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4月, 2012の投稿を表示しています

庭に蝶を呼ぶ花

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ブッドレア(Buddleja davidii、バドリアと書いた方が、英語の発音に近いでしょうか、日本名はフサフジウツギ)は、Butterfly Bush(バタフライ・ブッシュ)という別名からも分かるように、蝶が非常に好む花。長い房に小さな花が沢山付いていて見た目にもアトラクティブ。繁殖力も旺盛で、電車の線路沿いなどに、大挙して咲いているのを見かけたりもします。 庭に沢山の蝶々のご訪問を受けたければ、ブッドレアは理想的な植物・・・なのですが、比較的大型で、放っておくと奔放にぐんぐんと、あちこちに枝を伸ばして伸び、更には種を撒き散らし、にょきにょき生えてくることから、花壇のスペースが限られている庭にはむかない、というのがあります。 で、2年前に、ポットでも育てられるという、コンパクトな新種のブッドレア、「バズ」(Buddleja davidii 'Buzz')が出た時、これだったらうちでも育てられる、欲しいな、と思っていたのです。去年は、買う機を逸したので、今月頭、良く行く、町外れのガーデンセンターに、「小型ブッドレアのバズ売ってます?」と問い合わせたところ「新種の植物は、大体、巷のガーデンセンターに卸されるようになるまで、4,5年かかるから、開発したナーサリー(養植物園)から、インターネットで直接買うのがいいよ。」とのお返事。 そこで、バズを開発した トンプソン&モーガン社 (Thompson & Morgan)のサイトから、スカイブルー、深紅色、アイボリーの3色パックの、バズの大型プラグ(plug)を注文しました。 プラグとは、まだ若い小さめの赤ちゃん植物の事で、すでに大きくなった植物を購入するよりも、ずっと手ごろな値段で買えるのです。サイトによると、配達は、「4月の終わりまでには届く」と、かなりゆるいものでしたが、植物は天候によって育ち具合が違うでしょうから、まあ4月の終わりまでには、どういう天候状態でも、発送できる大きさには育っているだろう・・・という意味で、こういう、時間に余裕を持たせた送付約束をしているのでしょう。毎日の様に雨続きの、暗いこの4月、ベービー・バズたちは、成長が遅れたか、やっと月末ぎりぎりになって届きました。 「ライブ・プランツ(生きた植物)、即開いてね」と書かれた小包が、普通の郵便で送られて

コンスタブル・カントリー

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BBCの大学対抗のクイズ番組「ユニバーシティー・チャレンジ」を見ている時に、こんな問題がありました。「1824年、フランスの若手画家達が、あるイギリス画家の絵がパリのサロンに展示されたのを見て、それに触発されることにより、バルビゾン派の誕生に至った。そのイギリス人画家は誰か?」 答えは、ジョン・コンスタブル(John Constable 1776-1837)。この頃、他国の画家に影響を与えたような英の画家と言えば、ウィリアム・ターナーとコンスタブルくらいでしょうから、この2人のうち、どちらかを言えば当たる・・・かな。回答者は、おそらくバルビゾン派の絵がどんなものか知らなかったためか、「ターナー」と答えて、間違ってしまいましたが。(コンスタブルもそうですが、ターナーの画法は後、フランス印象派へ影響を与える事となります。) 周辺の自然からインスピレーションを得る、ミレー、コローに代表される牧歌的なバルビゾン派絵画の源泉は、コンスタブルがこよなく愛し、何度もキャンバスに残した、彼の生まれ育った土地にあるわけですか・・・。今は「コンスタブル・カントリー」と呼ばれ、毎年、多くの観光客をひきつける、このコンスタブルの生まれ故郷は、エセックス州とサフォーク州の州境を、スタワー川が流れる周辺です。 コンスタブルは、少し前の世代の、同じサフォーク州 (サドベリー) 出身である トマス・ゲインズバラ の影響を受けているのですが、ゲインズバラが、当時、絵画の世界では、劣るものとみなされていた風景画では生計を立てられず、風景を描くのが好きでありながらも、肖像画の大家となったのに比し、コンスタブルは、率直に自然を描く風景画家として成功。 比較的裕福な農家を営んでいたコンスタブルの父は、また、小麦と石炭の商人でもあり、スタワー川のほとりの小集落フラットフォード(Flatford)に、小麦を引くための水車小屋(フラットフォード・ミル、Flatford Mill)を所有していました。上の写真がそれです。コンスタブルは少年時代、この辺りで、良く時を過ごし、彼の代表作には、周辺の風景が多く描かれています。実際、1812年から1825年の間、毎年のロンドン、ロイヤル・アカデミーでの展覧会で、彼が、スタワー川が主な題材となる絵を展示しなかったのは、2回だけだったという事です。フラッ

