雨とチューリップとポッコリ靴

乾燥して水不足の噂が浮上し始めた３月の後にやって来たのは、毎日の様ににわか雨、時に雹が降る寒めの４月。思えば、初めてイギリスに来た年の４月にも、雹が何度かぱらぱらと降り、春中、風邪っぽく、「やっぱり北の国だな、ここは。」と感じたのを思い出します。

先日、パブランチをしに出かけ、にわか雨の予報が出ていたものの、お日様を浴びたさに、パブの庭で食事。少々、楽観的な行為ではあり、バーの人にも、「庭で食べる」と言うと、「グッド・ラック」と言われたのです。

案の定、食事中、空の向こうから、通り雨が接近するのが見え初め、嫌な予感。やがて、大きなしずくが、ランチの上に、ぽとんぽとんと落ち始めたのです。あと、２０分くらい持ちこたえてくれれば、全部、庭で食べられたのに～、と残念ながらも、皿を抱えて、パブ内へ駆け込む事となりました。まだ、セントラルヒーティングがきいて、暖かいパブ内で、残りを食べ終わる間、犬の散歩中、雨にやられた人なども、ぽつぽつ入って来ました。

日が当たっているうちは、パブの庭のテーブルの側に、こんなヤマウズラ夫婦も近寄ってきたりしていたのですが、この方たちも、雨やどりに、どこかへ走り去った様です。

森の中ではブルーベルも咲き始めています。雹が降った直後に森林を歩いた際、雹はところどころ雪のように白く積もり、木々の間を覆い、その間から、青いブルーベルが顔を覗かせている姿が、なかなか美しかったです。通りがかった女性も「Quite a sight !」（なかなか良い風景ですね）。こういう時に限ってカメラ持っていないので、この時のシーンは、頭の中の映像に記憶するのみとなりますが。

＊満開のブルーベルの写真は、過去の記事「The Darling Buds of May」まで。

我家の庭でも、雨や雹に打たれながらも、たくましくチューリップが咲きそろい、そろそろ、遅咲きタイプのチューリップも開き始めています。合間に現れるお日様の、気持ちいいこと。

庭の新米の置物、ペンギン君の顔には、泣きぼくろよろしく、てんとう虫がくっついて。

芝が湿っている庭へちょろちょろっと出て行くには、つっかけサンダルだと、つま先が濡れる・・・そこで、最近、ガーデンセンターで購入したのが、ピンクのプラスチックのつっかけ靴（写真上）。Cloggies（クロギーズ）という商品名がついていました。Clogs（クロッグス）は、オランダの木靴や、底が木製で上が革張りの昔のつっかけ靴の事ですが、Cloggiesは、それをちょっと愛称的に呼んだ感じでしょうか。仕事で、オランダ人とのやり取りが多い知り合いが、オランダ人達の事を、ふざけてCloggiesだなんて、呼んでいました、そう言えば。

この手のプラスチックのつっかけ靴は、ワニ（クロコダイル）がトレードマークの、カナダのCrocs（クロックス）社のものが有名ですが、まがい物は、現在も巷に溢れています。特にクロックス社のもののように、先に幾つかの通気穴が開いたものは、それは良く目にするのです。

先日、とあるスーパーで、山積みにされてあった、クロックスのまがい物安サンダルを眺めていると、男性が近づいてきて、「これはクロックスの偽ヴァージョンだよ。子供用に買ったけど、３，４ヶ月ですぐだめになった。使ってるプラスチックの質がクロックスのとは、断然違うんだと思う。本物買ったほうがいいよ。」「でも、クロックスのは、これの１０倍くらいの値段だから。」と私。目の前の偽クロックスは３ポンドでしたので。「アマゾンで買うといいよ、１５ポンドくらいだったと思う。」と彼は、それは熱心にアマゾンを薦めたので、おぬし、アマゾンの回し者か？・・・とも思いました。いずれにしても、私は、もう、ピンクのクロギーズをすでに購入していたので、この偽クロックス・サンダルには手を出しませんでしたが。

１シーズンでだめになっても、子供用の靴なんて履き捨てでしょうから、安物でもいいんでしょうけどね。大人物だと、長持ちするものを買う価値はあるでしょうが。私のクロギーズは、悪質安物と、良質本物クロックスの中間くらいの品質ではないかと思います。１０ポンドのものを半額で買ったので、４，５年履ければ万々歳と思ってます。ガーデニングにも履き心地満点で、つま先が濡れて靴下がグッチョリすることももう無く、満足です。

ピンクのポッコリ靴に、ちゅーするチューリップＴシャツを着れば、気分だけはすっかり春なのに、この悪天候、どうにかしてくれ！

毎日の様に雨にやられながらも、去年と今年と連続での雨量の少なさのため、水が溜まるまでには、時間がかかるという事で、水不足の不安は、なかなか解消しないそうです。まあ、恵みの雨あってこそ、こうして雨後の、虹を楽しむ事もできるわけです。