キャサリン妃妊娠と王位継承
キャサリン妃おめでたのニュースが流れました。まだ12週間ほどで、かなり強烈なつわりに悩んでいるという話ですが、王位後継者の妃たるもの、「生まねばならぬ。生まねば失敗。」のプレッシャーが取れただけでも、ほっと一息というところでしょう。
また、現イギリスでは、ヘンリー8世の妃達のように、「男児を生め」というプレッシャーもない。後のエリザベス1世を生んだものの、男児を生むことに失敗し、首ちょんぱ、というアン・ブリンのような女性もいたわけですから、昔はプレッシャーどころか、まさに生と死の問題となることもあったので、思えば遠くへ来たもんだ、ですね。
さて、現エリザベス2世は、妹マーガレット王妃が女の子で、他に男兄弟がいなかったため、女王となった人です。これが、もし彼女に弟が生まれていたら、こちらに、王位継承の優先位が行っていたわけです。エリザベス2世が君臨しなかったイギリスなど、今では想像できませんが。
この少々、時代遅れで、社会の現状を反映していない王位継承法を変え、性別に関わり無く、第1子が必ず継承権を得る、という方針が、去年の秋にはすでに、イギリス連邦の国々の首相の間では承認され、あとは、それぞれの国会で、法が通るのを待つのみ。この改正と共に、王位継承者がカソリック信者と結婚することも認められるようになる予定ですが、カソリック信者自身が、王位継承することができるようになるのは・・・まあ、おそらく、長い間ないでしょう。
ですから、現在キャサリン妃のお腹にいる第1子が、男であれ、女であれ、めでたく生まれた暁には、チャールズ皇太子、ウィリアム王子に次、王位継承第3位となります。もし、第1子が女の子で、後に男兄弟ができても、先に死んでしまわない限り、継承順は変わりません。エリザベス1世、ヴィクトリア女王、エリザベス2世と、女王の国のイメージが強いイギリスで、それこそ今更ながら、という感じではあります。「新しい歴史の第一歩を目撃したいから、ケイトの子供が女の子だといいな・・・」という人もかなりいるようで、今度は逆に、「女児を生まねば」のプレッシャーが多少かかってきているような気配も無きにしも非ず。
(こうして、モダンになろうとする王室に相反して、先月、イギリス国教会では、まだ、女性の主教の選出を認めないという、時代を反映しない取り決めがなされたばかりです。新旧カンタベリー大主教は、両方、女性主教導入に賛成だったにもかかわらず、です。こういう事をしていると、また若者の教会離れにつながったりするのでしょう。)
さて、それで、ケイトの第1子が女の子で女王になったとしても、王様と違い、女王は、国の長でありながら、さらに世継ぎも生まねばならぬという追加任務がかかってくるのは、どうしても避けられないのです。「子供を卵で生みたい」などといった女優さんがいましたが、ヴィクトリア女王なども、最愛の夫アルバートといちゃいちゃするのは大好きだったものの、その結果の妊娠、出産は大嫌いだったようです。まあ、出産は今でも大変ですから、当時はもっとでしょう。
さらに時代さかのぼり、スチュアート朝最後の王座についたアン女王は、度重なる死産流産の挙句、体がゴムまりの様に丸くなってしまい、彼女が死んだとき、棺は正方形だった、などという嘘か本当かわからない話を聞いた事があります。そんな苦労をしながら、最終的に、彼女は子孫を残さず、カソリックに王座が渡るのを恐れたイギリスは、現王室の先祖、ドイツのハノーバー家から後継者を選んだわけです。
イングランドと結婚し、ヴァージン・クイーンとして国の舵取りをしたエリザベス1世のように、継承はかつてのライバル、メアリ・スチュアートの息子に行ってしまっても、自分は子供を生まない・・・という選択を、後の王室の継承者達が自由にすることができる日というのは、いつか来るのでしょうか。
追記(12月17日)
強烈なつわりで、病院へ入っていたキャサリン妃でしたが、退院後の初公式のお仕事として、昨夜、BBCスポーツ・パーソナリティー・オブ・ザ・イヤーというテレビ番組に、賞のプレゼンテーションのため、いきなり舞台に登場したのには、ちょいとびっくりでした。ぴったりフィットのドレスで、お腹は、まだ、ほとんどぺったんこ。まあ、それこそ、流産などとならんように気をつけて、といったところ。
ついでながら、このスポーツ・パーソナリティー・オブ・ザ・イヤーという番組は、毎年この時期恒例の番組で、その年、活躍したスポーツマン、スポーツウーマンの中から、視聴者の人気投票により、1年を代表するような人物、スポーツ・パーソナリティー・オブ・ザ・イヤーを選出するもの。今年は、オリンピックの年だったので、候補者は盛りだくさんではありましたが、思ったとおり、小粋だし、五輪の金の他にもツール優勝の快挙を成し遂げたブラドリー・ウィギンスが獲得。2位は、ロンドン五輪のポスターガールであったジェシカ・エニス、3位は、やはり五輪の金の他、テニスのUSオープン優勝のアンディー・マリーでありました。
追記(2013年7月22日)
7年ぶりの暑さを記録した本日の午後、キャサリン妃は、男の子の世継ぎを出産。バッキンガム宮殿の前に立てられた黄金のイーゼルの上に、「ケンブリッジ公爵夫人、本日午後4時24分、無事男児出産。母子とも順調。」の掲示が出されました。というわけで、エリザベス女王が亡くなった後は、3代王様が続く事とあいなったのです。めでたや、めでたや、と大騒ぎなものの、その、歴史的意義からも、女の子の方がよかったかなーなど、ちらと思ったのは、私だけではないでしょう、きっと。
