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12月, 2022の投稿を表示しています

アリスの白うさぎ

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...when the Rabbit actually took a watch out of its waistcoat-pocket , and looked at it, and then hurried on,  Alice started to her feet, for it flashed across her mind that she had never before seen a rabbit with either a waistcoat-pocket, or a watch to take out of it, and burning with curiosity, she ran across the field after it, and fortunately was just in time to see it pop down a large rabbit hole under the hedge. In another moment down went Alice after it, never once considering how in the world she was to get out again. ・・・実際、うさぎが、ちょっきのポケットから懐中時計を取り出し、それを眺め、そして、急ぎだしたとき、アリスは勢いよく立ち上がりました。というのも、アリスは今まで、ちょっきのポケットや、そこから取り出せる懐中時計を持っているうさぎなど、見たことがないと、はっと気づいたからです。好奇心に駆られて、アリスはうさぎを追いかけ野原を横切りました。そして、幸いな事に、うさぎが、藪の下にあった大きなうさぎ穴の中へ飛び降りるのを目撃することができました。 次の瞬間、うさぎを追ってアリスが穴へ飛び降りました。一体全体、後で、どうやって穴から出れるのかなどと全く考えもせずに。 Alice's Adventures in Wonderland,  I. Down the Rabbit-Hole, Lewis Carroll 不思議な国のアリス、第一章 ウサギ穴の中へ より ルイス・キャロル著(訳は私です) ******** こうして始まる、アリスの冒険。来年は、うさぎ年という事で、今回のクリスマスカード兼年賀状は、この 不思議な国のア

雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう

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 巷でも、ラジオからも、クリスマスの人気定番ポップソングが流れる季節。ワムのラスト・クリスマスやら、マライア・キャリーの恋人たちのクリスマスやら、なんやら、かんやら。それでも、キャロルやアニメ「 スノーマン 」のテーマ曲あたりを除けば、私がこの時期、一番聞きたくなるのは、いまだに、「雨は夜更け過ぎに、雪へと変わるだろう」で始まる、山下達郎氏の「クリスマス・イブ」です。今回は、イメージイラストも作ってみました。思うに、英語圏の国に住み、英語のみを喋り、英語文化にしか親しみのない人たちというのは、メジャー英米文化プラス自分たち独特の文化にも浸ってきた、他文化圏から来た人間に比べ、ある意味、文化生活の幅が狭いのではないかという気もします。自分たちから、積極的に他言語のものでも興味の範囲を広げようとしない限りは。 さて、「クリスマス・イブ」は、1983年、JR東海クリスマス・エクスプレスのCMでもおなじみの曲ですが、ビデオを探してみると、当時の、切符を切る駅員さんのいる改札口などが、なんとも、いいんですねえ。CMには、いろいろなバージョンがあるものの、クリスマスに電車に乗って愛する人がやってきたー、という、歌詞と相反して、一人じゃないクリスマス・イブが描かれています。ちゃんと、電車が、予定通り走る国でなければ、こんなCMにはならない。 ここしばらく、イギリスの鉄道は、従業員の賃金と労働環境をめぐり、度重なるストライキの波にやられています。 前回の記事 では、ロイヤルメールのストライキに言及しましたが、特に、多大な悪影響を出せるクリスマスと年末年始とあって、先週は、火水金土と4日間の鉄道ストライキ、さらには、ストライキのない合間の日にもダイヤの乱れや本数が減るなどの弊害も出ています。24日にもストライキが予定されているため、クリスマス・イブに電車に乗って愛する人のもとへ、なんて、あきらめた方がいいですねえ。 基本的に、車の移動より、電車での移動のほうが好きな私は、徐々に感じ始めています、電車がまともに動かせない国にいつまで住んでいられるかと。普段でさえ、キャンセルや遅れは日常茶飯事。週末にはよく、線路の整備のため、一部区間が不通となることもあり、その区間は、レールリプレースメント・サービスなる、バスを使うことになります。これがあると、移動時間、最低30分は上乗せとなります。一

