花も葉もぴりっと美味しいナスタチウム

去年ガーデン・ナスタチウムを植えていた鉢を、枯れた後も、放置しておいたところ、土に落ちたタネが自然発芽して、今年も、オレンジ色の花をつけはじめました。学名は、Tropaeolum majus(トロパエオルム・マユス)、日本語俗名はキンレンカ。英語の俗名のナスタチウム(Nasturtium、英語の発音は、ナスターシャムに近いです。)は、クレソンなどを含む植物の学名でもあるため、少々混乱をもたらしますが、大体において、ナスタチウムと言うと、皆、思い浮かべるのは、この植物。クレソンと区別するために、ガーデン・ナスタチウムと呼ばれる事もあります。

原産は、中南米だそうで、貧しい土壌で育つ植物であるため、逆に、あまりにも栄養のある土壌に植え、更に、プラント・フードのやりすぎをすると、葉ばかり増えて花があまりつかない事などもあるようですので、ずぼらガーデナーにはうってつけの植物。ハーブ類なども、そういった、しつこく面倒を見られるのが嫌いなものが多いですが。

今うちの庭に咲いているのは、花の色はオレンジですが、来年は、真っ赤な花をつけるナスタチウムのタネも入手して育てるつもりでいます。うちのものは、大きくなるにつれ、鉢からこぼれるように垂れ下がるトレーリング・タイプなので、背の高いプランターの上に据えると、ちょいといい感じになります。種類によっては、塀や支えをよじ登るクライミング・タイプのものもあるようです。

ガーデン・ナスタチウムを育てる理由は、見た目もさることながら、花も、若いうちの、お盆形の葉っぱも食べられる、ということ。ビタミンCと、目の健康に良いなどというルテインも含んでいるそうですし。味はぴりっ。英語で、ペッパリー(peppery)と表現される味。同じ属には入らないものの、クレソンの味に似たものがあります。ちなみに、Nasturtiumという名称は、ラテン語に由来し、「鼻が曲がる様な」の意味があるそうです。

サラダの上に散らして食べると、見た目にも、味にアクセントが付きます。もっとも、ガーデニングしている最中に、花をつまんで、そのまま口に放り込んだりもしていますが。葉っぱの方は、裏側にアブラムシがついていることなどもあるので、洗ってから、刻んでやはり、サラダに入れたり、パスタに混ぜたりして食べてます。また、軽くいためたり、てんぷらにするなどというシェフもいるようです。

チャイブと言い、このナスタチウムと言い、食べられる花というのには、最近とみに心惹かれるものがあるのです。嫁さん選びではあるまいに、綺麗なだけじゃダメ、他に色々利点がないと、なんて、年を取るにつれ、植物に対する要求も段々高くなっている気がします。

商業用に育てられている花の大半は、室内に飾る用ですが、ごく一部、食用の花を育てている農家もあるのだそうで、先日、そうした食べられる花(エディブル・フラワー)を育てて出荷している人のインタヴヴューをラジオで聞いていました。出荷先は、比較的近場のレストランや、パン屋、ケーキ屋などで、挙げていた植物は、デザートに入れるカモマイル、ラベンダー。その他、カラフルにするためケーキの上に散らす花など。家庭菜園に、一般的野菜と一緒に、スーパーなどでは、ほとんど購入できない、エディブル・フラワーを育ててみるのも、一考ではないでしょうか。

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