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7月, 2010の投稿を表示しています

プレー・デートをする子供達

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先日、主人の以前の同僚が遊びに来ました。ロンドン中心部の高級住宅街に住むアメリカ人の彼女にとって、郊外の我家に来るのは、大変な田舎に乗り込む感覚があるようです。 彼女は2人の子持ちのシングル・マザー。数年前、金融機関でごっそり稼いでいた彼女のだんなが、ある日いきなり、何の前触れもなく、ボストンバックに荷物をつめ、他の女性と一緒になるべく出て行ってしまい、彼女は、育児のために一旦中止していた仕事を再開。日中の子供の世話は家政婦さん。今回、我家に遊びに来たのは、夏季の3週間、子供達が前夫と一緒に過ごすため家におらず、暇ができたため。 前夫から、子供の養育費として送られてくるのは毎月2000ポンド。この金額は丸々、ロンドンのフラット(マンション)の家賃でなくなので、家政婦代、食費、雑費、その他もろもろ子供のお稽古代はすべて彼女の稼ぎから算出。 月々の仕送りが2000ポンドもあるのなら、私だったら、もっと郊外へ引っ越して、家賃または家のローンを、1000ポンド以内に収め、残りを雑費に回す、そして家政婦さんなど雇わず、自分で子供の面倒を見て、子供達が学校に行っている間に、近所でアルバイトでもして小銭を稼ぐ、という生活をするだろうな・・・と思うのですが。若いころから、女性でもキャリアを持ち、人から尊敬されるような良い仕事を持つ事、都会で洗練された生活をする事が、人生で大切と思ってきた彼女にとっては、都落ちと、たとえシングル・マザーであっても、自分の周りの人間に胸を張って語れないような仕事をするなどと、とても考えられないそうです。当然、自分の周りの人間というのは、価値観が似た寄った人が多いわけで、「見下されたくない」という気持ちが強く働いているのでしょう。イギリスの郊外で細々生活をすることになるくらいなら、「カリフォルニアに帰る」そうです。 現在、彼女の子供達の行く学校は、公立でありながら、高級住宅街の中にあるので、クラスメートの両親は裕福なシティー等で働く外人家庭がほとんど。そんな連中と生活レベルを合わせようと、出費は大きく、ストレスも膨らむ。子供達の生活ぶりに触れたとき、彼女が口にしたのは、「プレー・デートやパーティーの予定が沢山で、子供らをあちこちに連れて行くのも大変。」 このプレー・デートという言葉、うちの主人は、少し前に、ニューヨーク・タイムズ紙の記事で読んだ覚えがある

ジャックと豆の木

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隣の家が、春先、「今年は野菜は、ラナービーンズ(runner beans・ベニハナインゲン)を育てる。」と宣言しているのを聞き、またBBC園芸雑誌の5月号にラナー・ビーンの育て方の記事が載っていたのもあり、私もまねして、スカーレット・エンペラーなる品種の種のパックを買って、5月後半植えました。鳥の卵の様な模様の種は、眺めているだけでも、楽しく、土に埋めながら、「ジャックと豆の木」のように、ずんずん立派なつると葉が伸び、天まで届く巨大植物が出てくる様子を空想したものです。  ラナービーンズはとてもイギリス的な野菜と言われます。夏の思い出に、緑の葉の間からのぞくラナー・ビーンの赤い花が風に揺れる様子を思い浮かべるイギリス人もいる事でしょう。私が日本の夏というと、朝顔などを想像する感覚?主人の父親も、毎年、下の写真の様に、庭の奥にさおを組んで一列目にスウィートピー、2列目以降はラナー・ビーンをびっしり植えていたそうで、毎夏インゲン豆ばかり、沢山食べて(食べさせられて)いたとか。 そんな風に、現代でこそイギリス風野菜として見られているものの、ラナービーンズは、原生ではなく、元はといえば、15世紀後半にコロンブスが中米からヨーロッパに持ち帰った、比較的赤道に近い地に育つ野菜であったそうです。そのため、ヨーロッパに導入されたばかりのラナービーンズは、少なくとも10時間は、暗い時間があることが、豆を実らせるのに必要であったのです。よって、日没が夜遅いため、暗い時間が短い北ヨーロッパの夏では、なかなか上手く実ってくれなかった。豆のさやも、初期のものは比較的短かったと言います。そんなこんなで、導入初期の頃、イギリスでは、豆が目的というより、花を目的とし、観賞用に育てられていました。その後、徐々にイギリスの夏に適応できる現地化したものを選出栽培していき、更には、現在のような長めのさや豆を実らせるものができはじめ、イギリスの夏の庭で、簡単に栽培できる大切な野菜とあいなったのです。 さて、地面に植えたものは、初期の頃のやわらかな葉が、なめくじとかたつむりの格好の夕飯となっていました。なめくじ退治用の錠剤も、ものによっては、なめくじのみでなく、そのなめくじを食べた鳥やはりねずみなども殺す可能性があるほど強烈なものもあるそうで、選ぶ際には要注意。野生動物に影響が無いもの

ウィンブルドンとフリーズドライの苺

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遊びに行った知人宅からの帰り際、「これ、変わっているから」と、お土産に、フリーズドライされた苺のスライス1パックを持たせてもらいました。この人によると、「最近は何でもかんでもフリーズドライで、牡蠣のフリーズドライなんていうのもある。」のだそうです。 どんな味か待ちきれずに、帰りの電車の中で封を開けると、ふわっと苺の香りが広がり。サクサクとしたスナック風の歯ごたえでも、味は間違いなく苺。コーンフレークと一緒に食べても美味しそう。この歯ごたえなら、牡蠣のフリーズドライもビールのつまみのポテトチップス代わりに、結構いけるかもしれない。次から次へと欲張って口へ運んでいるうち、通路を隔てて隣に座っている人が、ひくひく鼻を動かして、きょりょきょろと辺りを見回していました。日本食ショップで納豆や沢庵を買った後、電車の中で、「何だ、この変なにおい。」とばかりにきょろきょろされるのとは違い、甘い苺の香りの源が、「あ、この人か。」と思われるのは、全く恥ずかしくないのです。 ウィンブルドンの季節は、苺が旬の季節。ヨーロッパ大陸から輸入されてくる苺たちより、断然、甘くて美味しいイギリスの苺が市場に溢れます。こんな時期にフリーズドライのものを食べる必要もないか、開けずにしばらく取っておけばよかったか、などとも考えながら、家に辿り着くと、冷蔵庫の下が水浸し。炎天下の中、我家の約20歳の冷蔵庫が壊れてしまっていたのです。中にあった、牛乳はヨーグルトと化して。よりによって、こんな好天が続くときに壊れなくても・・・。 今年は、テレビが壊れ、オブンが壊れ、と家電類の買い替えの年になっています。来年1月からは、現17.5%の消費税が20%に上がる予定なので、買い替えの必要のあるものは、今のうちに買っておいたほうがいいというのはあります。新しく注文した冷蔵庫の配達は、来週の頭になりそう、という悠長な話。しばらくはバケツにはった水に牛乳などを入れての原始的サバイバル生活です。 苺も冷蔵庫無しのこの天気では、買ったその日にまとめ食いしないと。それとも、フリーズドライもので、ウィンブルドン気分を盛り上げましょうか。 イングランド・サッカー・チームの惨敗の後、イギリスのスポーツ界の期待はいっせいに、ウィンブルドンで好調のアンディー・マリーに向けられ。(彼は、スコットランド人なので、イ