恋はデジャ・ブ

2月2日はグラウンドホッグデー。アメリカで、春がいつ到来するかをグラウンドホッグにお伺いする日。冬眠からさめて穴から出てきたグラウンドホッグが、自分の影を見ると春はまだ先、曇りで影を見ずに済むと春はすぐそこ。なんとも非科学的で、まだ、ぬくぬく眠っていたグラウンドホッグにとっては、迷惑きわまりないイベントでありましょう。アメリカ各地で開かれるこの日のイベントの中でも、一番有名なものが、ペンシルバニアのパンクサトーニー(Punxsutawney)のもの。

さて、この映画、2月2日のパンクサトーニーでのこのグラウンドホッグ・デーの報道をするために、現地に送られた、テレビの人気お天気おじさん、フィル(ビル・マーレイ)が主人公。 苦虫噛み潰したような顔で、人生斜に構えた彼は、「ねずみを崇拝する」くだらないこのイベントの報道をさっさとすませて、帰りたい。・・・ところが、翌日、目が覚めると、その日もグラウンドホッグ・デーで、まったく同じ事が繰り返される。そして、その翌日も、その翌日も、同じ日に、同じ町で、同じ出来事の繰り返し。

そんな繰り返される日の中で、番組プロデューサーのリタ(アンディ・マクダウェル)と何とかベッド・インしたいとがんばるフィル。失敗に失敗を重ねるうちに、彼女の興味や考えに関心を持ち始め、それがわかると、彼女もフィルを好きになり。「大学で、19世紀フランスの詩を勉強した」という彼女を感心させるために、毎日フランス語を勉強し、彼女にフランスの詩を暗誦してみせ。「フランス語が喋れるの?」の彼女の問いに「ウィー!」と答えるそのすまし顔が何とも言えない、可愛いおじさんぶりです。

最初は閉じ込められた気分になり、絶望的になり、自殺まで試みるフィルが、徐々に、今までは目もくれなかった周囲の人たちに興味を持ち、彼らのことを良く知ろうと努力を始め、また自分磨きにも力を入れていく・・・。

牢獄に入っているうちに、学位を取ったり、哲学に目覚めたり、本を書いたりなどする人がいますが、閉じ込められた状況は、自分と周囲の再発見をする機会でもあるのかもしれません。何の変哲も無い繰り返しの日常の中に、知識や技術を向上させる、人間として昨日より少しでも、何かの面で向上するチャンスがあるもの・・・。笑わせながら、学校の道徳の本に出てくるような教訓を学ばしてくれる映画です。

原題:Groundhog Day
監督:Harold Ramis
言語:英語
1993年


2月にもなると、ほんとうに春が待ち遠しいのです。イギリスは今冬、比較的暖冬で、庭ではクロッカスさえすでに咲き始めています。それが、ここ数日、今更のように、気温はやや低め。まだ、冬なんだよ、と思い出させるようにして。ヨーロッパ大陸東方には寒波が押し寄せており、トルコのイスタンブールあたりでさえ、本日の最高気温は、マイナス4度だそうです。ぶるぶる。それでも、イスタンブールの今週日曜日の予報を見ると、11度と出ていますので、もう一息ですね。

コメント