ちょっと遅い、残暑お見舞い

 


秋分の日も過ぎ、残暑お見舞いというには、遅すぎる季節となりました。

が、今夏、諸外国いろいろな場所で、暑さで森林などが炎上している最中、イギリスだけは、太陽から見放されたように、薄らくもり、ジト雨が降り、出した夏服もほとんど着る日がなかった気がします。そのため、せっかく庭に植えた、オレンジがかったひまわりも、非常に発育が悪く、9月も頭から、ようやく咲きそろい始め、今やっと、全部咲いたかな、という感じです。ここ数日の秋日和がうれしいところです。

しばらくブログ離れをしていたので、イギリスの昨今の近況をまとめ書きしてみます。

コロナ感染の昨日の数値は、感染者数34,460人、感染してから28日以内で死亡した人の数は166人。人口は日本の半分くらいの国で、ワクチン接種割合も上でありながら、いまだ、日本より高い数値です。

データは下の政府のサイトより

https://coronavirus.data.gov.uk/ 

にもかかわらず、現在、公共交通機関、店やレストラン、バーなどでは、一切マスクをする義務はありません。地元のスーパーなどに行くと、「念のためにマスクをしましょう」という看板が出ており、私もいまだに入店する前にマスク着用しますが、していない人もかなりいます。 義務付けないと、着用しないという人の数は多いですから。このご時世に、咳してるのにマスクしてないで大手を振ってスーパーで買い物してる人の姿は、見ていて気味のいいものではありません。せめて、公共交通機関くらいは、マスク着用を政府が義務付けてほしいと思うのですが、保守党内には、自由の抑圧であるという大義名分を出す、いわゆるマスク反対派が多く、また反マスクの国民にいい顔をするために、行っていません。これから、冬に入り、インフルエンザなども増えていく中、これでは電車に乗りたくないですので、ロンドン行きも、しばらくは個人的には断念です。心配性の日本人ですから。。。

はっきりいって、もうこの国は、どんなに注意したって、死ぬ人は死ぬんだから、と切った感じがします。旅行もかなり制限がなくなり、いろんな所から、 コロナの新種を持ってきたらどうするんでしょうか。

そろそろ、50歳以上の人間に、3回目のブースターのワクチン接種を行う計画が出ていますが、これは、すべてファイザー社あるいはモデルナのものになるということです。なぜアストラゼネカは使わないのか?と聞かれても政府関係者はもごもごとはっきり答えない、要は、アストラゼネカはファイザーほど効目がない、からでしょうが、政府はそれを認めたがらない。なにせイギリスで開発したものですから。まあ、アストラゼネカを2回受けた私は、ようやく効き目がずっと高いとされるファイザーを打ってもらえる可能性が出て、ほっとしています。

日本でも、夏の間、医療ひっ迫というニュースをいくつか耳にしましたが、 それでも、コロナ以外の診療を、全くしてもらえないということは、私の日本の知り合いに関する限りはなかったようです。2週間ほど前、のどの具合が悪く、登録してある家庭医で、診察の予約をとろうとしたところ、コロナ期のバックログのため、予約は1か月先と言われました。それでも、私は、家庭医まで、簡単に歩いて行ける距離に住んでいるので、受付の人と話ができ、予約も入れられましたが、これが、ちょっと遠かったり、または朝から晩まで仕事で忙しく、電話予約しかできない人たちは、最悪で、まったく、電話がつながらない状態らしいのです。何百回と電話して、やっとつながったら、今は電話予約受付てませんと言われた・・・のようなエピソードも新聞で読んだりしています。

