ローズマリーは追憶のため

 庭にローズマリーが3株あります。常緑葉なので暗い冬でも有難いのと、触ると香りも良く、もちろんハーブとしても重宝。春に咲く、小さな水色の花は、蜂たちも好きな様子です。

羊肉と合うので、ローズマリーというと、羊のローストのイメージもあったのですが・・・。

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先日読み終わった18世紀後半のイギリスを舞台にした小説で、葬式の参列者が、各々手にローズマリーの小枝を持って、「for remembrance(追憶のため)」と棺桶の中に落としていくシーンがありました。

また、1700年に亡くなったイギリスの桂冠詩人、ジョン・ドライデン(John Dryden)の葬式の様子が書かれたものにも、彼の遺体はローズマリーの束と一緒に収められていた、と。

「ローズマリーは追憶のため」という一説は、シェークスピアの「ハムレット」第4幕5場、狂気に陥ったオフィーリアのセリフ。

There's rosemary that's for remembrance;
pray you, love, remember:
and there is pansies, that's for thoughts.

これはローズマリー、追憶のため、
愛しい人よ、覚えていて
そして、ここにパンジーが、これは想いのため。

これで、ローズマリーを見る目がちょっと変わりました。「ローズマリーは羊肉のローストに」、より、「追憶に」、の方がずっと綺麗ですし。

*絵は、英画家ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(John William Waterhouse)の1910年作品、「オフィーリア(Ophelia)」。

コメント

  1. ローズマリーの効能のひとつとして、
    記憶力や集中力を高めるというものがあります。
    すがすがしい香りなので効き目がありそうですが、
    「追憶のため」とも符号していて面白いですね。
    近頃記憶力の衰えを感じつつあるので、
    ローズマリーの助けを借りることにしましょうか。

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  2. ローズマリーの花言葉remembranceは、その効用からきてるのかもしれませんね。
    棺にローズマリーを入れるシーンのあった小説は、やはりギャスケルの「Sylvia's Lovers」。同小説内に、オークのチェストを開けると、中からラベンダーの香りがしたとか、レモンバームでハーブティーを作るとかいう場面もあり、植物が好きな女性だったのかな、という気がします。

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