ウォーキー・トーキーのスカイ・ガーデン
スカイ・ガーデンでくつろぐカップル |
写真右手がウォーキー・トーキー、中央がガーキン |
それと同じように、高さ160メートルの高層ビル、20フェンチャーチ・ストリートも、正式名を知っていて、それで呼ぶ人はほとんどいない。こちらのニックネームは、ウォーキー・トーキー(Walkie‐Talkie)。日本語ではトランシーバーの事です。上に行くほど頭でっかちとなる、その形が、トランシーバーに似ているとやらで。頭でっかちな理由は、限られたスペースを有効に利用できるという事にあるようです。確かに、チューダー朝のハーフティンバーの建物なども、地階より、上階が突き出ていたわけで、基本的には同じことなのでしょうが、これだけ背が高いと、その不安定な姿には、いささかの居心地の悪さを感じる私です。ウォーキー・トーキーが完成したのは、2014年。
まだ建設中の2013年のとある猛暑の日。ウォーキー・トーキーの南面は、ぎらぎらの太陽熱を受け、巨大虫眼鏡よろしく、それを下の道路へ反射させ、そこに止められていた高級車のハンドルなどが溶けてしまったという笑い話のような事件がありました。この際、この建物は、ウォーキー・トーキーではなく、「Walkie Scorchie (ウォーキー・スコーチー、scorchはじりじりと焼く、の意味)」だ、などと各メディアでおちょくられていました。その後、高級車の所有者には、賠償金が支払われ、問題の巨大虫眼鏡ガラスには、太陽光線を遮断するスクリーンが設置され、一応は、一件落着したようですが。
見た目はともかく、観光客にとって、現在、このウォーキー・トーキーの魅力は、最上階、36~38階を占めるスカイ・ガーデン(Sky Garden)。人間は、高いところに登るのが好きですが、21世紀に入ってからの、この高層ビル建設ラッシュで、ひとついい事は、ロンドンを見張らせる場所が増えた事でしょうか。しかも、シャードなどは、見晴らし台に登るのにかなりの高額を取られますが、ウォーキー・トーキーのスカイ・ガーデンは、無料なのがグッド。リピーターもいるようで、すでに3回行ったという知り合いは、「スカイ・ガーデンのメリットは、ウォーキー・トーキーが目に入らない事。」なんて、しつれいな事を言ってました。
さて、耳がつーんとなる速度で、エレベーターでぐーーーんと最上階へ上り、スカイ・ガーデンに到着。ガーデンという名がついている分、南国風の植物が多少植えられており、ロンドンを眺められる、温室といったムード。
川向こうのシャードが、こちらの様子を伺ってます。
西はセント・ポール寺院や更にはるかなテレコム・タワーを望み。2016年には、セント・ポールのドームに登って、こちら方面を眺めたのでしたっけ。
イングランド銀行を上からのぞき込むとこんな感じ!
シティーのおへそにあたる、バンク・ジャンクション(地下鉄バンク駅の交差点)。
これは個人的な話ですが、この写真は、私が昔働いていた、取り壊し寸前のオフィス・ビル。無くなる前に、その姿を記念に取っておきました。この写真を添付して、昔の、日本人上司に「私たちのオフィス、もうすぐ無くなりますよ。」とメールすると、「え、ロンドンの建物は100年は壊さないのかと思ってた。」との返事。いやいや、壊すんですよね。戦後に建てられた、こういうビルは、悲しいかな、もう時代遅れ・・・。今は、ブルームバーグ社の新しいオフィス、及び、設置しなおしたミトラス神殿が入っている、ぴかぴかの建物も、私の旧オフィスと同じような感じのビルを取り壊して作られたものですし。
ロンドン塔やらセント・ポールなどの由緒正しき観光地は、「しっかり歴史を頭に入れて、見学しないと。」と、自分に対するプレッシャーもかかり、見終わった後、どーっとつかれてしまったりしますが、こういう、ただ眺めて「おお!」と楽しめる場所は、そうした正式(?)観光地の合間に訪れてリラックスするにももってこいです。
私は2回訪れ、2回とも曇り空であったので、次回は、からりと晴れた日に、もう一度繰り出して見ようと思います。
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