サッチャーさんのアイスクリーム
当初は、今年の夏は暑くなる、などと言われていました。確かに、ウィンブルドン・テニス・トーナメントも、珍しくほとんど雨の無いからりとした日の連続。
ピカデリーにある紅茶で有名な老舗、フォートナム&メイソン(Fortnum & Mason)の店先は、いつも洒落たウィンドウ・ディスプレーが話題ですが、今は、夏の海岸をイメージしたディスプレー。巨大なアイスクリームや綿菓子、砂のお城などが飾られてます。これを見て、気分だけでもビーチ。
夏の海岸や公園にやって来るアイスクリーム・ヴァン(アイスクリームを売る白いワゴン車)などで売られているイギリスのアイスクリームは、ほとんどの場合、入っている牛乳分が少なく、かわりに植物脂肪がたっぷり。当然、ミルクで作った本物のアイスクリーム(Dairy Ice Cream)に比べると、味は落ちます。空気を中に吹き込んで膨らましてあるものの、見かけは、なんだかつるっとしてプラスチック風。このアイスクリームは、マーガレット・ロバーツという女性によるところが大きいと。食料雑貨店の娘に生まれ、勤勉優秀であったため、グラマー・スクール(公立の選別校)を出、オックスフォード大学で化学を専攻したマーガレット・ロバーツ女史。後に、結婚して名前がマーガレット・サッチャーと変わり、税金関連の弁護士、そして政治家、やがて英国首相へ変身する以前の彼女は、一時、ケータリング及び食品会社のLyons社のアイスクリーム開発チームで働いていたのだそうです。プラスチック風アイスクリームの誕生は、この当時の開発チームによるという話。鉄の女とアイスクリームは妙な組み合わせですが。
先月、今月と、我家の前にも、夕方、アイスクリーム・ヴァンがちんころかんころ音楽を流してやってきます。夕食前だし・・・と思いながらも、時折、このサッチャー首相のアイスを買って食べたりしています。
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