オスカー・ワイルドのサロメ



さて、ワイルドが投獄されてしまうのは、この恋人のアルフレッド・ダグラス(ボージー)が原因。ボージーの父であるクイーンズベリー侯爵に、「同性愛者」と侮辱をされたワイルドに、ボージーは、父を訴えるようせっつくのです。愛する恋人のため、自分の理性や友人達の助言に反し、クイーンズベリー侯爵を相手に、訴訟を起こしたところ、自分の方が、若者達をたぶらかして、同性愛へ誘い、道を踏み外させる邪悪な輩、と糾弾され(当時はホモは犯罪でしたので)、投獄される羽目になるのです。
自分の魅力を使い、ヘロドからヨカナーンの首を要求するサロメと、訴訟を通し、うっとおしい父の首を、ワイルドから要求するボージーに類似性が見られるなどと言われます。 どんなに頭脳が優れた人物でも、自分にとってよくないと思われる人間に惹かれ、どうしても離れることも忘れることもできず、破滅の道をまっしぐら・・・という事はあるものですね。恋は盲目とはこの事か。
妻子がありながら、ボージーとの恋愛に身を滅ぼすワイルドの姿は、1997年のイギリス映画オスカー・ワイルド(原題:Wilde)に描かれています。ぼてっとした顔が、実物にわりと似ているスティーブン・フライがオスカー・ワイルド役で、ボージー役はジュード・ロー。彼の、わがままいっぱいの美青年ぶりが、はまっていました。
同様にワイルドのボージーとの関係と、裁判を描いた、さらに古い1960年のイギリス映画に「The Trials of Oscar Wilde」(オスカー・ワイルドの裁判)があります。ワイルド役は、ピーター・フィンチ。ワイルドは、いつも、胸の飾りボタン穴に緑色のカーネーションを飾ってつけていたという逸話が盛り込まれ、この映画は「緑のカーネーションの男」とも呼ばれているそうです。ボージー役は、ジョン・フレイザーという、私はよく知らない俳優でしたが、タイプとしては、ジュード・ローと似た、男性マネキン系の顔。私は、こちらの映画の方が、好きです。特に、裁判で、最初は余裕をみせながら、言葉巧みに応答するワイルドが、だんだんと検察側に追い込まれていく、緊迫した様子が、良かった。ボージーとワイルドの関係が、肉体的なものであったかどうかなどが、スティーブン・フライのオスカー・ワイルドより、あいまいに、判明されずに描かれているのもいいです。ただ、こちらの映画は、日本語版が出ているかは不明です。
こんばんは
返信削除オスカーワイルドにまつわるお話、大変興味深く読ませて頂きました。時代の寵児としてのワイルドにイギリスの光と影を投影できるでしょうか?ジュードローはいい感じでしょうね。ところで、「幸福の王子」もワイルドですよね。あの作品は子供向きの物語なのですか?あまりに悲劇的で自己犠牲というのは理解しがたいと思うのですが、、。そしてワイルドの名言 Experience is the name everyone gives to his mistakes.
The Happy Princeは、ワイルドの児童文学です。私も、子供の時、翻訳物を読んだのを覚えています。
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