8月の風景

小川と畑にはさまれたフットパスを辿り散歩に出ました。

ロシアでは猛暑で、小麦の収穫が悪く、輸出規制がかかっているため、世界的小麦の値段が上昇の中、イギリスの小麦は順調に成長したようで、一面に実った穂が広がっていました。

上の写真の前景の背の高いとげ頭をかかげる植物はティーゼルteasel(ラシャカケグサ)。写真のものは、刺がまっすぐですが、釣り針の様なフック形のとげのものもあり、そちらは、以前、羊毛業で、毛織物の毛羽立てをするのに使用されていたということ。

少し行くと、畑は黄金から緑にかわり。こちらはシュガービートsugar beet(砂糖大根)。砂糖の原料として使われるほか、家畜の餌にも使用。

1951年に作られたという川を渡る橋の向こうにもゆったり続く田園。

橋の上からながめた川の様子。川辺の木々の並び方が、少々フランスのようにも見えます。

上の写真は、フォードford。川の浅瀬。橋をかけずに車道がそのまま通り、川を渡れる部分です。

コンマcommaと呼ばれるこの蝶。羽は枯葉に似せてあります。冬越しする際、落ち葉のように見せるための護身術。冬越しをして、7月に卵を産んだ親は、秋に死に。生まれたばかりの若い蝶は、いまからこうして冬越しのために腹ごしらえでしょうか。この冬を無事に乗り切って、来年の夏に子孫を残すために。名の由来は、写真でも見れるよう、羽の裏に、白い小さなコンマ(,)のようなマークがある事から。

フットパスを歩く間ずっと虫の声が脇の茂みから聞こえ。咲き終えた初夏の花達はそのままドライフラワーと化して風の中乾いた音を立て。

中学の時の、国語の教科書に、

夏、飲んだソーダのストローの中に秋があった

の様な詩がのっていたのを何となく覚えています。はっきりとした言葉使いも覚えていないし、飲み物もソーダではなく、ラムネだったような気もし、誰が書いたものかも忘れました。ただ、夏だと思って、ふと口にした飲み物の冷たさに、秋を感じた、という感覚だけは、何故か記憶に強く残っています。

今ある季節にはいつも次の季節が含まれ、ちょっとしたはずみで、それが見え隠れする・・・そんな事を考えながら歩いた8月の風景でした。

コメント

  1. 麦畑やあざみ(?)、北海道よりも季節の進み方が少しだけ早いように見えます。つなぎトンボがたくさん飛ぶようになると私は「秋」を感じるのですが、トンボはあまりいないのでしょうか。去年9月にこちらに来た人が珍しがっていました。

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  2. こんにちは
    今日は台風が接近しているので,気温は少し下がりました。イギリスの田園風景、広々としていますね。風のおとも聞こえてくるようです。ストローはみなプラスチックになってしまいました。思い出すのは「ローマの休日」でオードリーがカフェでストローの袋を飛ばすところは可愛かったな。ストローで母は蛍の虫かごを作れました。今では収穫と同時に燃やしてしまうので、ストローはなかなか手に入りません。麦わら帽子も見かけなくなりました。
    残暑も厳しそうです。 ご自愛下さい。

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  3. アネモネさん
    コンマ蝶のとまっている花は、こちらでLesser Burdockと呼ばれるものだと思います。日本語みてみたら、Burdock(特にGreater Burdock)はごぼうとあったのですが・・・。
    ここでは、庭ではほとんど見かけぬ、とんぼを何匹か見かけました。川辺だったせいもあると思います。
    今年は、小麦もバーリーも収穫が少々遅い気がしています。それでも北海道より季節が早いのは太陽の弱さのせいでしょうか。

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  4. せつこさん
    ストローの蛍のかごなんて、今では考えられないような風情を感じます。私も、今年に買った麦藁風の帽子に、原料がほとんど「ペーパー」と印刷してあってちょっとびっくりしました。
    ここは、ここのところ冷えます。本日も、カーディガンがいる感じでした。
    天気予報も、毎日の様ににわか雨のマークで、乾燥していた芝生が徐々に青さをとりもどしています。本格的秋に突入する前に、9月にぶりかえして、また少し暖かくなってくれるといいのですが。

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  5. こんにちは
    今日、ダーリンがジンジャーエールを手作りしてくれました。材料はショウガとレモン汁、砂糖、天然酵母のもとだね、これだけです。発酵して炭酸とアルコールを含んだ、ジンジャーエールが出来ました。これはビールにちかいんでしょうか?イギリスあたりでは手作りしてそうな感じですが、、。
    夏向きのさっぱりした味で、私は大好きになりました。大人の味です。
    イギリスの夏の飲み物はどんなですか?
    日本だと麦茶だと思いますが、、。

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  6. ホームメード・ジンジャーエールおいしそうですね。ジンジャー・エール、ジンジャー・ビアと、ビールにはさほど関係ないソフトドリンク系でしょうが、私も暑い日に外出してジンジャー・ビアが売られていると瓶入り買って飲んだりします。爽快感がいいです。ジンジャー・ビアは、主人の父親がよく家で作っていたという話です。
    イギリスの夏のアルコールは、ピムズや、あとはサマーセット州で主に作られるサイダー(リンゴ酒)などがあるでしょうか。麦茶系のノン・アルコールの夏向き飲み物は、ちょっと思い当たりません。アイス・ティーなども一般的ではないですし。

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