ムンドンの教会と枯れたオークの木

マルドン・シーソルトで有名なエセックス州のマルドン(Maldon)から5キロほど南下したところに、ムンドン(Mundon)という小さな集落があります。このムンドンにあるひなびた教会が好きで、去年の夏一度訪れ、先月も再び足を運んだのですが、

教会の裏手の、平野の中に、「Mundon Dead Oaks」と呼ばれる、枯れたオークの木が何本か、その曲がりくねった腕を空に伸ばしている風景も、また、物悲しく、そしてちょっとミステリアスでいけるのです。


かつてこの辺りにあった古の森の名残だそうで、今はこの化石の様な木たちの他には、背の低い藪や潅木が残るのみです。海岸が近いので、木たちは、塩にやられたのかもしれません。

写真をモノクロにすると、その不思議な感じが伝わるでしょうか。月夜に訪れると、更にムードが盛り上がるかもしれません。

さて、Mundonのセント・メアリー(St Mary)教会ですが、こちらもオークたちに負けず劣らず、雰囲気があります。教会の周辺、まるで霊気が漂うかのように、ひやっとしていました。

教会は、この地にサクソン時代からあったようですが現在の建物は14世紀のものだそうです。

「友達のいない教会の友達」(Friends of Friendless Churches)という慈善団体がありますが、イギリス各地の、見放され朽ち果てるに任せた教会を買い取っては修復する、という団体で、この教会も、ぼろぼろになっていたものを「友達のいない教会の友達」によって、見事に修復されて、2009年に再オープン。

他に何も無いこの地へ、わざわざ足を運んだ人たちを喜ばせてくれています。こういう団体は大いにがんばって欲しいところです。

教会の北側には、昔の屋敷があったそうですが、今は農家。

教会の正門というのは、多くの場合、南側にあるのですが、この教会は北側にポーチのある正門がついています。昔、屋敷の人たちが行きやすいようにと北側を正門としたのでしょうか。

この地を、東西に、セント・ピーターズ・ウェイ(St. Peter's Way)という長距離のパブリック・フットパス(ハイキング道)が通っていますが、ここから東へひたすらこのフットパスを沿って行進すると、やがて、イングランドで一番古い教会のひとつという噂のセント・ピーター・オン・ザ・ウォール(St. Peter on the Wall)へとたどり着きます。歩くとかなり距離ありますけどね。こちらも、また、地の果ての感のある場所にぽつねんと建つ趣深い教会です。

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