クリスマスの日の散歩

風は強かったのですが、暖かなクリスマスの日でした。ホワイトクリスマスなどというのは、イギリス南部ではめったにないことですが、温暖化が進むにつれ、ますます、稀な現象となる事でしょう。

クリスマスの日の昼頃は、大体の家庭は料理の仕上げに励むか、そろそろ食卓を囲み始めて席に着くかで、あまり外をふらつく人はいません。よって、12月25日の昼から4時頃にかけては、道路なども、1年のうちで一番空いている時間帯ではないかと思うのです。特に伝統的なクリスマスのご馳走などを作らない我が家では、これを利用して、遊びに来ていた友達を連れ出し、隣村にウォーキングに出かけました。

この隣村へ行くには、ちゃんとした歩行者専用のフットパスが通じていないため、普段は歩いて行こうと思うと、細い田舎の道路沿いの草の上を歩かねばならないので、あまり気分の良い散歩道ではないのですが、この日は行きも帰りも、通り過ぎた車の数は、計5台程度。道中、私たちのように、道路を散歩している変人に一人だけ遭遇。同じ通りに住んでおり、数年前に亡くなってしまったおばあさんは、昔々、まだ車の量が少なかったころは、良く週末にご主人と歩いてこの隣村まで行き、村のパブで食事をして、歩いて戻ったものだ、などと言ってましたが、現在では、車に煩わされずに、こうしてのんびりと隣村まで歩けるのは、1年でおそらくクリスマスの日だけ。

これが、翌日の26日(ボクシングデイ)となると、親戚一同家の中にこもっていたのに飽きた人たちが、近郊に歩きに出たり、また、巷では、クリスマス後のセールが始まるので、車で、ショッピングに出かける人たちなども多いので、同じような静けさは楽しめないのです。

のんびりと、歩いては止まりしながら、約1時間半後に、隣村の教会にたどり着きました。24日の夜には礼拝があって開いていたはずなのですが、クリスマス当日は、扉は閉まっており、内部には入れませんでした。

そこで、教会ポーチでビスケットを食べて、村の可愛い家々を眺めながら、ちょっと一休み。村の内部でも、外を行く人はおらず、ひっそり。

帰りは、別の、普段は田舎道にしては、わりと車の量が多い道路を辿って戻りましたが、こちらも、ほとんど車を見ずに済み、我が物顔で闊歩。50年前にタイムトラベルをしたような散歩でした。

計画通りに、3時少し前に家に戻り、無事、居間のソファーに座って、紅茶片手に、ミンスパイを頬張りながら、3時に、恒例、御年90歳のエリザベス女王のクリスマス・メッセージをテレビで見ることができました。

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