また、現イギリスでは、ヘンリー8世の妃達のように、「男児を生め」というプレッシャーもない。後のエリザベス1世を生んだものの、男児を生むことに失敗し、首ちょんぱ、というアン・ブリンのような女性もいたわけですから、昔はプレッシャーどころか、まさに生と死の問題となることもあったので、思えば遠くへ来たもんだ、ですね。
さて、現エリザベス2世は、妹マーガレット王妃が女の子で、他に男兄弟がいなかったため、女王となった人です。これが、もし彼女に弟が生まれていたら、こちらに、王位継承の優先位が行っていたわけです。エリザベス2世が君臨しなかったイギリスなど、今では想像できませんが。
この少々、時代遅れで、社会の現状を反映していない王位継承法を変え、性別に関わり無く、第1子が必ず継承権を得る、という方針が、去年の秋にはすでに、イギリス連邦の国々の首相の間では承認され、あとは、それぞれの国会で、法が通るのを待つのみ。この改正と共に、王位継承者がカソリック信者と結婚することも認められるようになる予定ですが、カソリック信者自身が、王位継承することができるようになるのは・・・まあ、おそらく、長い間ないでしょう。
ですから、現在キャサリン妃のお腹にいる第1子が、男であれ、女であれ、めでたく生まれた暁には、チャールズ皇太子、ウィリアム王子に次、王位継承第3位となります。もし、第1子が女の子で、後に男兄弟ができても、先に死んでしまわない限り、継承順は変わりません。エリザベス1世、ヴィクトリア女王、エリザベス2世と、女王の国のイメージが強いイギリスで、それこそ今更ながら、という感じではあります。「新しい歴史の第一歩を目撃したいから、ケイトの子供が女の子だといいな・・・」という人もかなりいるようで、今度は逆に、「女児を生まねば」のプレッシャーが多少かかってきているような気配も無きにしも非ず。
(こうして、モダンになろうとする王室に相反して、先月、イギリス国教会では、まだ、女性の主教の選出を認めないという、時代を反映しない取り決めがなされたばかりです。新旧カンタベリー大主教は、両方、女性主教導入に賛成だったにもかかわらず、です。こういう事をしていると、また若者の教会離れにつながったりするのでしょう。)
さて、それで、ケイトの第1子が女の子で女王になったとしても、王様と違い、女王は、国の長でありながら、さらに世継ぎも生まねばならぬという追加任務がかかってくるのは、どうしても避けられないのです。「子供を卵で生みたい」などといった女優さんがいましたが、ヴィクトリア女王なども、最愛の夫アルバートといちゃいちゃするのは大好きだったものの、その結果の妊娠、出産は大嫌いだったようです。まあ、出産は今でも大変ですから、当時はもっとでしょう。
さらに時代さかのぼり、スチュアート朝最後の王座についたアン女王は、度重なる死産流産の挙句、体がゴムまりの様に丸くなってしまい、彼女が死んだとき、棺は正方形だった、などという嘘か本当かわからない話を聞いた事があります。そんな苦労をしながら、最終的に、彼女は子孫を残さず、カソリックに王座が渡るのを恐れたイギリスは、現王室の先祖、ドイツのハノーバー家から後継者を選んだわけです。
イングランドと結婚し、ヴァージン・クイーンとして国の舵取りをしたエリザベス1世のように、継承はかつてのライバル、メアリ・スチュアートの息子に行ってしまっても、自分は子供を生まない・・・という選択を、後の王室の継承者達が自由にすることができる日というのは、いつか来るのでしょうか。
追記(12月17日)
強烈なつわりで、病院へ入っていたキャサリン妃でしたが、退院後の初公式のお仕事として、昨夜、BBCスポーツ・パーソナリティー・オブ・ザ・イヤーというテレビ番組に、賞のプレゼンテーションのため、いきなり舞台に登場したのには、ちょいとびっくりでした。ぴったりフィットのドレスで、お腹は、まだ、ほとんどぺったんこ。まあ、それこそ、流産などとならんように気をつけて、といったところ。
ついでながら、このスポーツ・パーソナリティー・オブ・ザ・イヤーという番組は、毎年この時期恒例の番組で、その年、活躍したスポーツマン、スポーツウーマンの中から、視聴者の人気投票により、1年を代表するような人物、スポーツ・パーソナリティー・オブ・ザ・イヤーを選出するもの。今年は、オリンピックの年だったので、候補者は盛りだくさんではありましたが、思ったとおり、小粋だし、五輪の金の他にもツール優勝の快挙を成し遂げたブラドリー・ウィギンスが獲得。2位は、ロンドン五輪のポスターガールであったジェシカ・エニス、3位は、やはり五輪の金の他、テニスのUSオープン優勝のアンディー・マリーでありました。
追記(2013年7月22日)
7年ぶりの暑さを記録した本日の午後、キャサリン妃は、男の子の世継ぎを出産。バッキンガム宮殿の前に立てられた黄金のイーゼルの上に、「ケンブリッジ公爵夫人、本日午後4時24分、無事男児出産。母子とも順調。」の掲示が出されました。というわけで、エリザベス女王が亡くなった後は、3代王様が続く事とあいなったのです。めでたや、めでたや、と大騒ぎなものの、その、歴史的意義からも、女の子の方がよかったかなーなど、ちらと思ったのは、私だけではないでしょう、きっと。
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