ロンドン五輪聖火リレー

ロンドン・オリンピックの聖火リレーが近郊の村を走りぬけるというので、先日、雨の中、のこのこ出かけて行きました。

私達が到着した頃には、すでに道の両側にに人が集まっており、空いている場所を探して、陣取り、待つ事は約30分。その間に、英国のユニオン・ジャックやら、膨らませるビニール製の聖火トーチのおもちゃなどを売り歩くおじさんが通りかかり、思わず、買ってしまいました・・・この聖火トーチ。2ポンド。これが、5ポンドだったら、「こんな、くだらんものに5ポンドも取るとはけしからん!」と、きっと買わなかったでしょうが、「まあ、そのくらいなら。」と思わせる2ポンドという微妙な値段が決め手です。ロンドン五輪開催中は、窓にでも飾っておきましょう。

大急ぎでビニール・トーチを膨らませ、手に持って振りながら、沿道で待っていると、ロンドン・オリンピックのスポンサーのワゴン車やらバスやらが幾台か行き過ぎ、オートバイに乗った警察官が行き過ぎ。ようやく、わーっと歓声が聞こえてきて、雨の中、走者が現れました。

そして、あーっという間に消えていったのです。

この聖火リレー、5月19日に、コーンウォール州のランズエンドを出発し、英国内、8000マイルを、8000人のランナーを使って、70日間で回る・・・ということなのですが、ルートを全て隈なく、走者が聖火を掲げて走るのかと思っていたら、そうではないのです。かなりの部分を、おそらく車で移動させて、所々をこうして走るだけ。これを、リレーと呼ぶには、ちょっと偽っぽいな・・・と思うのですが、ルートをすべて、足で走るとなると、距離を大幅に短くしないと、時間なくなるので、仕方ないのでしょう。

聖火リレー最終日の70日目は、7月27日のオリンピックの開会日。トーチは朝、ハンプトン・コート宮殿で、同宮殿の有名なメーズ(迷路園)などを巡り、その後テムズ川を下って、午後には、タワー・ブリッジに到着。そして、夜には、東ロンドンのストラトフォードにあるオリンピック・スタジアムにお目見えする事となります。

オリンピックの開会式の芸術監督は、「スラムドッグ・ミリオネア」の映画監督ダニー・ボイルですが、なんでもオリンピック・スタジアムをイギリスの田舎風景に変えて、賛美歌「エルサレム」に歌われるイギリスの「green and pleasant land」(緑多き素晴らしき土地)を再現するのだそうです。このために、馬12頭、牛3頭、やぎ2頭、鶏10羽、あひる10羽、がちょう9羽、羊70匹、犬2匹も登場する予定らしいですが、動物愛護者などから、「動物達に、不必要なストレスを与えるから、作り物の動物で代用させたらどうか」のような、抗議の手紙も舞い込んでいるようです。もう、今からでは、計画変更もちょっと遅いですから、おそらく決行となるでしょう。それにしても、其々の動物の数は、どうやって決めたんでしょうね。

聖火リレーを見終わった後は、グリーン・アンド・プレザント・ランドの中、帰途に着きました。雨はあがったものの、まだしっとりと濡れた草を踏みながら。

過去2回のロンドン・オリンピックについては、過去の記事「ロンドン・オリンピックがやって来る」をご参照下さい。また、賛美歌「エルサレム」については、過去の映画記事「炎のランナー」まで。ところで、この「炎のランナー」(英語原題:Chariots of Fire)もオリンピックがテーマですが、現在、この映画の芝居版がロンドンのウェストエンドで上演されています。

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