ダディー・ロングレッグスと歩く海辺

この1週間、だんなが一時退院で家にいたので、良い空気を吸って軽い運動をしようと、一緒に海岸沿いの散歩に出ました。雨の多かった週で、この日も、午前中はしとしと、どんより、午後やっと雲が薄くなり、出かけるなら今だ、と出発。
歩き出した時は、あたりは霧がかかったようで、景色は幻想的。
全くの無風で、水面は波もほとんどたたず、所々に止まるボートの姿を映し。足を伸ばせば、そのまま水上を歩いて行けそうな気さえします。
河口から海岸線に沿って、どこまでも続く遊歩道を辿っていると、何匹ものダディー・ロングレッグス(Daddy Long-Legs: ががんぼ)が空中を飛んでいました。いや、飛んでいる、というより、泳いでいる、または浮遊していると言ったほうがいいような飛び方で、どこへ行くのか目的もないまま、ふわふわと浮いている感じでした。海底で、小エビが海流に身を任せている様子にも似て。

この季節、うちの庭でも、ががんぼは沢山みかけ、勝手口などを開けておくと室内にも入ってきます。大きな蚊にも似た姿ですが、刺される心配がないのは一安心。ただ、捕まえて外に出そうとすると、足が簡単にもげてしまうのが、困りものです。とかげのしっぽ同様、天敵に捕まりそうになった時、逃げられるよう、足がすぐ取れるのだそうですが、とかげのしっぽと違い、また生えてくることはないそう。最近は、上手く羽を掴んで外へ放り出しています。

成長したががんぼは、無害で、花の蜜などを吸うらしいですが、レザージャケット(leatherjacket)と呼ばれる幼虫の頃は、地下で植物の根をがぶがぶ食べる害虫で、ガーデナーの嫌われ者です。

ちなみに、米のジーン・ウェッブスター作の物語「足長おじさん」の英語の原題は、「Daddy Long-Legs」ですが、米では、ダディー・ロングレッグスは、ががんぼではなく、足の長い蜘蛛のような姿をしたザトウムシをさすのだそうで、大西洋を渡ると、昆虫は昆虫でも違うものとなるようです。孤児院育ちのジルーシャの教育費を出してくれる謎の男性。ジルーシャは、彼の姿は知らず、彼の足の長い影を見ただけ。そこでつけたあだ名が、「Daddy Long-Legs」。

歩いているうちに、まぶしいほどに、日が照ってきました。物体の輪郭もくっきりと見え始め。ががんぼ達は、日の光の中でも、飛ぶスピードをあげるわけでもなく、のんびりとした空中遊泳を続けていました。

コメント

  1. ふわふわ飛ぶガガンボが似合いそうなのどかな風景ですね。ガガンボ、こちらでも見かけます。刺さないのは知っていたけど、幼虫が土の中で育つのは知らなかった。アメリカ版のDaddy Long-legs もなじみのある生き物ですが、どちらかというと飛ぶ足長さんのほうが好きかな??? 気温が下がって昆虫たちには厳しい季節がやってきました。今朝久しぶりに大雪山が見えました。かなり麓まで紅葉しているようです。

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  2. ががんぼの方が、ザトウムシなるものより、不気味さが少ないですよね。とにかく、ここのところ、じとじととして、蜂もてんとう虫もほとんど見なくなり、数的には、庭でががんぼを一番良く見かけます。ががんぼは、冬越しはしないようで、1年の命ということ。確かに、あんなに解体しやすい体では、長持ちしないかも。
    気温的にはそれほど、まだ低くないのですが、この雨、どうにかして欲しいです。

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  3. こんにちは
    今日は雨、秋の長雨になりそうです。気温もぐっと下がりました。足長おじさん 女子高生のころ読んで、ステキー なんて思いました。でもガガンボとかザトウムシとかだと、夢が醒めてしましますね。ゆっくり川辺を散歩するなんて一番の気分転換になりますね。

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  4. 目撃した影が長かったから、言葉の遊びでついたあだ名で、実際にムシのような男だという意味ではないのかもしれませんが、こちらにきて、初めてががんぼの事をダディー・ロングレッグと呼んでいるのを聞いた時は、不思議な気がしました。
    この散歩、潮の香りが良かったです。

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