田舎の日曜日

「何じゃ、この映画、何も起こらないじゃないか。」と途中でやめてしまう人もいるかも。私は、とても好きな映画でしたが。かなり以前、一度見たきりですが、色々な場面を良く覚えて、もう一度見てみたい。英語のタイトルは、そのまま直訳の「A Sunday in the Country」。

田舎に住む画家の父親のもとに、日曜日になると頻繁に義理堅く訪ねてくる息子家族。ある日曜日、あまり姿を見せない、娘も訪れた。

この家族が日曜の午後を過ごす様子を追う、それだけの、取り立てた筋も無い映画です。私は、家族間の感情を読むのが面白かったですが。また、口には出さないものの、娘の心の半分を占めている感の彼女の私生活と恋愛関係も、あちらこちらで見え隠れして。

父親は、陽気で奔放な娘の方がなんとはなしに可愛い。兄の子供たちも、堅苦しくぎこちない両親より、明るくきれいなおばさんに好感を持つ。兄にはそれが少し面白くなく、時々、つっかかってしまう。兄の感情描写に「裏切られた、献身的な恋人のように」という表現を使っていたのをなんとなく覚えています。

父親と娘が村の居酒屋へ行き、ダンスをする人々を眺める場面が特に綺麗でした。ルノワールの絵に見えるように撮ったという話を聞きましたが、本当に、その通りでした。「パパ、踊ってよ。」とか言って2人もダンスに加わるのでしたっけか・・・。(右の絵はルノワール、Pierre-Auguste RenoirのDance at Bougival。)

以前、知り合いが「フランス映画は速度がおそくてな。人がスープ飲むところを10分映してるの見ても仕方ないのに。」なんて言ってました。スープを飲みながら、心の中で何かが起こっていて、それを上手く表現できてる映画もあり、これもそんな映画のひとつだと思うのですが。それに、目にもとても良いご馳走になりました。

原題:Un dimanche á la campagne
監督:Bertrand Tavernier
製作:1984年
言語:フランス語

コメント

  1. こんばんは
    今日は近くの沼に鳥を見に行きました。カワセミを見る事が出来てラッキーでした。フランス映画、思い出すのは「男と女」高校生だったので意味が分かりませんでした。でも音楽とシーンが今も頭に残っているのは、それなりにいい映画だったということでしょうね。最近では「マルセルの夏」というのが良かったです。時代も同じくらいかな?

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  2. 映画も、まだ、見ていないもの、見ても記憶のかなたに消えているもの、沢山あります。
    とりあえずは、見て好きだったものを記憶をリフレッシュさせて、思ったこと、背景、関連事項を、後の自分の参考のためにも、また、紹介の意味でも、ログってはいるのですが、それですらペースが間に合わない次第です。

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