チーム・アメリカ ワールド・ポリス
米のアニメ「サウス・パーク」のクリエーター達の手による映画。サンダーバードまがいの、糸釣り人形達が主役です。「サウス・パーク」同様、時に下品で、「そんな事、言って、怒られちゃうよ!」と思うような、何から何まで笑い飛ばすギャグがいっぱいです。
何かなら、何まで笑い飛ばす・・・米のトリガー・ハッピー(trigger happy:何かにつけ、すぐ拳銃の引き金を引く)カルチャーから、自分達の命や愛や悲劇に対しては非常にセンチメンタルなリアクションをするのに対し、他国の人命や生活には、ほとんど敬意を見せない態度、「世界の警官を自負する」米の右派、即感情的になる左派、自己の重要性に陶酔するハリウッドのスター達、そして、北朝鮮のキム・ジョンイル。巨大トンボめがねをかけたキム・ジョンイルの人形は、見るだけで可笑しいのです。ストーリー・ラインは、典型的ハリウッドのアクション・ヒーローもの映画のパターンを踏んで、そういった映画もコケにしている気がします。
簡単なあらすじは・・・俳優であった主人公、ゲイリーが、世界をテロの恐怖からを守る「国際警察」チーム・アメリカに招聘され、カイロでテロリストを攻撃するオペレーションに参加する。テロリスト達はその報復にパナマ運河を爆破。これに反応して、ハリウッドの俳優達などから、「責任はチーム・アメリカにある」と大きな批判を受ける。ゲイリーは、このため、自分のやっている事の意義を見失い、幻滅し、チームを離れる。落ち込み、考えた挙句、再び、正義の心が燃え上がり、北朝鮮のキム・ジョンイルを相手に、危機に瀕するチームに合流し、チームメイトを救い、さらに、世界を救う・・・というもの。メンバーの中には、幼いときの出来事で、トラウマを持っている者もいますが、これも、精神科医の好きな米の傾向をおちょくっているのでしょう。もちろん、これに加え、チーム内の男女のラブストーリーが絡むのは言うまでもありません。なんと、人形同士のエッチ・シーンまであるのです。
パリで、エジプトで、チーム・アメリカは、テロリストを追いかけ、ミサイルや銃を撃ちまくり、エッフェル塔、凱旋門、ルーブル美術館、ピラミッド、スフィンクスまで、次々に破壊。
チーム・アメリカに反対する、アレック・ボールドウィン率いる俳優団体が、Film Actors Guild を省略して、F.A.G(fag は、ホモをけなして呼ぶ言葉)というのもうけました。そして、俳優達の人形も次々に、チーム・アメリカにより殺されていくのですが、その殺され方が酷く、これは本人から苦情が出なかったのやら。ショーン・ペンが、この映画を見て、怒りの手紙をクリエーター達に送ったという話は聞きました。それにしても、マット・デイモンが、「マット・デイモン!」と自分の名しか、セリフで言わないのは、どういういわれでしょう。左よりのドキュメンタリー・メーカー、マイケル・ムーアが、チーム・アメリカの基地へ乗り込み、自爆テロで、大爆発するシーンもありましたが、なんでも、人形の体内にハムを詰め込んであったそうで、肉々しいものが飛び散るのは、そのためです。そして、クライマックスで、ゲーリーが世界の主賓達にむかってするスピーチの内容は、可笑しいのですが、上品な私のブログ上では、とても翻訳して載せられないほど、お下劣。
最初から、大声出して笑うような場面が沢山ありますが、その中でも、特に、私とうちのだんなが馬鹿笑いをしてしまったのは、落ち込んでバーで飲み、酔っ払ったゲイリーが、バーの外の道で、げーっともどしてしまうシーン。ドラマチックな音楽が流れる中、げーげー吐きながら、それが、止まらなくなり、壊れた水道の様にゲロゲロし続ける、というもの。ウンコとか、ゲロで笑うのは、ユーモアの感覚が子供じみてるのだ、という話がありますが、そういう事でしょうか。でも、これには、涙が出るほど笑いました・・・。
