お日様の様なセント・ジョーンズ・ワート
庭のセント・ジョーンズ・ワート(St John's Wort)の茂みの花が満開になりました。
洗礼者ヨハネ(John the Baptist ジョン・ザ・バプティスト、St John セント・ジョン)の誕生日で、聖人の日である6月24日あたりに咲きはじめ、秋まで咲き続けてくれます。これが咲くと、庭の奥のほうが、ぱあーっと明るくなるのです。ワートとは食用、薬用に使用された植物を指して使用された言葉なので、セント・ジョーンズ・ワートとは、「洗礼者ヨハネの薬草」の意味。学名の「Hypericum ヒペリカム」は、ギリシャ語源で、「聖画像(イコン)の上」を意味し、聖画像の上に飾って魔よけとした習慣に端を発するそうです。日本語名は、セイヨウオトギリソウ。
うつ病やその他もろもろに効くとされ、昔から薬用に使用されてきた種は、Hypericum perforatumと呼ばれる野生植物。「perforatum」は「穴の開いた」の意味で、葉に、まるで穴が開いたように見える点々があることから付いた名前ですが、この点々の内部でエッセンシャルオイルが作られているのだそうです。黄色の星の様な花は、聖人の頭を囲む後光のようにも見え、花を摘むと、茎から赤い汁がしたたるそうなのですが、これも、サロメでお馴染みのように、頭をはねられて殺された洗礼者ヨハネを思わせる。この不思議な赤い汁と、花が咲き始める6月後半は、夏至の日にも近いため、初期のキリスト教信者たちにより、セント・ジョーンズ・ワートと呼ばれ始める以前から、ミスティックなパワーを持つ植物として、薬用にも、魔よけにも使われ、人々に知られていたようです。(Hypericum perforatumの花の写真は、ワイルドライフトラストの英語ページまで。こちら。)
キューガーデンのサイトによると、ヒペリカムに属し、一般的にセント・ジョーンズ・ワートと呼ばれる植物は、Hypericum perforatumの他にも、1年草のものから多年草のものまで、全部で350種近くあるのだそうです。花はどの種も黄色ですが、サイズは色々。私が持っているセント・ジョーンズ・ワートは、園芸種の、Hypericum "Hidcote" (ヒペリカム ヒドコート)。うちの庭では、長年ずーっと同じ場所に構えているご老公様の貫禄で、丈夫で、病気知らず。毎年欠かさず、多量の花を咲かせてくれます。世話としては、毎3月に、前の年に成長した部分を刈り込むだけ。真夏には、高さ約150~180センチほどとなる常緑の茂み。このヒペリカム ヒドコートは、日本語では、大輪金糸梅と称されることもあるようです。確かに、花のサイズは大きめ。
この花には、蜂も多く訪れますが、今年は特に、花の中で花粉をむしゃむしゃやる、小さな黒ゴマのような花粉甲虫(Pollen beetle、ポリン・ビートル)が大量発生で、やたら目に付きます。年により、ある種の虫の数が多かったり少なかったりするのも、観察していて面白いものです。微妙な天候の違いや雨量の違いなどが関係あるのかもしれません。
花粉甲虫は、特に、黄色い花に強く引かれる様で、菜の花にも良く見られるようです。基本的に、この小さい黒ゴマさんたちは、害虫のカテゴリーにははいらず、少なくとも、イギリスに存在するものは、植物に被害を与えることはまず無いようです。コーディアルを作るために、エルダーフラワーを収穫したときも、花の中に、数匹潜んでいたので、水洗いする前に、パティオで、振り落とし作業がちょいと大変ではありましたが。また、切花にして、部屋の中へ持ちこうもうとするときも、振り落とし作業が必要となります。ただ、お日様を好むようなので、切花にした後、すぐに家に持ち込まず、しばらく日陰においておくと、自ら去っていくようです。
セント・ジョーンズ・ワートは、うつ病に効くと言われる、と書きましたが、私は、セント・ジョーンズ・ワートのハーブティーやらカプセルなどは飲んだ事はないので、その効果はわかりません。幸い、欝の気もあまりないですし。ただ、この葉っぱをつぶして出てくる香りは、気分を晴れやかにするものがあります。以前、何度か、クリスマス・リースを作る時に、この柔軟な枝を切って、輪を作り、この時も、香りのおかげで、気分が良かったのです。(ちなみに、ヒペリカム ヒドコートの茎からは、Hypericum perforatumの様な、赤いお汁は出てきません。)
それに、この小さなお日様の様な明るい黄色。知らずに、顔にスマイルが浮かぶ光景で、香りのみならず、見た目も、気分を明るくするのに効果アリ。
You are my sunshine, my only sunshine
You make me happy when the skies are grey
You'll never know, dear, how much I love you
Please don't take my sunshine away
君は、僕のサンシャイン、ただひとつのサンシャイン
たとえ空が灰色でも、僕を幸せにしてくれる
どんなに君を愛しているか、ねえ、君には想像もつかないだろう
どうか、僕からサンシャインを取り上げないでおくれ
と「ユー・アー・マイ・サンシャイン」なんぞを歌いたくなる。
好きな植物は沢山ありますが、もし引っ越しても、引越し先の庭に、絶対持っていくか、植え直したいと思う茂みは、このヒペリカム ヒドコートと、ローズマリーですね。
