Brexit ! イギリスのEU離脱派勝利

イギリスのEU国民投票、わずかな差でリメイン派が勝つのではという話を聞いて、昨夜は結果を特に待たずに床につきました。ところがどっこい、4時半ころに目を覚まし、ラジオをつけてびっくり。Brexit ! この言葉は、Britain(英国)と Exit(離脱)をくっつけた言葉。過半数が選んだのが、EUからの脱退。

ポンドはすでに急降下。Brexitが原因で、イギリスの税収の10%以上を稼ぎあげているロンドンのシティーの金融機関が、他国に去ってしまったら、かなりの打撃となります。ロンドンのエリートを嫌って、離脱に投票したような人たちは、こうして、ロンドンの経済が危うくなる方向に投票し、国の税収は下がるは、物価は上がるは、で自分で自分の首を絞めたような行為となるかもしれません。必死に、残留のキャンペーン活動をしていた、うちのだんなは、「この国、じょじょに、じょじょに、経済が悪化して、そのうちベネズエラみたいな状態になるかも。」などと心配しています。

離脱派政治家は、キャンペーンで、今EUに払っている金をすべて自国で好きなように使えるから、病院や学校、その他、国民が大切としている機関にもっと投資できる、移民も少なくなる、すべてが良くなるのような、バラ色の風景を描いており、残留派を、「離脱すると経済が悪化すると、国民を怖がらせて、無理やり残留させようとしている、恐れのプロジェクト(Project fear)だ。」と責め、「コントロールをEUから取り戻せば、イギリス国民は、自力でやっていける力がある」などと理性より感情に訴える、根拠もないスローガンを繰り返していました。この「コントロールを取り戻せ!Take back control!」という言葉、テレビでの討論の最中も、離脱派政治家たちにより、それは何度も何度も繰り返され、まるで、洗脳。そんな単純なスローガンに洗脳されてしまう国民も国民ですが。さて、彼らの望んだとおり、Brexitと決まり、イギリスがどんどん、経済的に落ち込んでいったら、責任とってもらいましょうね。

EU離脱が勝った理由は、やはり東欧からの移民の数に歯止めがかけられない事、ひいては、ヨーロッパへ次々と入ってくる難民が、やがてはイギリスにも流れ込んでくるのでは、という恐れ。そして、ロンドンのエリート層への反感、一般政治家への嫌悪感、EUにあーしろ、こーしろ言われるのが嫌だというプライド・・・。残留派のキャンペーンが、経済に焦点を絞り、移民問題を避けて、ほとんど無視して話を進めようとしたのも、逆噴射したのではないでしょうか。

予想通りに、スコットランドは大幅にリメインが強く、すでに、2度目のスコットランド独立のための国民投票の話が上がっています。北アイルランドもわずかの差でリメイン。北アイルランドは、EUメンバー国のアイルランド共和国と地続きであるため、脱退後は、今より厳重な国境の管理が必要ともなります。ウェールズは、リーブ。イングランド内でリメイン派が強いのはやはりロンドン。ケンブリッジ、オックスフォードなどもリメイン派がかなり多い地域です。そして、スペインに自由に出入りできなくなったら、ジブラルタルなどは、一体どうなるのか。可哀想なジブラルタルは、95.9%という圧倒的多数でリメインに投票しています。なんでも、イギリスでブレグジットへ投票したタイプの人間は、米の大統領選挙で、ドナルド・トランプに投票するようなタイプと、非常に類似点が多いのだそうです。

EU脱退の過程を開始してから、完了まで、2年の過程がかかるそうです。あと、3か月ほど首相の座に留まり、10月までに辞任を表明したデイヴィッド・キャメロンは、EU脱退過程開始は、次の首相が決まるまで行わないという姿勢。

今のところ、私の頭の中も混とん。イタリア人の奥さんを持つ、だんなの昔の同僚は、今のうちに、イタリア市民権を申請しておこうなんて言ってます。スコットランドに引っ越そうか、なんて半分冗談、半分本気の友達もいますし。スコットランド・・・あんなに暗く寒くなければね~。ロンドンが都市国家として、イギリスから脱退したら、またロンドンに引っ越すとか・・・まず、そんな事はないでしょうが。

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