人形から、セットまで、それは丹精に作ってあり、背景を見ていているだけも楽しめます。人形たちのアクションも、人形遣い達が、何人も、セットの上から操って取ったものがほとんどのようで、最近どこにでもある、CG映画とはうって変わって、まさに手作り映画の感覚です。
原題:Team America: World Police
監督:Trey Paker
言語:英語
2004年
*ラシュモア山(Mount Rushmore)
さて、チーム・アメリカの根拠地は、歴代大統領4人の頭部が岸壁に掘られている、サウスダコタ州ラシュモア山の内部にある設定です。ラシュモア山は、ヒッチコックによる、1959年の映画「北北西に進路をとれ」にも出てくるのでお馴染み。大統領たちは、左から、ジョージ・ワシントン、トマス・ジェファーソン、セオドア・ルーズベルト、エイブラハム・リンカーン。
地元の歴史家が、周辺のブラック・ヒルズの観光促進を目指して、彫刻家ガットスン・ボーグラムを招き、ここに4人の大統領の巨大彫刻を彫る計画を立てます。ボーグラムと、約400人の作業員による着工は、1927年の8月。冬季の天候が厳しいため、作業できるのは春夏のみで、完成まで14年。岩が、非常に硬い花崗岩であったため、完成後は、風化には強いものの、実際の作業は、大変で、大部分の石をダイナマイトで爆破してから掘り込む事をしたようです。各彫像は、高さ18~20メートル。ボーグラムは完成前の1941年、3月に死去。よって、同年10月の完成まで、ボーグラムの息子が現場の指揮を取ります。
資金は、当初は、個人からの寄付と、観光客導入を見込んだ鉄道会社の投資などが主だったものを、1938年には、米政府が、自ら財政面を引き受けています。
先に触れた、強い花崗岩のおかげで、風化の被害は少ないものの、寒暖の差による岩の伸縮で、多少崩れたり、欠けたりするダメージがあるとの事で、現在も、当然、メンテナンスは定期的に行われているようです。この映画でのように、マイケル・ムーアの自爆テロで破壊されてしまったらどうしようもないですが。
何かなら、何まで笑い飛ばす・・・米のトリガー・ハッピー(trigger happy:何かにつけ、すぐ拳銃の引き金を引く)カルチャーから、自分達の命や愛や悲劇に対しては非常にセンチメンタルなリアクションをするのに対し、他国の人命や生活には、ほとんど敬意を見せない態度、「世界の警官を自負する」米の右派、即感情的になる左派、自己の重要性に陶酔するハリウッドのスター達、そして、北朝鮮のキム・ジョンイル。巨大トンボめがねをかけたキム・ジョンイルの人形は、見るだけで可笑しいのです。ストーリー・ラインは、典型的ハリウッドのアクション・ヒーローもの映画のパターンを踏んで、そういった映画もコケにしている気がします。
簡単なあらすじは・・・俳優であった主人公、ゲイリーが、世界をテロの恐怖からを守る「国際警察」チーム・アメリカに招聘され、カイロでテロリストを攻撃するオペレーションに参加する。テロリスト達はその報復にパナマ運河を爆破。これに反応して、ハリウッドの俳優達などから、「責任はチーム・アメリカにある」と大きな批判を受ける。ゲイリーは、このため、自分のやっている事の意義を見失い、幻滅し、チームを離れる。落ち込み、考えた挙句、再び、正義の心が燃え上がり、北朝鮮のキム・ジョンイルを相手に、危機に瀕するチームに合流し、チームメイトを救い、さらに、世界を救う・・・というもの。メンバーの中には、幼いときの出来事で、トラウマを持っている者もいますが、これも、精神科医の好きな米の傾向をおちょくっているのでしょう。もちろん、これに加え、チーム内の男女のラブストーリーが絡むのは言うまでもありません。なんと、人形同士のエッチ・シーンまであるのです。
パリで、エジプトで、チーム・アメリカは、テロリストを追いかけ、ミサイルや銃を撃ちまくり、エッフェル塔、凱旋門、ルーブル美術館、ピラミッド、スフィンクスまで、次々に破壊。