イギリスの郵便局にて

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クリスマス期、あらゆる業界での、ストライキの嵐が吹き荒れる中、郵便を配達するロイヤル・メールも幾日かストを予定しているため、今年の クリスマスカード 及びクリスマス用郵便は早めに出す必要性に駆られています。 ちなみに、郵便の収集と配達、および、あちこちの赤い 郵便ポスト を管理するロイヤル・メールと、いわゆる郵便局(Post Office)は、基本的に別会社で、郵便局は、ロイヤル・メールの代行で切手の販売、手紙、小包の受け取りなどを行っており、そのほかは金融商品の扱い、パスポートや運転免許の書き換えの扱いなども行っています。さらに、パーセルフォースという会社があり、こちらは、国内外の小包の手配、配送を行っています。このイギリスの郵便システムの会社間の関係はとても複雑で、頭が混乱した蜘蛛が編み上げた巣のように、何が何だかわからない。とりあえず、ロイヤルメールとポストオフィスは、別会社であるという事だけは書いておきます。 さて、先日、日本行のクリスマスカードを出そうと郵便局へ足を延ばしました。上記の通り、ロイヤルメールとは別経営なので、この日はロイヤルメールのストライキでしたが、郵便局は開いていました。ただ、この日に出しても、ロイヤルメールは、おそらく郵便局や郵便ポストからの収集を行わないという事になります。 さほど長くはない列について、順番を待っていましたが、とにかく窓口がひとつしか空いておらず、しかも、窓口前に立っていた女性は、用が終わった後も、ぺちゃらくちゃらと、窓口の人と世間話を始めたのです。そのため、私の後ろの列はじょじょに長くなっていった。 こういう行為はわりとイギリスでは遭遇するので、今更驚きはしませんが、とにかく、よく、他人が待ってるのが気にならんもんだなあと、ある意味、そのずーずーしさに感心させられて、見ていました。が、私の後ろに立っていたじーちゃんは、堪忍袋の緒が切れてしまったようで、「用が終わったら、世間話はよしてくれ、列ができてるのがわからんのか!」と切りかかった。 すると、喋ってたおばはんは、くるりと向き直り、「私がこの人と話をするのも、大切な社交という用事なのよ!」と開き直った。これはつわものです。じーちゃん、「窓口が一つしか空いてないのがわからんのか!」つわものおばさんは、ふんと鼻を鳴らし、再び、窓口に向き直り、又話を続けること、約1分。こ

あなたは、本当はどこから来たわけ?

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先日、バッキンガム宮殿で、カミラ王妃が、女性に対する暴力に反対するキャンペーンを支持するため、そうした関係の慈善団体の代表など約300人を招いた集いを催しました。・・・そこまでは、良かったが・・・ この最中に、故エリザベス女王の女官であり、ウィリアム王子のゴッドマザー、さらには現在も王室で務めを果たしていたレーディー・スーザン・ハッシーなる女性は、とある慈善団体のリーダーで、イギリス生まれでイギリス国籍の黒人女性に話かけ、執拗に、「あなたは、本当はどこから来たわけ?」と、聞いたという事がニュースとなり、レーディー・ハッシーはレイシストの汚名を着て、瞬く間に辞任、現代社会にマッチしたポジティブなイメージを作りたいところの王室側の反応も早く、「今の時代にレイシズムは許せない。当事者が辞任したのはもっともである」ような内容を発表。 と、これだけのニュースを聞いた段階では、私もだんなも、「また、自分の人種に、かなり神経質になっている人のオーバーリアクションかな。ただ、何気に、どこから来たの?って聞いて会話を続けようと思っただけの話なんじゃないか。」なんて思っていましたが、詳細を読んでみると、たしかに、その執拗さに悪意を感じ、これは、まずい、気を悪くしたのも当然か、と思い直しました。以下が、BBCサイトに載っていた、会話の内容。Lady SHは、レーディー・スーザン・ハッシー、Meというのは、被害にあった黒人女性です。訳は私が勝手につけました。 Lady SH: Where are you from? あなたは、どこから来たの? Me: Sistah Space. シスタ・スペースです。(これは慈善団体の名) SH: No, where do you come from? そうじゃなくて、あなたは、どこから来たの? Me: We're based in Hackney. ハックニー(東ロンドンの地区)が、私たち団体の拠点です。 注:この段階まで、彼女は、団体の活動内容についてでも聞かれると期待していたのでしょうね。ところが・・・ SH: No, what part of Africa are you from? そうじゃくて、あなたは、アフリカのどこから来たわけ? Me: I don't know, they didn't leave any reco