エリザベス女王の2つの誕生日

現イギリス女王、エリザベス2世が生まれたのは、1926年4月21日。ですから、彼女の本当の誕生日は4月なのですが、記念式典、パレード等を行う公式誕生日は6月の土曜日となります。今年はこの公式誕生日が、昨日、6月11日の土曜日。御年90とあって、一昨日から、昨日、今日と盛りだくさんの式典。一昨日は、また、夫君エジンバラ公の95歳の誕生日で、朝のラジオで、国歌が流れてきました。

もともと、イギリスの王様女王様が夏に公式誕生日を持つ、というのは、1748年、ジョージ2世の時代に遡るそうです。11月生まれであったジョージ2世は、誕生日を祝うパレードを行うには、11月は、寒くて惨めであったため、夏に公式誕生日を移行してセレモニーを行った、というのが事の始まり。このため、現在もイギリスの王様、女王様は、夏のお天気が良い時期に誕生日のお祝いをすることができる、というもの。4月も悪くはないですが、チューリップ以外の花も咲きそろい、イギリスのバラも開き始める6月の方が、たしかに魅力的ではあります。

という事で、昨日、式典に登場したエリザベス女王の洋服はびっくりするような蛍光の緑。まあ、遠くから、すぐに誰だかわかりますが。それにしても、90歳と95歳で、結構長時間、立ちっぱなしとかもまだやってますので、かなり丈夫。おトイレなども、時に、平気のへいざの顔をしながら、我慢しなければならないでしょうに。長生きするのなら、このくらいぴんしゃんしていたいものです。

ロンドンの官庁街ホワイトホールの裏手に位置するホース・ガーズ・パレード(Horse Guards Parade)で行われるトゥルーピング・ザ・カラー(Trooping the Colour)という儀式は、彼女の公式誕生日の恒例行事。ここで言うカラーとは、イギリス及び、大英帝国軍隊の連隊の旗で、かつて戦場で、それぞれの連隊の兵士が自分たちの属する部隊の位置と状況確認できるよう、旗をあげて行進を行ったことに由来するようですが、上記の通り、ジョージ2世が公式誕生日を夏に設置してからは、イギリス君主の誕生日パレードにも使われるようになります。

トゥルーピング・ザ・カラーは、毎年、テレビでも報道。この兵隊の列、おもちゃのチャチャチャ、おもちゃのチャチャチャ、ですね。布地のデザインの様にも見える。昔は、エリザベス女王、自ら馬にまたがり、この様子を馬上から見ていたと記憶するのですが、さすがに、今は、テントの下で見ていました。

トゥルーピング・ザ・カラーのパレードが終わった後、女王は、バッキンガム宮殿へ戻り、バルコニーに、他の王室メンバーと共に登場。ここから、ロイヤルエアフォース(イギリス空軍)の飛行機がマルから、バッキンガム宮殿上空を通過するのを見学する、フライパスト(Flypast)という儀式でお開きとなります。

我が家は、飛行機が飛び立って、バッキンガム宮殿にたどり着くまでの飛行路線にあるため、大体の場合、フライパストがある際は、庭から、女王より先に、こうした飛行機を眺める事ができます。上が、我が家の庭の上空を通過するところ。

この約5分後、同じ飛行機が、テレビ画面で、バッキンガム宮殿の上に現れます。

ロイヤルエアフォースのディスプレーの最後を締めくくるのは、いつも9機の Red Arrows、レッドアローズ。

さすがに、レッドアローズは、我が家の上空では、色つき煙幕を出してはくれませんが。だんなは、いつか、女王に会うような事があったら、「おいらのうちでは、お宅より先にフライパストの飛行機を見れるって言おう」なんて言ってます。

バルコニーには、飛行機を見るために、日本の動物園のお猿さんと同じ名のシャーロット王女も登場し、バルコニー・デヴューを果たしていました。

さて、このお祭り騒ぎが終わった後、約2週間後に待っているのは、EUに留まるか、脱出するかの国民投票。うちのだんなを始め、仲の良い友達は大体ステイ(留まり)派ですが、東ヨーロッパからの大量移民を嫌がる人が多いため、今のところ、脱出派が勝ちそうな勢い。どうなることやら。

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