クリント・イーストウッドになりたい!

以前、うちのだんなに、「誰にでもなれるとしたら、誰になりたい?どんな顔になりたい?」と聞いたことがあります。それに対して、すかさず返った言葉は、「クリント・イーストウッドになりたい!」ジョニー・デップやブラッド・ピットの類は女性にもてるかもしれないが、それだけの感じ。一方、クリントは男の中の男で、とにかくクール(かっこいい)なのだ、そうです。

これを、先日、友人のご主人に話したところ、「それは良い趣味だ」といわんばかりにうなづいて、「He must be one of the coolest guys in the world.」(彼は、世界で一番かっこいい男の一人に違いない。)

監督としても、いくつものしっかりしたストーリー・ラインを持つ良い作品を作り、私も、近年の彼の監督もので、見たものは全て気に入っています。若いころのアクション・マン、タフ・ガイのイメージに加え、渋いインテリの香りも漂わせ。それに、あの手の顔は、年を取っても、あまり変わららず、品良く老けられる顔。

政治的には一応はリパブリカン(共和党)という事ですが、リパブリカンの一般的スタンスを全て闇雲に賛同することなく、論争点ごとに、自分の意見を持つ人の感があります。(なんて、詳しいことはわからないですけれどね。)理論も道理も関係なく、公共の物事に政府が金を使う事を、ことごとく社会主義とレッテルをはり反対する、ティーパーティーピープルとは、全く異なる感じです。

実際、映画「グラン・トリノ」では、非白人の移民に対する同情と、医療保険を持たず病院費が払えない貧しい人間の事情なども描いているし、「チェンジリング」のインタヴューでは、車に溢れ、排ガスだらけの現在のロスを思うと、ロスに昔あった都電を廃止してしまったのは、実に遺憾である、ような事を言っていました。硫黄島もの2本の作品では、米から見た戦争、日本から見た戦争を、こっちが善で、こっちが悪と割り切らず、両国ともに、善も悪も共存し、闘争に巻き込まれた個々人の人間ドラマとして、上手に描いていたと思います。ジョージ・ブッシュ・ジュニアの様に、アメリカは正義、相反するものは悪の権化・・・では無いのです。要するに、「考える人」なのでしょう、クリントは。

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だんなは、子供の頃、それは何度もテレビで「ダーティー・ハリー」(Dirty Harry)を見たようで、クリントへの憧れは、その頃に遡るよう。

ハリー・キャラハンが、.44マグナムを犯人にむけて言う、あの有名なセリフは暗記して覚えており、今でもそらで言えるのですから、笑ってしまいます。

I know what you’re thinking: 'Did he fire six shots, or only five?' Well, to tell you the truth, in all this excitement, I’ve kinda lost track myself. But being this is a .44 Magnum, the most powerful handgun in the world, and would blow your head clean off, you’ve got to ask yourself one question: 'Do I feel lucky?' Well, do ya, punk?
お前が何を考えているかわかってるぜ。「奴は、6発撃ったか、それとも5発だけだったか?」本当を言えば、この騒ぎの中、俺自身も、いくつ撃ったか覚えていないんだ。だがな、この銃は、.44マグナム、世界で一番強力な拳銃で、お前の頭なぞ、丸ごと吹っ飛ばす事ができる。自分に聞いてみるんだな「俺、今日、ついてるかな?」ってな。さあ、どうなんだ、クソったれめ!

1回目にこのセリフがでるシーンのUチューブはこちら

2回目クライマックスでのこのセリフはこちら

何でも、このセリフをそらで言える英米の男性、うちのに限らず、わりと多いのだそうです。ああ、可愛いくも単純なもんです、男なんて。ちなみに、上記のセリフをクリント風にかっこよく言うには、大声でどならない事。落ち着いた抑えたトーンで、粋に静かに、が大原則です。

また、近所を一緒に散歩していて、大きな犬のうんこを見たりすると、必ず暗唱するのが、「ダーティー・ハリー4」(英語の原題はSudden Impact)からのセリフ、

Listen, punk. To me you're nothin' but dogshit, you understand? And a lot of things can happen to dogshit. It can be scraped up with a shovel off the ground. It can dry up and blow away in the wind. Or it can be stepped on and squashed. So take my advice and be careful where the dog shits ya!
良く聞け、糞野郎!俺にとって、お前は、ただの犬の糞だ、わかったか?そして、犬の糞は、色んな運命に合うんだぜ。シャベルで地面からへぞり取られる事もある、干からびて、風に飛ばされる事もある、それに、踏まれて潰される事もある。だから、アドバイスしてやるよ、犬がどこにお前を落としていくか注意するんだな!

シリーズもの映画の常で、やはり最初の物が、断然良く、シリーズが経つにつれ質が落ちる、と言いながらも、この犬のうんこのセリフは、Sudden Impactならぬ、Deep Impactで、可笑しくて、良く覚えているようです。

この場面のビデオはこちら

更に、当映画からの、別の名セリフは、
Go ahead! Make my day!
やってみろよ!最高の日にしてくれ!

このシーンのビデオはこちら

こうした数々の、ハリー・キャラハンの名言を、だんなは、

Classic! To be studied and learned by students of English literature in future years.
古典だ!将来は、英米文学を勉強する全ての学生に学ばせ暗証させるべきだ。

と冗談で言ってますが、日本の学校で、生徒達が、大真面目な顔して、「Well, do ya, punk?」などと、教科書を読み上げている姿を想像して噴出してしまいました。

私は「ダーティー・ハリー」を初めて見たのは日本のテレビで吹きかえられたもの。うちのだんなと知り合う前は、うっすらと筋書きと、使う拳銃が.44マグナムというのを覚えていたくらい。だんなと知り合って以来、何度もこの有名なセリフを聞かされ、Uチューブでビデオを見せられ。

だんなに言わせると、「ダーティー・ハリー」でのクリントは、そのタフ・ガイぶりが、あまりにも強度で、かっこよさと、おかしさの境界を行ったり来たりし、犯罪アクションものでありながら、ユーモアもある味わい深い作品なのだと。

昨日、だんなは、第一回のキモセラピーが無事終了し、血球の数値も順調に上昇しているので、約1週間の一時退院で家へ戻ってきました。昨日もひょんな事から、ダーティー・ハリーの話しとなり、「また最初から見てみたい」などと言うので、アマゾンからDVDを注文。退院中に、一緒にお茶の間鑑賞となりそうです。

「骨髄移植をすると、移植後に、体質が少し変わったりするらしいが、顔も変わって、クリントみたいにならないかなあ。」うーん、それは・・・。

コメント

  1. こんばんは
    今日から高校野球の甲子園が始まります。男の子もこれくらいでもう荒々しい叫び声をあげますから、ダーティーハリーの台詞なんて大好きでしょうね。それにバカヤローとかクソッタレとか私も時々、言いたくなる事ありますから名文かもしれません。イーストウッドこそ名優でしょうか。年取ってますますハンサムでセクシーだと思います。きっとモテますよね。ご主人様の元気な声に安心しました。お大事に、、。

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  2. ああいう、年を取っても同じ顔の人は得ですよね。
    punkは、日本語への適当な訳が思い浮かばず、ちんぴらでも、クソッタレでも良かったのですが。日本語に吹き替えた映画を見ると、やはり理解が100%いかず、だんなの言う、ダーティー・ハリーの「可笑しさ」など、日本で見たときは一切感じませんでした。

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  3. 泣けるぜ・・・

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    1. いかすぜ、クリント・・・

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