チーム・アメリカに反対する、アレック・ボールドウィン率いる俳優団体が、Film Actors Guild を省略して、F.A.G(fag は、ホモをけなして呼ぶ言葉)というのもうけました。そして、俳優達の人形も次々に、チーム・アメリカにより殺されていくのですが、その殺され方が酷く、これは本人から苦情が出なかったのやら。ショーン・ペンが、この映画を見て、怒りの手紙をクリエーター達に送ったという話は聞きました。それにしても、マット・デイモンが、「マット・デイモン!」と自分の名しか、セリフで言わないのは、どういういわれでしょう。左よりのドキュメンタリー・メーカー、マイケル・ムーアが、チーム・アメリカの基地へ乗り込み、自爆テロで、大爆発するシーンもありましたが、なんでも、人形の体内にハムを詰め込んであったそうで、肉々しいものが飛び散るのは、そのためです。そして、クライマックスで、ゲーリーが世界の主賓達にむかってするスピーチの内容は、可笑しいのですが、上品な私のブログ上では、とても翻訳して載せられないほど、お下劣。
最初から、大声出して笑うような場面が沢山ありますが、その中でも、特に、私とうちのだんなが馬鹿笑いをしてしまったのは、落ち込んでバーで飲み、酔っ払ったゲイリーが、バーの外の道で、げーっともどしてしまうシーン。ドラマチックな音楽が流れる中、げーげー吐きながら、それが、止まらなくなり、壊れた水道の様にゲロゲロし続ける、というもの。ウンコとか、ゲロで笑うのは、ユーモアの感覚が子供じみてるのだ、という話がありますが、そういう事でしょうか。でも、これには、涙が出るほど笑いました・・・。
人形から、セットまで、それは丹精に作ってあり、背景を見ていているだけも楽しめます。人形たちのアクションも、人形遣い達が、何人も、セットの上から操って取ったものがほとんどのようで、最近どこにでもある、CG映画とはうって変わって、まさに手作り映画の感覚です。
原題:Team America: World Police
監督:Trey Paker
言語:英語
2004年
*ラシュモア山(Mount Rushmore)
さて、チーム・アメリカの根拠地は、歴代大統領4人の頭部が岸壁に掘られている、サウスダコタ州ラシュモア山の内部にある設定です。ラシュモア山は、ヒッチコックによる、1959年の映画「北北西に進路をとれ」にも出てくるのでお馴染み。大統領たちは、左から、ジョージ・ワシントン、トマス・ジェファーソン、セオドア・ルーズベルト、エイブラハム・リンカーン。
地元の歴史家が、周辺のブラック・ヒルズの観光促進を目指して、彫刻家ガットスン・ボーグラムを招き、ここに4人の大統領の巨大彫刻を彫る計画を立てます。ボーグラムと、約400人の作業員による着工は、1927年の8月。冬季の天候が厳しいため、作業できるのは春夏のみで、完成まで14年。岩が、非常に硬い花崗岩であったため、完成後は、風化には強いものの、実際の作業は、大変で、大部分の石をダイナマイトで爆破してから掘り込む事をしたようです。各彫像は、高さ18~20メートル。ボーグラムは完成前の1941年、3月に死去。よって、同年10月の完成まで、ボーグラムの息子が現場の指揮を取ります。
資金は、当初は、個人からの寄付と、観光客導入を見込んだ鉄道会社の投資などが主だったものを、1938年には、米政府が、自ら財政面を引き受けています。
先に触れた、強い花崗岩のおかげで、風化の被害は少ないものの、寒暖の差による岩の伸縮で、多少崩れたり、欠けたりするダメージがあるとの事で、現在も、当然、メンテナンスは定期的に行われているようです。この映画でのように、マイケル・ムーアの自爆テロで破壊されてしまったらどうしようもないですが。
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