キリストはロバに乗って

イースター・サンデー(復活祭、復活の主日)の1週間前の日曜日に当たる本日は、パーム・サンデー(Palm Sunday 棕櫚の主日)。弟子達を引き連れて、イエス・キリストが、ロバに乗って、ユダヤ教の過越しの祭り(passover)にむけ、エルサレムを訪れた日とされます。キリストの受難(Passion)の物語の皮切りであり、本日からイースター・サンデーまでの1週間は、受難週間(Holy Week)。

戦士のように馬にまたがらず、平和の象徴であるというロバにまたがってエルサレム入りするキリストの前に、人々はじゅうたんの様に、棕櫚の葉を投げ出して歓迎。この出来事は、新約聖書内のマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書(Gospel)に其々に、微妙な違いがあるものの、記述があり、ヨハネの福音書では、人々は棕櫚の枝葉を手に掲げて、キリストを迎えたとあります。

The Gospel according to St. John 12-13
Took Branches of palm trees, and went forth to meet him, and cried, Hosanna: Blessed is the King of Israel that cometh in the name of the Lord.

ヨハネによる福音書 12-13
(巡礼に訪れた人々は)棕櫚の枝を取り、イエスを迎えるため進み出で、声をあげた、崇めよ、イスラエルの王、主の名の下に訪れし聖なる者、と。

だんなは、11歳頃まで、よく日曜日に教会にひきずられていったようですが、棕櫚の主日には、棕櫚の葉を手に渡されたのを覚えているようです。なんでも、最近では、本物のロバを連れての儀式や行列もあるという話ですが、子供には良いかもしれませんが、これは、わけのわからないロバにとっては、ちょっとした受難ですね。お疲れ様。

*上の絵は、アルブレヒト・デューラーによる、キリストのエルサレム入りを描いた木版画

過越しの祭りのためにやって来た人々でにぎわうエルサレムに入ると、イエスはエルサレム神殿へ赴き、神殿内で商売をしていた両替商や、物売りたちを、ここは祈りの場だと、追い払うのです。

The Gospel according to St. Mathew
21-12 And Jesus went into the temple of God, and cast out all them that sold and bought in the temple, and overthrew the tables of the moneychangers, and the seats of them that sold doves.
21-13 And said unto them, It is written, My house shall be called the house of prayer; but ye have made it a den of thieves.

マタイによる福音書
21-12 そして、イエスは神殿を訪れ、神殿内で売買を行う者たち全てを追い払い、両替商のテーブル、鳩を売る者達のいすを投げ出した。
21-13 そして、彼らにこう言った。神殿は祈りの館であるというのが、神の意思である、お前達は、それを盗人の根城として使用したのだ。

上の絵は、エル・グレコによる、「神殿から商売人たちを追い出すキリスト」を描いたもの。ロンドン、ナショナル・ギャラリー蔵です。

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新約聖書の初めを構成するのは、4つの福音書ですが、こちらの子供達は、時折、下の文を暗記して、この福音書の順番を覚える事もあると言います。

Matthew, Mark, Luke and John went to bed with their trousers on.

マシュー、マーク、ルークとジョンは、ズボンをはいたまま床についた。
(上記の名は、其々マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの英語読みです。)

初めてこれを聞いたときは噴出しましたが、ジョンと最後の単語オンが韻を踏んでいて、確かに頭に入りやすいです。当時はズボンなんて無かったでしょうけどね。

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