イギリスの赤い電話ボックスの歴史
最近はみんな、携帯、スマホの時代ですから、外出先から連絡が必要なときに、電話ボックスに駆け込み、硬貨を落とすなんていう事をする人はいなくなりました。それでも、イギリスのシンボルの一つの様な、赤い電話ボックスは、まだ巷に残っており、ロンドン内では、観光客が、その前や、中でポーズを取って写真を撮る姿も良く見かけます。内部の電話は、もう取り去られているものがほとんどですが。
この電話ボックスをデザインしたのは、建築家ジャイルズ・ギルバート・スコット(Giles Gilbert Scott)。ロンドンのバンク・サイド発電所(現テート・モダン美術館)、リヴァプール大聖堂設計、戦後のシティー内ギルド・ホールの修理増築などで知られている人物。ギルバート・スコット家は、有名な建築家一族で、ジャイルズの祖父、ジョージ・ギルバート・スコットは、ロンドンのセント・パンクラス駅の駅舎、及び駅舎に隣接のミッドランド・ホテルが代表作。ジャイルズの父のジョージ・ギルバート・スコット・ジュニア、更には、ジャイルズの息子のリチャード・ギルバート・スコットも建築家です。
最初の赤いテレフォン・ボックスは、ジャイルズ・ギルバート・スコットが、総合郵便局(General Post Office、略してGPO)によって行われた電話ボックスのデザインコンペに出し選ばれたもので、1926年から導入され始めます。当時は、通信関係は郵便局の管理であり、電話、昨今ではインターネットなどを扱う通信会社であるブリティッシュ・テレコム(BT)が、郵便局から独立して設立されるのは、1981年と、かなり後になります。
ただの立方体ではなく、頭がひょこっと丸まっている形は、やはりイギリスの著名建築家ジョン・ソーン(John Soane)が、自らデザインした、彼と妻の墓からインスピレーションを得ています。
ただし、ジャイルズ・ギルバート・スコット本人は、外観の色は銀色を選んだようですが、郵便局が、最終的に赤に決めたという事。やはり、赤い色の方が、ぱーっと目だって、「あ、電話、あそこだ!」とすぐわかりますから、これは良い判断であったと思います。この一番最初に作られた、K2というデザインの物は、ロンドンを中心に設置。Kというのは、Kiosk(キオスク)からきています。ついでながら、キオスクというのは、なんでも、ペルシャ語のクシュクという言葉が語源だそうで、もともとは、庭園に置くガゼボや小屋のようなものを指したという事です。要は、独立して立つ小屋。今では、キオスクと言うと、たばこや新聞、お菓子などを買える街路や駅などに立つ小さい店を指すことがほとんどですが。
ジャイルズ・ギルバート・スコットによるデザインの赤い電話ボックスが導入される以前の公衆電話のボックスの色は白で、形は、とんがり屋根。名前は・・・そう、K1!これの本物は、見た記憶がありません。それもそのはず、全国で指折り数えるほどしか残っていないのだとか。どこにあるんでしょうね。
最初の赤電話ボックスであるK2は、比較的大型で、製造設置料が高価であったため、またいくつかの違ったデザインのものが、後に導入されますが、ほぼ同じ形で、K2より小型のK6と呼ばれるものが、ロンドンのみならず、イギリス各地に、1936年から、大量に設置されたということ。大体の場合、ロンドンや田舎の道を歩いていて遭遇する赤い電話ボックスは、おそらくこのK6でしょう。郵便局によるテレフォン・ボックスの種類のうち、最も数多く導入され、もっとも数多く残っているタイプだというので。
前述のように、現在は電話ボックスとしての最初の機能はなくしているので、色々、場所によって、
小型図書館に使われたり、
植物を飾る場所に使われたり。この写真は、イースト・アングリアン鉄道博物館で撮ったもの。
お金を引き下ろすマシンが挿入されていたり、
地元の情報ボックスとして使用されたりと色々。上は、エセックス・ウェイという長距離ハイキング路を歩いたとき、道中にあったエセックス・ウェイに関する情報ボックスになっていました。
こちらの電話ボックス内には、いきなり心臓がおかしくなって、倒れた、なんていう人のための医療機器である除細動器(defibrillator)が設置してあります。これで電気ショックを与えて、心臓の鼓動を正常にもどすものだそうです。でも、いざとなった時、ささっと使える人がそばにいない事には、役に立たない?
