サマセットとドーセットを巡る旅

View from Glastonbury Tor
秋も半ばに入り、先週は、毎日お日様の好天に恵まれました。

寒くなる前の秋のサマセット州とドーセット州を、訪れたいと思っていたところ、天気予報を眺めて、「行くなら今」と、荷物を車のトランクに詰め込み、先週日曜日の夕方、まずは、サマセット州のウェルズに向かって、5泊6日の旅行に出発しました。

俗にウェスト・カントリー(West Country)と称される、コーンウォール、デボン、サマセット、ドーセットは、夏の国内ホリデーに人気の場所で、イングランド南部の西側に突き出た部分にあります。

だんなは、多くのイギリス人と同様、ウェスト・カントリーは、子供時代の夏休みに何度もビーチ・ホリデーで訪れている場所です。夏は、ウェスト・カントリーへ向かう家族連れの車で、道路は大渋滞に陥る事もありますから。特に、サマセット州は、彼の亡くなったおじさんが住んでおり、何度も泊まりに出かけたそうで、彼にとっては、一部、子供時代の思い出を巡るセンチメンタル・ジャーニーともなりました。実際、サマセットの昔おじさんが住んでいた家まで見に行きましたから。調度、外にいた近所の人に、「アンクル・ビルがこの家に住んでいたんだけど。」と話しかけ、近所のおじさんは、「ああ、覚えてる、覚えてる。」ひとしきり、通りの噂話を聞いて、以前から住んでいた人たちは、もうほとんど亡くなるか、引越したという事。また、アンクル・ビルの住んでいた家は、今は貸家になっていると。「時が経ったな、しばらく来なかったからな・・・。通りと、家の様子は、前庭の植え込みまで全く変わってないのに。」とだんな。
South West Coast Path to Durdle Door
私は、コーンウォールは、かなり昔に訪れたことがあるものの、サマセット州はバース以外は行ったことは無く、ドーセット州は全く初めて。去年、夏休みが終わり、人があまりいなくなった秋のドーセットが、いかにすばらしいか、という雑誌の記事を読んでから、更に気になっていたのです。ただし、人がいないどころか、私たち同様、好天に誘われた観光客で、特に海岸線は人でいっぱいでしたが。それとも、皆、私と同じ雑誌記事を読んで、「そんなに静かでいいなら、行ってみるか」となったのか。全く、宿の予約をせず、スマホも持たずのアナログ旅行であったため、場所によっては、思いの他、空き宿を探すのが大変だった事もありました。それでも、毎晩、なんとか探し当てた宿は、其々の魅力があり、満足できるものでした。こんなのも、巡り合いですからね。

今回の旅行で訪れた主な場所は、

Somerset
Wells, Glastonbury, Cheddar Gorge, Somerset Levels, Porlock, Dunster, Exmoor
サマセット州
ウェルズ、グラストンベリー、チェダー峡、サマセット・レベルズ、ポーロック、ダンスター、エクスムーアなど

Dorset
Lyme Regis, Chesil Beach, Corfe Castle, Durdle Door, Lulworth Cove, Hardy's Birth Place
ドーセット州
ライム・リージス、チェジル・ビーチ、コーフ城、ダードル・ドー、ラルワース・コーヴ、トマス・ハーディーの生家など

その他、数々の小さな村、記念碑、教会、風車、また一部デヴォン州も通過しました。電車で少々行きにくい場所をメインにして。

Glastonbury Tor
行くところ全て綺麗で、「もっと早く来れば良かった。」の連続。特に、イングランド東部、イースト・アングリアの平坦な地に住んでいると、久しぶりに見る、緑の高い丘と断崖絶壁の海岸線のドラマには、ぐっーと来ます。ですから、この旅行中、見晴らしの良さそうな丘の上には、幾度も登り、情けないことに、まだ足の筋肉痛が残っています。

自然の美しさ以外に、イングランドの風景が楽しいのは、アーサー王、アルフレッド大王などの、その地にまつわる伝説や歴史が追える事、トマス・ハーディーやジェーン・オースティンの小説に描かれている風景を実感できる事、メアリー・アニング、T.E.ロレンス(アラビアのロレンス)などの人物たちが実際に歩いた道を辿れる事にもあります。ドーセットは、映画「フランス軍中尉の女」(The French Lieutenant's Woman)や、今年の春、リメイクが封切りされたばかりの「遥か群集を離れて」(Far from the Madding Crowd)のロケ先にも使われていますし。

Exmoor
今回訪れた場所を、忘れてしまう前に、少しずつ、ブログに載せて行こうとは思ってはいるものの、それでなくても、書くのが遅い私なので、一体、いつ全部書き終わるのか・・・。それにしても、海外旅行はさておき、イングランド内でも、まだまだ行ったことのない場所が沢山あるものです。

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