入りました。暖かい内部は、大繁盛。戸外で、天候にもめげず、果敢に、サンドイッチなどのピクニックランチをしている人を2,3見かけはしましたが。多少、待たされたものの、暖かい内部で食事して正解でした。

ひやかしで入った近くのギフトショップでは、なぜか、お線香(毎日香)が売られていました。ストーンヘンジと同じく、こういった古代の謎の建造物は、ニューエージ系の人たちの興味をそそるのでしょう。

ストーンサークルの側にある、このエイヴベリー・マナーハウスは、その歴史は16世紀前半に遡るものだそうですが、最近、歴史家、建築、家具、その他の専門家、ボランティアにより、内部が改造され、新しく生まれ変わりました。その様子は、去年のBBCの「The Manor Rebourn」(マナー・ハウス再生)という番組で4回に渡り放送。去年の11月に、一般公開が始まっています。私は、この番組は宣伝を見ただけで、一話も見ていないので、そのうちDVDでも借りてみて見ることにします。いずれにせよ、この日は閉まっていました。冬季閉鎖の所は比較的多いですから。ナショナル・トラストによる運営です。

それにしても、それぞれの石にキャラクターがありますね。「ゲゲゲの鬼太郎」のぬり壁のごとく、これら巨石たちに目玉があって、手足があり、皆で一斉に行進している姿などを想像して、一人ほくそ笑むのでした。

コメント