ピクルスと言えばブランストン
Pickle(ピクル)という言葉は、名詞では「(塩や酢を利用した)漬物、ピクルス」の意味。また動詞で、「漬物にする」の意味があります。日本語でピクルスと言うと、大体の人が、ガーキン(ghekin)のような、小型キュウリの酢漬けを思い浮かべる人が大半ではないかと思います。が、イギリスでpickleと言うと、パンの上に付けてのばすような、チャツネ風の物体を指すことが一般的です。こういったものを指す時、英語では、大体の場合、ピクルスと複数形を使用せず、「ピクル」です。ちなみに、
I',m in a pickle. (困ったじょうきょうにある。)
というイディオムがあります。直訳は、「私はピクルのただ中にある」ですが、ぐじょっとしたピクルの中でもがいている様子が想像でき、面白い表現です。「xxの漬物」と言いたいときは、pickled cucumber(きゅうりの漬物) pickled onion(玉ねぎの漬物)。
イギリス全国で販売されているピクルの中でも、一番人気のブランドは、ブランストン・ピクル。このブログの題名は、日本風に、「ピクルスと言えばブランストン」としましたが、本当なら、「ピクル(pickle)と言えばブランストン」。
我が家でも、「チーズ・アンド・ピクル・サンドイッチでも作って食べようかね。」などという時は、冷蔵庫から、チーズの塊を取り出し、スライス。そして、食料棚を開けて、取り出す瓶は、ブランストン・ピクル(Branston Pickle)なのです。これをナイフですくいあげ、パンにのばし、その上にチーズのスライスを配列、別のパンを上に重ね、超簡単なチーズ・アンド・ピクル・サンドイッチの出来上がり。ブランストン・ピクルは、さいころ大に切った野菜を、酢や、トマトペイスト、アップルソース、レモンジュースなどなどで煮込んだもの。野菜もしっかり入っており、甘酸っぱくて美味しい~のです。私は、基本的に酢の物が好きなのもありますが。
最近、いかに上手に食費を削減させるか、というテレビ番組を見ていて、その秘訣のひとつに、有名ブランドの食品を買う代わりに、少し安めのスーパーの自社ブランドなどに切り替える、というのがありました。大体において、味にほとんど変わりなく、場合によっては材料が、スーパーのものの方が健康的だったなどということもありました。その中で、多少高くても、これだけは、味がいいので、他のブランドに変えたくない、という商品のひとつに、ブランストン・ピクルが上がっていたのです。商品名を告げられずに、色々なブランドのピクルの味比べした人たちの大半が、「野菜が沢山入っていて、クランチ―で美味しい。」と、ブランストンを選び。
そんなイギリス家庭のサンドイッチと切っても切り離せないブランストン。瓶のラベルに書いてある創業は、1922年ですが、実は、このブランド、2013年から、日本のミツカン(こちらでは、Mizkan)社に所有されています。製造はミツカンによる買収前と同じレシピで、同じ工場で続けられているそうです。イギリス人よ、ブランストンをたくさん食べ続けてね、収入は日本でいただきま~す。
ミツカンは、海外の有名酢の物ブランドをコレクションしようとしているのか、2012年には、やはりイギリスのモルト・ビネガー(麦芽酢)のブランドであるサーソンズ(Sarson's)も買収しています。こちらは創業もっと古く、ラベルによると、1794年。モルト・ビネガーというと、おなじみフィッシュ・アンド・チップスにかけて食べる酢ですが、この中でも、サーソンズが一番有名でしょう。
以前、ペアーズ石鹸などの事を書いた時にも触れましたが、「イギリスの有名ブランドだよん」と銘打ちながら、現在はオーナーは海外の会社、という例は非常に多いです。先日は、ケンブリッジに本拠を置く、イギリスのテクノロジー業界では貴重な存在であったARM社が、日本のソフトバンクに買われていますし、去年は去年で、日経がイギリスの経済紙である、FT(Financial Times)を買収。車のブランドの世界でも、イギリスの小粋なイメージのある車、ミニも、ドイツのBMW社所有なら、高級車ロールスロイスも、今はBMWの所有、そして、ベントレーは、フォルクス・ワーゲン社所有。しっかりため込み型で、早期の見返りより将来のための投資を重視する国々が、短期的で、貯めるより消費が好きな国民性のイギリスのブランドを購入している図式。また、日本は、人口がこれから減っていく一方の感じですので、今までは、主に日本国内のみが市場であった商品を販売していた企業は、以後、需要と収入は減る一方となるでしょうから、今のうちに、国外での収入が入ってくるものを買いそろえておく、というのはわかる気がします。
