温室育ち
前回の投稿で、春が来た、と喜んでいたのもつかの間、気温も少し下がり、何だか惨めな天気の週となっています。
夏の庭用にと、種から育てて、芽を出したばかりのベイビー植物達を、庭の奥にある小さい温室(greenhouse)に置いてあるのですが、一昨日の夜、気温もかなり下がるというので、夕方から、温室にヒーターを灯しました。過保護?せっかく芽を出したところで、霜が降りそうな冷たい空気にやられて死なれては嫌なので。
めったに使う事の無い、このEltexというメーカーの温室用ヒーターは、だんなのお父さんが、ゼラニウムを冬越しさせるため毎冬温室で使っていたもの。灯油(paraffin)で炊く、ローテクですが、小型サイズの温室であれば、用は足してくれます。
このタンクに灯油を入れ、布製の芯(wick)を浸し、その芯の先っちょに火を灯す仕組みです。ランプみたいなものですね。
夜中、おトイレに起きたとき、窓からのぞいたら、温室の中に、人魂の様なあかりがちらちらしているのが見えました。今週は、また何回か、これを使わねばならない夜がありそうです。
上は、昨日のロンドンの夕刻。日は長くなってきたのですが、なんだか、まだ、冬の初め、クリスマスの頃の写真の様な感じです。昨夜もまた、温室のヒーターを灯し。
*****
日本語での「温室育ち」に近い表現としては、英語では「cotton wool(脱脂綿)で包んで育てる」というのがあります。
You cannot wrap your children in cotton wool for ever.
子供をずっと脱脂綿に包んでおくわけにはいかない。
=子供をずっと後生大事に手元に置いて可愛がるわけにはいかない。
「箱入り娘」などと似たような感じもします。そろそろ日本はお雛様ですが、お雛様人形のように、ほぼ一年中、脱脂綿で包み、虫がつかぬようモスボールを入れて、それを箱に入れ大切にしまっておくイメージ。最近は、この国の中流の子供達には、cotton wool kids が増えているという話です。親が、人さらいにあったり、怪我をしやしないかと、恐れて、危険回避から、自由に外で遊ばせない傾向があるのだそうで。
ヒーター等で暖かくしてある温室を指す、hothouseと言う言葉も、子供の育て方に関する言葉として使われますが、日本語での「温室育ち」が持つ、「やや甘やかして、つらい経験をさせないよう育てる」ニュアンスと違って、子供に良い教育を与え、一生懸命勉強させる、ややスパルタ気味の意味があります。小さいうちから、暖かいところへ入れて、才能の促進を行うという感覚の表現。
He is more hothoused than gifted.
彼は、才能があるというより、英才教育の賜物だよ。
だから、hothouse kidsは、あまり遊ぶ時間も無く、お勉強や、ヴァイオリンのお稽古、その他諸々の習い事で忙しいのです。
cotton wool kids、hothouse kids、どちらもほどほどに・・・ですね。
温室で育てたベイビー植物達は、外が十分暖かくなったら、徐々に日中は戸外に出すようにし、最終的に花壇に植える前に、外の気温と空気に慣れさせて行く作業をします。大人になってから自分が生きる環境へ徐々に慣れさせ、いざ大きな世界へ乗り出したときに、ちゃんとやっていけるようにする・・・は人間にも植物にも必要なのでしょう。
夏の庭用にと、種から育てて、芽を出したばかりのベイビー植物達を、庭の奥にある小さい温室(greenhouse)に置いてあるのですが、一昨日の夜、気温もかなり下がるというので、夕方から、温室にヒーターを灯しました。過保護?せっかく芽を出したところで、霜が降りそうな冷たい空気にやられて死なれては嫌なので。
めったに使う事の無い、このEltexというメーカーの温室用ヒーターは、だんなのお父さんが、ゼラニウムを冬越しさせるため毎冬温室で使っていたもの。灯油(paraffin)で炊く、ローテクですが、小型サイズの温室であれば、用は足してくれます。
このタンクに灯油を入れ、布製の芯(wick)を浸し、その芯の先っちょに火を灯す仕組みです。ランプみたいなものですね。
夜中、おトイレに起きたとき、窓からのぞいたら、温室の中に、人魂の様なあかりがちらちらしているのが見えました。今週は、また何回か、これを使わねばならない夜がありそうです。
上は、昨日のロンドンの夕刻。日は長くなってきたのですが、なんだか、まだ、冬の初め、クリスマスの頃の写真の様な感じです。昨夜もまた、温室のヒーターを灯し。
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日本語での「温室育ち」に近い表現としては、英語では「cotton wool(脱脂綿)で包んで育てる」というのがあります。
You cannot wrap your children in cotton wool for ever.
