あるもので作るクリスマス・リース

例年通り、クリスマスリース(アドベント・リース)を庭の植物を物色して作りました。

一般的に使う植物は、永遠の命の象徴の常緑樹。また、再生を表現する松ぼっくりや、木の実、実をアクセントに使い。円形というのも、終わり無き命と、神の愛、魂の不滅を示すと。

教会でのアドベント・リースには、4本のろうそくを立てたりするようです。1本のろうそくは、クリスマスにむけ、約4週間続くアドベント(待降節)の期間の各1週を表現し、アドベント中の1週間は、1000年、合計で、アダムとイブからキリスト生誕までの4000年を象徴。ろうそくの明かりは、世界を照らすキリストの愛。うーむ。と、うんちくを傾けたところで、実技に入ると・・・

我家のリースのために、庭で切ってきた常緑の葉は

月桂樹(Bay Laurel)
ミヤマシキミ(Skimmia)
ローズマリー(Rosemary)
セント・ジョーンズ・ワート(St John's Wort)
ツタ2種(アイビー、Ivy)

それから、多少の色付けに

ミヤマシキミの赤い実
ボケ(Chaenomeles, Japanese Quince)の黄色い実

を添えました。

キリストの受難の象徴のホーリー(セイヨウヒイラギ)も前庭にあるので、使おうと思ったのですが、指を刺して痛い目に合う事が多く、今回はやめました。

作り方は、私の場合は行き当たりばったりで、森の木こり風。

比較的長く切ったセント・ジョーンズ・ワートを束ね、タコ糸でくくりながら、輪を作り、その輪に、ツタをからめて形を整える。この基本の輪の弱そうな部分は、タコ糸で更に縛り、強化。「これで、崩れそうも無いぞ」、と思ったところで、残りの常緑葉を縛ってあるタコ糸に挿していく。最後に同じように、赤い実、黄色い実をバランスを見ながら差し込んで、ちゃんと固定されているか点検して、完成。植物を集めた後の、実際の作成時間は、30分ほどでした。

ツタをのぞけば、全て、葉がハーブ風の良い香りを放つため、指や腕に香りがまとわり、作っていて気分は最高です。ちなみに、セント・ジョーンズ・ワートは、鬱病に聞く薬学的効果があるなどという話ですが、葉の香りにも気がすーっとするものがあります。

出来上がったものは、完璧な円形と言うより、少々いびつとなりましたが、切れ目無く、ちゃんと繋がっていれば良いとしましょう。シーズンが終わったら、丸々リサイクルできるので、費用ゼロ、ごみゼロ、香り満杯リース。

上の写真は、2年前のクリスマス用に作ったもの。この時は、セイヨウヒイラギも使用しました。

セイヨウヒイラギとツタは、キリスト教以前から、魔よけの力があるとして、冬の装飾に使われいたようです。

セイヨウヒイラギは、この国の数少ない原生の常緑樹のひとつ。切り取っても、ワックスがかかった様なぴかぴかの葉は萎える事も無く、装飾に向いていたのでしょう。キリスト教後は、イエスの受難を思わせる、血の様な赤い実と、とがった鋭い葉で、すっかりクリスマスの植物としてお馴染みになりました。

クリスマス・キャロルのひとつにも、「The holly and the ivy 、ホーリーとアイビー」という曲があります。

歌詞の概要としては、

ホーリーは、百合のごとき白い花を付け、
メアリーは我等が救いの御子、イエスを生む

ホーリーは、血のごとき赤い実を付け、
メアリーは罪びとを救うイエスを生む

ホーリーは、とげのごとき鋭さで
メアリーはクリスマスの朝、イエスを生む

ウィンチェスター・カテドラル合唱団によるThe Holy and The Ivyを聞いてみよう。

思い思いの材料を使った其々のクリスマス・リース。その辺のスーパーで買うプラスチックのものよりも温かさがあるのです。

コメント

  1. クリスマスリース、とても素敵です。エバーグリーンがこんなにあるなんて、寒いとはいっても北海道とは違いますね。セント・ジョーンズ・ワートはストレスが多い仕事をしていた頃にサプリメントを試してみました。そういうものの常で効果ははっきりしませんでした。草のような感じかと思っていたのですが、しっかりしているのですね。ボケは昔実家の庭で実がなっていたのを思い出します。今年はかりん酒を仕込んでみました。かりんもquince(chinese)なのでボケの実でもお酒ができるかもしれません。固い実で切るのがたいへんでした。中身はジャリジャリした感じで、ジャムを作る人もいるというのですがどんなジャムになるのかなと思いました。

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  2. こんばんは
    すばらしいリースですね。リースを飾る習慣はまだ日本では定着していないと思いますが、我が家は数年前から玄関入り口にリースをさりげなく飾るようになりました。残念ながら手作りではありません。そして、玄関のテーブルにこれもさりげなくクリスマスの飾り物をならべたりしています。お正月には鏡餅の小さいのを飾ります。3月にはひな人形、5月には小さいこいのぼり、10月にはハロウィンの小さいカボチャなど。私もリースを作ってみたくなりました。

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  3. アネモネさん
    セント・ジョーンズ・ワートは、2年に一度くらいは刈り込まないと、かなり大きな茂みとなります。夏、黄色い花の咲くこの茂み、比較的多くの家庭の庭の塀や壁沿いに見かけます。葉の香りは爽快で好きです。
    一度、ボケでジャムを試みたのですが、収穫数が少なかった上、切るのがやはり、かなり固く一苦労。砂糖をどーっと入れたのに、まだ酸っぱかったです。私は、クリスマスリースの飾りで満足と言う事にしておきます。

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  4. せつこさん
    うちは、クリスマスツリーと言えば、高さ30センチくらいのすでに飾りがのりで貼り付けてある様なものをロフトから出して、飾るくらいで、これだけでは、あまりにスクルージのようだと思い、リースはと、大体毎年作っています。季節の行事と、冬のガーデニングの一環の感じです。
    円形でさえあれば、あとは個人の自由だと思うので、手間でなければ作るのも楽しいものです。

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