洗礼者ヨハネ(John the Baptist ジョン・ザ・バプティスト、St John セント・ジョン)の誕生日で、聖人の日である6月24日あたりに咲きはじめ、秋まで咲き続けてくれます。これが咲くと、庭の奥のほうが、ぱあーっと明るくなるのです。ワートとは食用、薬用に使用された植物を指して使用された言葉なので、セント・ジョーンズ・ワートとは、「洗礼者ヨハネの薬草」の意味。学名の「Hypericum ヒペリカム」は、ギリシャ語源で、「聖画像(イコン)の上」を意味し、聖画像の上に飾って魔よけとした習慣に端を発するそうです。日本語名は、セイヨウオトギリソウ。
うつ病やその他もろもろに効くとされ、昔から薬用に使用されてきた種は、Hypericum perforatumと呼ばれる野生植物。「perforatum」は「穴の開いた」の意味で、葉に、まるで穴が開いたように見える点々があることから付いた名前ですが、この点々の内部でエッセンシャルオイルが作られているのだそうです。黄色の星の様な花は、聖人の頭を囲む後光のようにも見え、花を摘むと、茎から赤い汁がしたたるそうなのですが、これも、サロメでお馴染みのように、頭をはねられて殺された洗礼者ヨハネを思わせる。この不思議な赤い汁と、花が咲き始める6月後半は、夏至の日にも近いため、初期のキリスト教信者たちにより、セント・ジョーンズ・ワートと呼ばれ始める以前から、ミスティックなパワーを持つ植物として、薬用にも、魔よけにも使われ、人々に知られていたようです。(Hypericum perforatumの花の写真は、ワイルドライフトラストの英語ページまで。こちら。)
キューガーデンのサイトによると、ヒペリカムに属し、一般的にセント・ジョーンズ・ワートと呼ばれる植物は、Hypericum perforatumの他にも、1年草のものから多年草のものまで、全部で350種近くあるのだそうです。花はどの種も黄色ですが、サイズは色々。私が持っているセント・ジョーンズ・ワートは、園芸種の、Hypericum "Hidcote" (ヒペリカム ヒドコート)。うちの庭では、長年ずーっと同じ場所に構えているご老公様の貫禄で、丈夫で、病気知らず。毎年欠かさず、多量の花を咲かせてくれます。世話としては、毎3月に、前の年に成長した部分を刈り込むだけ。真夏には、高さ約150~180センチほどとなる常緑の茂み。このヒペリカム ヒドコートは、日本語では、大輪金糸梅と称されることもあるようです。確かに、花のサイズは大きめ。
この花には、蜂も多く訪れますが、今年は特に、花の中で花粉をむしゃむしゃやる、小さな黒ゴマのような花粉甲虫(Pollen beetle、ポリン・ビートル)が大量発生で、やたら目に付きます。年により、ある種の虫の数が多かったり少なかったりするのも、観察していて面白いものです。微妙な天候の違いや雨量の違いなどが関係あるのかもしれません。
花粉甲虫は、特に、黄色い花に強く引かれる様で、菜の花にも良く見られるようです。基本的に、この小さい黒ゴマさんたちは、害虫のカテゴリーにははいらず、少なくとも、イギリスに存在するものは、植物に被害を与えることはまず無いようです。コーディアルを作るために、エルダーフラワーを収穫したときも、花の中に、数匹潜んでいたので、水洗いする前に、パティオで、振り落とし作業がちょいと大変ではありましたが。また、切花にして、部屋の中へ持ちこうもうとするときも、振り落とし作業が必要となります。ただ、お日様を好むようなので、切花にした後、すぐに家に持ち込まず、しばらく日陰においておくと、自ら去っていくようです。
セント・ジョーンズ・ワートは、うつ病に効くと言われる、と書きましたが、私は、セント・ジョーンズ・ワートのハーブティーやらカプセルなどは飲んだ事はないので、その効果はわかりません。幸い、欝の気もあまりないですし。ただ、この葉っぱをつぶして出てくる香りは、気分を晴れやかにするものがあります。以前、何度か、クリスマス・リースを作る時に、この柔軟な枝を切って、輪を作り、この時も、香りのおかげで、気分が良かったのです。(ちなみに、ヒペリカム ヒドコートの茎からは、Hypericum perforatumの様な、赤いお汁は出てきません。)
それに、この小さなお日様の様な明るい黄色。知らずに、顔にスマイルが浮かぶ光景で、香りのみならず、見た目も、気分を明るくするのに効果アリ。
You are my sunshine, my only sunshine
You make me happy when the skies are grey
You'll never know, dear, how much I love you
Please don't take my sunshine away
君は、僕のサンシャイン、ただひとつのサンシャイン
たとえ空が灰色でも、僕を幸せにしてくれる
どんなに君を愛しているか、ねえ、君には想像もつかないだろう
どうか、僕からサンシャインを取り上げないでおくれ
と「ユー・アー・マイ・サンシャイン」なんぞを歌いたくなる。
好きな植物は沢山ありますが、もし引っ越しても、引越し先の庭に、絶対持っていくか、植え直したいと思う茂みは、このヒペリカム ヒドコートと、ローズマリーですね。
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