一度出かけたアンティークショップで、売られている電話ボックスもありました。購入したら、庭にでも置くのでしょうか。こんなの買ったら、何に使います?私は、庭に置くとしたら、ガーデン用道具置き場にでもしようかな。温室にするには狭すぎるし。
この電話ボックスのデザインなども、先日書いたピルボックスなどと同じで、マニアになると、どこまでも突っ込んで調査したくなる人なども、いる事でしょう。おそらく、そんな人たちが作った、電話ボックスを徹底的に研究してあるサイトが、こちらです。このサイトで、K2とK6の形比べもできます。大きさの違いの他にも、K2は、縦3つに分かれているガラス格子の大きさがすべて均等のようですが、K6は、ガラス格子中心の部分が、左右の部分より幅広くなっています。上に載せた私の取った写真は、すべてK6だと思います。
この電話ボックスをデザインしたのは、建築家ジャイルズ・ギルバート・スコット(Giles Gilbert Scott)。ロンドンのバンク・サイド発電所(現テート・モダン美術館)、リヴァプール大聖堂設計、戦後のシティー内ギルド・ホールの修理増築などで知られている人物。ギルバート・スコット家は、有名な建築家一族で、ジャイルズの祖父、ジョージ・ギルバート・スコットは、ロンドンのセント・パンクラス駅の駅舎、及び駅舎に隣接のミッドランド・ホテルが代表作。ジャイルズの父のジョージ・ギルバート・スコット・ジュニア、更には、ジャイルズの息子のリチャード・ギルバート・スコットも建築家です。
最初の赤いテレフォン・ボックスは、ジャイルズ・ギルバート・スコットが、総合郵便局(General Post Office、略してGPO)によって行われた電話ボックスのデザインコンペに出し選ばれたもので、1926年から導入され始めます。当時は、通信関係は郵便局の管理であり、電話、昨今ではインターネットなどを扱う通信会社であるブリティッシュ・テレコム(BT)が、郵便局から独立して設立されるのは、1981年と、かなり後になります。
イギリスの電話ボックスのインスピレーションとなったジョン・ソーンの墓 |
ただし、ジャイルズ・ギルバート・スコット本人は、外観の色は銀色を選んだようですが、郵便局が、最終的に赤に決めたという事。やはり、赤い色の方が、ぱーっと目だって、「あ、電話、あそこだ!」とすぐわかりますから、これは良い判断であったと思います。この一番最初に作られた、K2というデザインの物は、ロンドンを中心に設置。Kというのは、Kiosk(キオスク)からきています。ついでながら、キオスクというのは、なんでも、ペルシャ語のクシュクという言葉が語源だそうで、もともとは、庭園に置くガゼボや小屋のようなものを指したという事です。要は、独立して立つ小屋。今では、キオスクと言うと、たばこや新聞、お菓子などを買える街路や駅などに立つ小さい店を指すことがほとんどですが。
ジャイルズ・ギルバート・スコットによるデザインの赤い電話ボックスが導入される以前の公衆電話のボックスの色は白で、形は、とんがり屋根。名前は・・・そう、K1!これの本物は、見た記憶がありません。それもそのはず、全国で指折り数えるほどしか残っていないのだとか。どこにあるんでしょうね。
最初の赤電話ボックスであるK2は、比較的大型で、製造設置料が高価であったため、またいくつかの違ったデザインのものが、後に導入されますが、ほぼ同じ形で、K2より小型のK6と呼ばれるものが、ロンドンのみならず、イギリス各地に、1936年から、大量に設置されたということ。大体の場合、ロンドンや田舎の道を歩いていて遭遇する赤い電話ボックスは、おそらくこのK6でしょう。郵便局によるテレフォン・ボックスの種類のうち、最も数多く導入され、もっとも数多く残っているタイプだというので。
前述のように、現在は電話ボックスとしての最初の機能はなくしているので、色々、場所によって、
小型図書館に使われたり、
植物を飾る場所に使われたり。この写真は、イースト・アングリアン鉄道博物館で撮ったもの。
お金を引き下ろすマシンが挿入されていたり、
地元の情報ボックスとして使用されたりと色々。上は、エセックス・ウェイという長距離ハイキング路を歩いたとき、道中にあったエセックス・ウェイに関する情報ボックスになっていました。
こちらの電話ボックス内には、いきなり心臓がおかしくなって、倒れた、なんていう人のための医療機器である除細動器(defibrillator)が設置してあります。これで電気ショックを与えて、心臓の鼓動を正常にもどすものだそうです。でも、いざとなった時、ささっと使える人がそばにいない事には、役に立たない?
一度出かけたアンティークショップで、売られている電話ボックスもありました。購入したら、庭にでも置くのでしょうか。こんなの買ったら、何に使います?私は、庭に置くとしたら、ガーデン用道具置き場にでもしようかな。温室にするには狭すぎるし。
この電話ボックスのデザインなども、先日書いたピルボックスなどと同じで、マニアになると、どこまでも突っ込んで調査したくなる人なども、いる事でしょう。おそらく、そんな人たちが作った、電話ボックスを徹底的に研究してあるサイトが、こちらです。このサイトで、K2とK6の形比べもできます。大きさの違いの他にも、K2は、縦3つに分かれているガラス格子の大きさがすべて均等のようですが、K6は、ガラス格子中心の部分が、左右の部分より幅広くなっています。上に載せた私の取った写真は、すべてK6だと思います。
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