蝶に良い事、何かやってる?
世界で始めて、蝶のライフサイクルを、最初から最後まで、観察記録したとされる、17世紀イギリスの自然科学者、John Ray(ジョン・レイ)は、蝶について、こう語りました。
You ask what is the use of butterflies? I reply to adorn the world and delight the eyes of men; to brighten the countryside like so many golden jewels. To contemplate their exquisite beauty and variety is to experience the truest pleasure.
John Ray(1627-1705)
蝶が何の役に立つのかと聞かれたら、私はこう答える。この世を美しく飾るため、人間の目を楽しませるため、いくつもの黄金の宝石の様に、田舎の風景を輝かせるため、だと。蝶の繊細なる美しさと、その多様性に思いをめぐらす時、最も純粋なる喜びを経験する事ができる。
*****
ジョン・レイの語る、「最も純粋なる喜び」を、庭で経験するため、去年の春ブッドレア バズを通信販売で購入し、ブログ記事にしました。花の蜜の豊富なブッドレアは、蝶を引き寄せるのに良い植物とされますが、さて、その結果はいかに・・・と、ここで、バズの蝶々呼び寄せ効果結果報告をします。
去年は、3株とも鉢に植えたためか、1年目であったためか、それとも雨が多い夏であったためか、花の房の長さは比較的短く、雨空の嫌いな蝶も、期待したほど多くは飛んで来なかったのですが、それでも、晴れ間にはたはたと訪れ、蜜を飲んでいく姿は何回か目撃。上の写真は、1年目の夏に、バズにとまっていたスモール・トータスシェル(コヒオドシ)。
2年目の今年は、春に株を短く刈り込んで、鉢から地面に移しました。花の房も、1年目より大きいものとなっています。7月に入ってからの好天気も手伝い、順調に何かしらの蝶を引き寄せています。上の写真の中に、5羽の蝶がいるのがわかるでしょうか。数多いモンシロチョウのほかには、今のところ、
ピーコック(孔雀蝶)が、常連となりつつあり、
コンマ(シータテハ)も目撃。コンマは、羽を閉じたときに、コンマ(,)模様があるのが、名の由来です。コンマ蝶が、羽を閉じた際の写真はこちらまで。
こちらは、レッド・アドミラル(ヨーロッパアカタテハ)。
見ていないところで、もっときているかもしれません。蜂やホバーフライ(ハナアブ)もやって来るし、「ここまで来たら、サクセ~ス!」と宣言してもいいでしょうか。夏季はドアと屋根を開け放してある、トマトを植えてある温室に迷い込んでくる蝶もいくつかおり、見つけるたび、指で捕まえ外へ放つのですが、指で羽をつまむと、蝶が羽を広げようと、羽の筋肉を力ませているのがわかるのですが、なかなかパワフルな力み方なのですね、これが。蝶によっては、春にアフリカなどから、かなりのスピードで飛んできて、秋に再びアフリカへ飛んで帰る、渡り鳥ならぬ、渡り蝶の類もいるので、そのデリケートな見かけよりも、ずっとタフな昆虫なのです。
日が暮れてくると、蝶たちはどこかへ飛び去り、バトンタッチで、モス(蛾)がハタハタとバズの周りを飛び回り、蜜にありついている模様です。
ブッドレアも、花が終わってしまった房は切り取ると、開花期を伸ばせます。
時々買っている月刊のBBCのガーデニング雑誌「ガーデナーズワールド」の今月号は、蝶のために家の庭で出来ることの特集が組まれていました。ちなみに、先月号は蜂の特集でありました。ここ数年のイギリスガーデニングの傾向は、ワイルドライフへやさしい庭作り。蜂の数、蝶の数がどんどん減る傾向にある現状では、ガーデナーも、自然衰退、特に貴重な受粉を助ける昆虫達の減少に歯止めをかけるのに、多少なりとも何かせねば、というのはあります。それに、ひらひらと蝶が自分の庭へ舞い込んできて、蜂がぶんぶん花の中を飛んでいる様子をながめ、うきうきするのは、子供だけではないですし。イギリスの園芸家たちに、かなりの影響力のあるテレビ番組、そして雑誌の「ガーデナーズワールド」が、こうした自然保護傾向の内容を盛り込むと、全国的にそれなりの効果はあるのではないでしょうか。