それにしても、このままいくと、そのうちに、純粋にイギリスのブランドなんていうものは無くなっているのではないかなどと思います。
I',m in a pickle. (困ったじょうきょうにある。)
というイディオムがあります。直訳は、「私はピクルのただ中にある」ですが、ぐじょっとしたピクルの中でもがいている様子が想像でき、面白い表現です。「xxの漬物」と言いたいときは、pickled cucumber(きゅうりの漬物) pickled onion(玉ねぎの漬物)。
イギリス全国で販売されているピクルの中でも、一番人気のブランドは、ブランストン・ピクル。このブログの題名は、日本風に、「ピクルスと言えばブランストン」としましたが、本当なら、「ピクル(pickle)と言えばブランストン」。
我が家でも、「チーズ・アンド・ピクル・サンドイッチでも作って食べようかね。」などという時は、冷蔵庫から、チーズの塊を取り出し、スライス。そして、食料棚を開けて、取り出す瓶は、ブランストン・ピクル(Branston Pickle)なのです。これをナイフですくいあげ、パンにのばし、その上にチーズのスライスを配列、別のパンを上に重ね、超簡単なチーズ・アンド・ピクル・サンドイッチの出来上がり。ブランストン・ピクルは、さいころ大に切った野菜を、酢や、トマトペイスト、アップルソース、レモンジュースなどなどで煮込んだもの。野菜もしっかり入っており、甘酸っぱくて美味しい~のです。私は、基本的に酢の物が好きなのもありますが。
最近、いかに上手に食費を削減させるか、というテレビ番組を見ていて、その秘訣のひとつに、有名ブランドの食品を買う代わりに、少し安めのスーパーの自社ブランドなどに切り替える、というのがありました。大体において、味にほとんど変わりなく、場合によっては材料が、スーパーのものの方が健康的だったなどということもありました。その中で、多少高くても、これだけは、味がいいので、他のブランドに変えたくない、という商品のひとつに、ブランストン・ピクルが上がっていたのです。商品名を告げられずに、色々なブランドのピクルの味比べした人たちの大半が、「野菜が沢山入っていて、クランチ―で美味しい。」と、ブランストンを選び。
そんなイギリス家庭のサンドイッチと切っても切り離せないブランストン。瓶のラベルに書いてある創業は、1922年ですが、実は、このブランド、2013年から、日本のミツカン(こちらでは、Mizkan)社に所有されています。製造はミツカンによる買収前と同じレシピで、同じ工場で続けられているそうです。イギリス人よ、ブランストンをたくさん食べ続けてね、収入は日本でいただきま~す。
ミツカンは、海外の有名酢の物ブランドをコレクションしようとしているのか、2012年には、やはりイギリスのモルト・ビネガー(麦芽酢)のブランドであるサーソンズ(Sarson's)も買収しています。こちらは創業もっと古く、ラベルによると、1794年。モルト・ビネガーというと、おなじみフィッシュ・アンド・チップスにかけて食べる酢ですが、この中でも、サーソンズが一番有名でしょう。
以前、ペアーズ石鹸などの事を書いた時にも触れましたが、「イギリスの有名ブランドだよん」と銘打ちながら、現在はオーナーは海外の会社、という例は非常に多いです。先日は、ケンブリッジに本拠を置く、イギリスのテクノロジー業界では貴重な存在であったARM社が、日本のソフトバンクに買われていますし、去年は去年で、日経がイギリスの経済紙である、FT(Financial Times)を買収。車のブランドの世界でも、イギリスの小粋なイメージのある車、ミニも、ドイツのBMW社所有なら、高級車ロールスロイスも、今はBMWの所有、そして、ベントレーは、フォルクス・ワーゲン社所有。しっかりため込み型で、早期の見返りより将来のための投資を重視する国々が、短期的で、貯めるより消費が好きな国民性のイギリスのブランドを購入している図式。また、日本は、人口がこれから減っていく一方の感じですので、今までは、主に日本国内のみが市場であった商品を販売していた企業は、以後、需要と収入は減る一方となるでしょうから、今のうちに、国外での収入が入ってくるものを買いそろえておく、というのはわかる気がします。
それにしても、このままいくと、そのうちに、純粋にイギリスのブランドなんていうものは無くなっているのではないかなどと思います。
以前Miniさん紹介のレシピでグリーントマトチャットネーを作ったとき
返信削除夫が 「ブランストンピクルスの味がする」と???
日本の会社に買われた時はちょっとショックだったみたいです。
マーマイトが日本の企業に買われてしまったら、更なるショックかも!
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