それに、私の場合は、ちょっと様子を見てもいいかくらいの症状なので、死にはしないと思いますが、これが癌とかだったら、待ってる間に悪くなるって危機感はありますね。しかも、こちらの家庭医というのは、専門医やちゃんとした病院で診てもらえるための門番的な役割が強く、だいたい、診察用の機材がほとんど無いので、診断に信ぴょう性もありません。見てもらえる時間も10分と決まってます。1か月待って、10分、肉眼だけで見て、何を判断するのか。そして、もし家庭医が、なんでもないと決めると、きちんとした診断が受けられず、「もっと悪くなるようなら、また来てね。」って感じです。病状もはっきりしないのに、適当な薬を出されてしまう可能性もあり、それも恐ろしいです。つい最近、イギリス国内で、出される薬の10%は、出さない方がいい薬、というニュースも流れていたので余計です。病状もはっきりわかってないのに、気休めに、薬を乱発しないでほしい。そして、「これはほんとに重症だ」となってはじめて、専門医に手紙を書いてくれ、病院での診療が可能となるのです。その間の時間は、結構かかります。

最近、病院の緊急課へ駆け込む人が増えてるのはそういう理由です。家庭医に行っても意味ないから、機材のある病院へ行って、とことん検査してもらう早道はそれしかないのです。それも、待ち時間4時間とかですから、こっちも、根性がいりますがね。イギリスの医療機関NHSは、すべて無料・・・ということになってますが、ただほど高いものはない、という状況になってきてます。金欠と医者看護婦不足で、ぼろぼろ。治療待ってる間に死んじゃいそうだ、という状況の人、わりといるのではないでしょうか。私は、診察のための機械や機材をもたない、家庭医という存在自体に疑問がありますし、そろそろ多少なりともお金を取ったらどうだと思うこともあります。本当に、困っている人には、ずっと無料にしておいて、払える人は払わないと、そのうち、本当にとんでもないことになりそうです。

 とにかく、いろいろな簡単な手術も、コロナのバックログで待ち時間が異様に長いため、知り合いの一人は、最近、プライベートで腰の手術をしました。プライベート医療は、日本で保険なしで受けるのに比べても、むちゃ高いです、この国。でも、多少のたくわえのある人は、待っていてやきもきしてるよりも、ということになるのでしょう。

 また、コロナに加えてブレグジットによる影響で、今まで大多数の東欧系の移民に頼っていたトラックの運転手などの減少、農場や加工工場で働く人間不足、云々で、食料などの供給も一部、問題が出てきているようです。

さらには、ガスの値段の世界的高騰により、肥料製造会社が製造を中止したことに伴い、その副産物の二酸化炭素の供給が少なくなり、一部のドリンク製造、または、にわとりなどを大量に殺すことが二酸化炭素なしで難しくなり、こういった食べ物飲み物がスーパーの棚から消えると、しばらく騒がれていました。地球温暖化で二酸化炭素が問題になってるのに、実際に製造につかえるものが入手できないってのも、皮肉なものです。ただ、こちらは、政府が肥料会社に寄付金を出して、製造を開始させるようですが。こういう問題が出て初めて、一般の人間としては、社会構造の複雑さと、いろいろな関わりに気づくものです。

そう、このガスの値段の高騰のため、貧しい家庭は、今年の冬、暖をとれなくなる、という不安も今から持ち上がっています。

なんやら、かやらと、不安を掻き立てるようなニュースばかりとなっています。それでも、ひまわりは元気に咲いている姿はうれしい。例年は、春に行われる、伝統のチェルシーフラワーショーが、今年はコロナの影響で秋になり、開幕しました。ちょっと、違った季節の草花を見れるので、これを機に、春ばかりでなく、こうやって、毎年、違う季節に開催したらどうだろうと思います。

 庭には最近、私にすごくなれたロビンが毎日現れ、土をほじるたびに、気づくと目の前に現れています。はりねずみも、冬越し準備のためか、食欲旺盛のようで、毎日もりもり、私の出したエサをたべ、うんこをたくさん残していっています。

私は、健康維持のため、最近、鼻うがいもはじめましたし、隣村への散歩も近所の人と、定期的にしています。皆さんも、冬に向かって、お元気で。

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