雑誌によると、蝶のために出来る事として、ブッドレアなどの蜜の多い花を植える他に、お皿の上に、砂糖水を浸したスポンジを置き、庭に出しても良いのだそうです。この際の砂糖水は、砂糖1、水9の割合。また、蝶によっては、庭に落ちた朽ちた果物でお食事するものもいるので、りんご等が庭に落ちたら、いくつかは、落ちたままにしておく、蝶の幼虫が食用とするような植物を植える、などなど。そして、出来る限り、化学薬品は使わない・・・多少のアブラムシだったら指でぶちゅっと潰すくらいの心意気で。
最後に、これは、蝶に限らず、他の昆虫小動物を庭に勧誘するのに良く言われることですが、庭の一角に、まったく手入れをせず、草はぼうぼうのまま放置しておく場所を作るとグッドだそうです。そこに、木のログなどを積み上げると、冬眠や隠れ場所にもなり、更に良しと。花壇で枯れた夏の植物も、出来る限り冬季はそのままにし、生理整頓は春にする習慣も、昆虫の冬季の隠れ家作りに良いようです。庭の隅々まで綺麗にしようと奮闘せずに、ちょっとした雑草、害虫やなめくじ被害には目をつぶり、適度の手抜きをする方が、自然にはやさしいのでしょう。
雑誌にはまた、調査を行った結果、ガーデナーは、ガーデニングをしない人たちよりも、幸せだと感じる人の割合が多い、という小さい記事がありました。適度な肉体労働と、一日わずかな時間でも、家を離れずにできる自然とのふれあいが幸せ感覚の理由でしょうか。蝶のためにも、自分のためにも、ちょっと良い事何かやっているわけです。
You ask what is the use of butterflies? I reply to adorn the world and delight the eyes of men; to brighten the countryside like so many golden jewels. To contemplate their exquisite beauty and variety is to experience the truest pleasure.
John Ray(1627-1705)
蝶が何の役に立つのかと聞かれたら、私はこう答える。この世を美しく飾るため、人間の目を楽しませるため、いくつもの黄金の宝石の様に、田舎の風景を輝かせるため、だと。蝶の繊細なる美しさと、その多様性に思いをめぐらす時、最も純粋なる喜びを経験する事ができる。
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ジョン・レイの語る、「最も純粋なる喜び」を、庭で経験するため、去年の春ブッドレア バズを通信販売で購入し、ブログ記事にしました。花の蜜の豊富なブッドレアは、蝶を引き寄せるのに良い植物とされますが、さて、その結果はいかに・・・と、ここで、バズの蝶々呼び寄せ効果結果報告をします。
去年は、3株とも鉢に植えたためか、1年目であったためか、それとも雨が多い夏であったためか、花の房の長さは比較的短く、雨空の嫌いな蝶も、期待したほど多くは飛んで来なかったのですが、それでも、晴れ間にはたはたと訪れ、蜜を飲んでいく姿は何回か目撃。上の写真は、1年目の夏に、バズにとまっていたスモール・トータスシェル(コヒオドシ)。
2年目の今年は、春に株を短く刈り込んで、鉢から地面に移しました。花の房も、1年目より大きいものとなっています。7月に入ってからの好天気も手伝い、順調に何かしらの蝶を引き寄せています。上の写真の中に、5羽の蝶がいるのがわかるでしょうか。数多いモンシロチョウのほかには、今のところ、
