チェンジリング

クリント・イーストウッド監督、アンジェリーナ・ジョリー主演の実話に基づいたこの映画、とても良かったのですが、主人公に感情移入してしまうと、見ていてしんどい時もあり。

舞台は1928年のロサンジェルス。アンジェリーナ扮するシングルママのクリスティンが、ある日仕事から家に戻ると、一人息子が消えていなくなっていた。

心配して警察に通報したものの、しばらくはらちがあかず。やがて、ロス警察から、「あんたの子供見つかった」と連絡。喜びもつかの間、対面してみると、「え、これは私の子じゃない!」なのに警察は、「あんたの子に違いない、しばらくもとの生活に戻ってショックも収まれば、自分の子供だとわかる」、と想像を絶するような事を言う。ほとんど強制的に、クリスティンは、他人の子供を自分の子として家に連れて帰る事に。

当時のロスの警察は、かなり腐敗していたようで、自由の国アメリカでも、20世紀に入ってから、市民にこんなひどい事してたんです。ロス警察の退廃と汚職を暴露しようと、精力的に活動していたプレスヴィテリアン教会(長老派教会、カルビン派キリスト教)のリーダーに助けられながら、本物のわが子を探そうと、警察を敵に回した段階で、クリスティンは、有無をいわさず精神病院へ送り込まれてしまう。精神病院は、ロス警察にとって、当時の厄介者を追い払うのに便利な場所として使われていたようです。

そうこうするうちに、彼女の本当の息子の身の上に何が起こっていたかが、判明してくると、そりゃ、ひどい、の一言。

現在、庶民を守るためにあると思われる法や体制も、過去の不正なシステムを、徐々に、力強い庶民の何人かが、こうしてバトルした末、改善されていったのでしょう。

当時のロスの町並みの再現も面白く、この頃は都電も走っていたのです。この都電は、市民の足として、なかなかの人気だったというのですが、廃止してしまったとは、惜しい事をしたもんです。

アンジェリーナも、そろそろ、容姿が衰えたときのために、こういうシリアスな役で演技派へ徐々に転身を図っているのでしょうか、上手く演じていました。

筋の他には、この当時のファッションが何と言っても素敵でした。

いわゆる、フラッパー・スタイルがとても良く似合う彼女。ボブ風に髪を短くし、アイシャドーは濃く、スモーキーな感じで、口紅真っ赤。ゆるりとした、ローウェストで、胸元もストーンとした感じのドレスに、毛皮の縁取りのついた膝丈コートなど、エレガントにはおり。こういう20年代のファッション、背がすらりとして、真っ直ぐなあんよでないと、似合わないんでしょう、きっと。

クリスティンが、しょっちゅう被っているのは、1923~1930年当たりに流行したクロシェ・ハット(cloche hat)と呼ばれるもの。クロシェはフランス語で鈴の事。インタヴューで、アンジェリーナは、この帽子は、顔を覆うような形なので、被っていると、シャイな気分になる・・・の様な事を言っていました。

彼女は、電話オペレーターのマネージャーという役でしたが、広いオフィスの中を行ったり来たりするのに、ローラースケートをはいていたのも面白かったです。

原題:Changeling
監督:Clint Eastwood
製作:2008年
言語:英語

コメント

  1. この映画は亡くなった友が見たがっていました。私と違い、ひとりで映画に行くような人ではなかったので行きたかったのかもしれません。DVDで見たかどうか・・・。この時代のファッション、私も好きです。日本では大正時代、モダンガールと言われた頃でしょうか。グラマラスな人には似合わなさそうで、その点は日本人向きかもしれません。

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  2. 辛い部分も多いけれど良かったです。

    胸元もすとんとした感じなので、比較的バストが小さくても関係なく、日本人には、そういうところも良いのかもしれません。ただ、背丈はやっぱり多少あった方が良さそうな気が。太目の人はパスしたほうが良いスタイルですね。

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