雨とチューリップとポッコリ靴

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乾燥して水不足の噂が浮上し始めた3月の後にやって来たのは、毎日の様ににわか雨、時に雹が降る寒めの4月。思えば、初めてイギリスに来た年の4月にも、雹が何度かぱらぱらと降り、春中、風邪っぽく、「やっぱり北の国だな、ここは。」と感じたのを思い出します。 先日、パブランチをしに出かけ、にわか雨の予報が出ていたものの、お日様を浴びたさに、パブの庭で食事。少々、楽観的な行為ではあり、バーの人にも、「庭で食べる」と言うと、「グッド・ラック」と言われたのです。 案の定、食事中、空の向こうから、通り雨が接近するのが見え初め、嫌な予感。やがて、大きなしずくが、ランチの上に、ぽとんぽとんと落ち始めたのです。あと、20分くらい持ちこたえてくれれば、全部、庭で食べられたのに~、と残念ながらも、皿を抱えて、パブ内へ駆け込む事となりました。まだ、セントラルヒーティングがきいて、暖かいパブ内で、残りを食べ終わる間、犬の散歩中、雨にやられた人なども、ぽつぽつ入って来ました。 日が当たっているうちは、パブの庭のテーブルの側に、こんなヤマウズラ夫婦も近寄ってきたりしていたのですが、この方たちも、雨やどりに、どこかへ走り去った様です。 森の中ではブルーベルも咲き始めています。雹が降った直後に森林を歩いた際、雹はところどころ雪のように白く積もり、木々の間を覆い、その間から、青いブルーベルが顔を覗かせている姿が、なかなか美しかったです。通りがかった女性も「Quite a sight !」(なかなか良い風景ですね)。こういう時に限ってカメラ持っていないので、この時のシーンは、頭の中の映像に記憶するのみとなりますが。 *満開のブルーベルの写真は、過去の記事 「The Darling Buds of May」 まで。 我家の庭でも、雨や雹に打たれながらも、たくましくチューリップが咲きそろい、そろそろ、遅咲きタイプのチューリップも開き始めています。合間に現れるお日様の、気持ちいいこと。 庭の新米の置物、ペンギン君の顔には、泣きぼくろよろしく、てんとう虫がくっついて。 芝が湿っている庭へちょろちょろっと出て行くには、つっかけサンダルだと、つま先が濡れる・・・そこで、最近、ガーデンセンターで購入したのが、ピンクのプラスチックのつっかけ靴(写真上)。Cloggies(クロ

キリストはロバに乗って

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イースター ・サンデー(復活祭、復活の主日)の1週間前の日曜日に当たる本日は、パーム・サンデー(Palm Sunday 棕櫚の主日)。弟子達を引き連れて、イエス・キリストが、ロバに乗って、ユダヤ教の過越しの祭り(passover)にむけ、エルサレムを訪れた日とされます。キリストの受難(Passion)の物語の皮切りであり、本日からイースター・サンデーまでの1週間は、受難週間(Holy Week)。 戦士のように馬にまたがらず、平和の象徴であるというロバにまたがってエルサレム入りするキリストの前に、人々はじゅうたんの様に、棕櫚の葉を投げ出して歓迎。この出来事は、新約聖書内のマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書(Gospel)に其々に、微妙な違いがあるものの、記述があり、ヨハネの福音書では、人々は棕櫚の枝葉を手に掲げて、キリストを迎えたとあります。 The Gospel according to St. John 12-13 Took Branches of palm trees, and went forth to meet him, and cried, Hosanna: Blessed is the King of Israel that cometh in the name of the Lord. ヨハネによる福音書 12-13 (巡礼に訪れた人々は)棕櫚の枝を取り、イエスを迎えるため進み出で、声をあげた、崇めよ、イスラエルの王、主の名の下に訪れし聖なる者、と。 だんなは、11歳頃まで、よく日曜日に教会にひきずられていったようですが、棕櫚の主日には、棕櫚の葉を手に渡されたのを覚えているようです。なんでも、最近では、本物のロバを連れての儀式や行列もあるという話ですが、子供には良いかもしれませんが、これは、わけのわからないロバにとっては、ちょっとした受難ですね。お疲れ様。 *上の絵は、アルブレヒト・デューラーによる、キリストのエルサレム入りを描いた木版画 過越しの祭りのためにやって来た人々でにぎわうエルサレムに入ると、イエスはエルサレム神殿へ赴き、神殿内で商売をしていた両替商や、物売りたちを、ここは祈りの場だと、追い払うのです。 The Gospel according to St. Mathew 21-12 And J