ピーコック(孔雀蝶)が、常連となりつつあり、
コンマ(シータテハ)も目撃。コンマは、羽を閉じたときに、コンマ(,)模様があるのが、名の由来です。コンマ蝶が、羽を閉じた際の写真はこちらまで。
こちらは、レッド・アドミラル(ヨーロッパアカタテハ)。
見ていないところで、もっときているかもしれません。蜂やホバーフライ(ハナアブ)もやって来るし、「ここまで来たら、サクセ~ス!」と宣言してもいいでしょうか。夏季はドアと屋根を開け放してある、トマトを植えてある温室に迷い込んでくる蝶もいくつかおり、見つけるたび、指で捕まえ外へ放つのですが、指で羽をつまむと、蝶が羽を広げようと、羽の筋肉を力ませているのがわかるのですが、なかなかパワフルな力み方なのですね、これが。蝶によっては、春にアフリカなどから、かなりのスピードで飛んできて、秋に再びアフリカへ飛んで帰る、渡り鳥ならぬ、渡り蝶の類もいるので、そのデリケートな見かけよりも、ずっとタフな昆虫なのです。
日が暮れてくると、蝶たちはどこかへ飛び去り、バトンタッチで、モス(蛾)がハタハタとバズの周りを飛び回り、蜜にありついている模様です。
ブッドレアも、花が終わってしまった房は切り取ると、開花期を伸ばせます。
時々買っている月刊のBBCのガーデニング雑誌「ガーデナーズワールド」の今月号は、蝶のために家の庭で出来ることの特集が組まれていました。ちなみに、先月号は蜂の特集でありました。ここ数年のイギリスガーデニングの傾向は、ワイルドライフへやさしい庭作り。蜂の数、蝶の数がどんどん減る傾向にある現状では、ガーデナーも、自然衰退、特に貴重な受粉を助ける昆虫達の減少に歯止めをかけるのに、多少なりとも何かせねば、というのはあります。それに、ひらひらと蝶が自分の庭へ舞い込んできて、蜂がぶんぶん花の中を飛んでいる様子をながめ、うきうきするのは、子供だけではないですし。イギリスの園芸家たちに、かなりの影響力のあるテレビ番組、そして雑誌の「ガーデナーズワールド」が、こうした自然保護傾向の内容を盛り込むと、全国的にそれなりの効果はあるのではないでしょうか。
雑誌によると、蝶のために出来る事として、ブッドレアなどの蜜の多い花を植える他に、お皿の上に、砂糖水を浸したスポンジを置き、庭に出しても良いのだそうです。この際の砂糖水は、砂糖1、水9の割合。また、蝶によっては、庭に落ちた朽ちた果物でお食事するものもいるので、りんご等が庭に落ちたら、いくつかは、落ちたままにしておく、蝶の幼虫が食用とするような植物を植える、などなど。そして、出来る限り、化学薬品は使わない・・・多少のアブラムシだったら指でぶちゅっと潰すくらいの心意気で。
最後に、これは、蝶に限らず、他の昆虫小動物を庭に勧誘するのに良く言われることですが、庭の一角に、まったく手入れをせず、草はぼうぼうのまま放置しておく場所を作るとグッドだそうです。そこに、木のログなどを積み上げると、冬眠や隠れ場所にもなり、更に良しと。花壇で枯れた夏の植物も、出来る限り冬季はそのままにし、生理整頓は春にする習慣も、昆虫の冬季の隠れ家作りに良いようです。庭の隅々まで綺麗にしようと奮闘せずに、ちょっとした雑草、害虫やなめくじ被害には目をつぶり、適度の手抜きをする方が、自然にはやさしいのでしょう。
雑誌にはまた、調査を行った結果、ガーデナーは、ガーデニングをしない人たちよりも、幸せだと感じる人の割合が多い、という小さい記事がありました。適度な肉体労働と、一日わずかな時間でも、家を離れずにできる自然とのふれあいが幸せ感覚の理由でしょうか。蝶のためにも、自分のためにも、ちょっと良い事何かやっているわけです。
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