瀕死のバラ・マーケット

シティーから、ロンドンブリッジを渡って、サザーク地区に入り右手、サザーク大聖堂の南側に位置する歴史あるマーケットは、バラ・マーケット(Borough Market)。主に飲食物を売るマーケットで、一般客に対して開くのは、木、金、土曜日と週3回。開いている日は、ごちゃごちゃと狭いこの界隈、観光客でにぎわいます。

大昔は、ごく普通のマーケットだったのでしょうが、最近は、ジェイミー・オリバーなどが贔屓にするなどという話もあり、「お洒落」というイメージが漂っています。お洒落だなんて言うより、ごみごみとした雑踏がしんどく、汚いな、というのが私の偏見に満ちた感想です。

いわゆる食料品のマーケットは、地元素材の物を、比較的安く売る・・・というでないと、意味がないのではないかと、勝手に思っています。なのに、このマーケットの品物、なんだか皆、高いです。ロンドンの富裕層と観光客が買い物するのでしょうか。

数年前に、以前の職場のオフィスのパーティー用に、ポークパイやゲームパイをバラ・マーケットの屋台で買ったのですが、値段的には、地方の町や村の肉屋で売っている、近くの農場で素材を仕入れた自家製パイなどより、値段は高く、味も変わらない気がしました。まあ、マーケットとは言え、ロンドン値段なのでしょう。と言う事で、以来、ここには足を運んでもお財布を開けることは皆無です。

チーズやらオリーブやら、他の国の商品を売っている屋台もありますが、最近はスーパーでも色々な種のチーズもオリーブも手に入るし。ほぼ同じものに高額を払う理由は無いかな、と。

調理した軽食を売る屋台なども出ていますが、私は、食べた事がないので、こちらは何とも言えません。屋台で買ったものを雑踏の中で食べるという経験が、落ち着かず、個人的にあまり好きでないので、特に、積極的に、食べてみようという気にもなりません。

なんだか、つむじ曲がりの意地悪ばあさんのような投稿になっていますが・・・。ロンドンのマーケットがどんなものか、と雰囲気を楽しむには良いのでしょうね。

さて、最近、ロンドンの地方紙、イブニング・スタンダードで、このバラ・マーケットが、マウンテンゴリラの生息地である、コンゴのヴィルンガ国立公園などと並び、絶滅の危機にある、という記事を読みました。年間訪れる人の数は、なんと、450万人。観光客でごった返すものの、皆、写真を撮るだけで、物を買わない・・・のだそうです。私と同じだ。観光客でさえ、何も買わなければ、それは、確かに、もう危ないかもしれません。その他、閉鎖が噂される理由として、ロンドンブリッジ駅近辺の、鉄道の拡張拡大。比べるには、かなりタイプの違うものですが、私には、バラ・マーケットの絶滅よりも、ヴィルンガ国立公園の将来の方が心配なところです。

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イブニング・スタンダードに報道された通り、当マーケット、絶滅してしまう前に、見てくるのはいいかもしれませんね。

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