子供をずっと脱脂綿に包んでおくわけにはいかない。
=子供をずっと後生大事に手元に置いて可愛がるわけにはいかない。
「箱入り娘」などと似たような感じもします。そろそろ日本はお雛様ですが、お雛様人形のように、ほぼ一年中、脱脂綿で包み、虫がつかぬようモスボールを入れて、それを箱に入れ大切にしまっておくイメージ。最近は、この国の中流の子供達には、cotton wool kids が増えているという話です。親が、人さらいにあったり、怪我をしやしないかと、恐れて、危険回避から、自由に外で遊ばせない傾向があるのだそうで。
ヒーター等で暖かくしてある温室を指す、hothouseと言う言葉も、子供の育て方に関する言葉として使われますが、日本語での「温室育ち」が持つ、「やや甘やかして、つらい経験をさせないよう育てる」ニュアンスと違って、子供に良い教育を与え、一生懸命勉強させる、ややスパルタ気味の意味があります。小さいうちから、暖かいところへ入れて、才能の促進を行うという感覚の表現。
He is more hothoused than gifted.
彼は、才能があるというより、英才教育の賜物だよ。
だから、hothouse kidsは、あまり遊ぶ時間も無く、お勉強や、ヴァイオリンのお稽古、その他諸々の習い事で忙しいのです。
cotton wool kids、hothouse kids、どちらもほどほどに・・・ですね。
温室で育てたベイビー植物達は、外が十分暖かくなったら、徐々に日中は戸外に出すようにし、最終的に花壇に植える前に、外の気温と空気に慣れさせて行く作業をします。大人になってから自分が生きる環境へ徐々に慣れさせ、いざ大きな世界へ乗り出したときに、ちゃんとやっていけるようにする・・・は人間にも植物にも必要なのでしょう。
こんにちは
返信削除今日は3月3日のひな祭りです。桃の節句ですが、真冬の寒さです。
温室用のヒーターは味がありますね。燃やすと小さな可愛い芽がさぞかし心地いい事でしょう。温室育ちというと我が娘かな?世間知らず?過保護? それを打破したのが高校1年生の夏にイギリスに一人で語学留学させたことでしょうか? 初めての飛行機、海外、空港さえ初めてでした。いろいろあったみたいですが、成田に帰って来た彼女をみて驚いたのは私たちでした。ミニスカートに大きく胸元の開いたTシャツ、大きなイヤリングにマニュキア。はじめて見る彼女でした。少なからず彼女を成長させ、自立させ、強くしたのです。
そして、今日は私の誕生日です。うーん 感慨深いです。
お誕生日おめでとうございます。
返信削除高校一年で一人でイギリスに来る度胸があれば、温室育ちではないですよ。こちらに始めてきた頃、子供の学校の行き返りに親が車で送っていく家庭が大変多いのにびっくりしたのです。スクール・ランと言うのですが、学校の登下校の時間は近くの道が送り迎えの車でびっしりとなったりします。そんなのも手伝い、日本の子供の方が、外で自由に遊ばせてもらっている、という印象があります。
温室の芽たちは、今のところ順調に生き延びています。