海岸で作る砂のお城はボディアム城

イーストサセックス州のボディアム城(Bodiam Castle)。

こちらの観光ガイドには、(イギリスの)子供に、「お城を描いてごらん」と言うと、その結果は、ボディアム城の様な形の城の絵になる・・・と書かれていました。また、海岸の砂遊びでお城を作るときにも、ボディアム城風の形のものを作る人が多い。要は、ボディアム城は、イギリス人が頭に浮かべる「お城」というイメージそのもののようです。

上から見ると正方形で、それぞれの角に丸い塔が建ち、それぞれの辺の真ん中に四角い塔が建ってる。周りは掘りで囲まれ、そのたたずまいもなかなか。

建設は1385年頃。フランスとの100年戦争の真っ只中。この城を建てたのは、周辺の土地持ちの娘と結婚したエドワード・ダリングリッグ(Edward Dalyngrigge)。彼が、傭兵としてフランスで戦い、フランスの村で接収などを行いせしめた金や戦利金が、城建設の資金となったそうです。

城は、フランスの侵略に対する防御と共に、富を示す居心地の良い屋敷の目的を兼ねていたようですが、城壁内部は、17世紀半ばのイギリス内戦(清教徒革命)の際に、オリバー・クロムウェルの議会派軍により一部破壊され、今は、ほとんど屋敷部分の形跡は残っていません。現在はナショナル・トラストにより管理運営されています。

ナショナル・トラストのサイト内のボディアム城に関するページはこちら

階段をくるくる登って、塔の上に出、あたりの景色を見渡せます。

前述した通り、いかにもお城らしいお城ですので、子供には常時人気だという事で、私たちが訪れた日も、幾つかの学校の遠足にぶつかり、子供達が、走り回っていました。

掘りの中には、アヒルより大きい鯉が沢山泳いでいました。私だったら、背中にまたがって乗せてもらえそうな大きさ。

敷地内にはまた、第2次世界大戦なごりのピルボックスが。ピルボックスとは、こうして角ばった形をした防御陣地(トーチカ)。海岸線に近い土地には、いまだに、あちこち残っています。こんな中にたてこもって、万が一ドイツ軍が上陸した場合に備える・・・閉所恐怖症には冷や汗出る任務でしょう。

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さて、城から歩いてすぐの所に、また別の観光アトラクションがあります。

ケント・アンド・イーストサセックス鉄道(Kent & East Sussex Railway)のボディアム駅です。

この鉄道は、ボディアムと、ケント州の裕福で瀟洒な町、テンタデン(Tenterden)を結び、非営利団体経営。イギリス内鉄道の赤字削減のため、1960年代初頭に閉じられてしまったこの地の鉄道が、鉄道マニア達の尽力で再開されたものです。テンダデン駅から最初の2マイルの短距離区間が開通になったのは、1974年。その後、徐々に徐々に、列車が走る区間を延ばしていき、やがて、ボディアム駅まで走るようになったのは、2000年と、わりと最近になってからです。

当鉄道の公式サイトはこちら。ぽこぽこ列車で、ケント州とイーストサセックス州の州超えをしたい人は、時刻表もこちらに載っています。

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