自然が呼んでいる

昔の新聞や雑誌の切抜きを整理している際に、「自然と動物と触れ合う事は、健康に良い」といった内容の数年前の記事に行き当たりました。

うつ病気味の人が、イルカと一緒に泳いだり、馬に乗ったりする事で、幸福感や生きる意義を回復したり、心臓病や、卒中を経験した人達が、犬の頭をなでたりすることで、血圧が下がったり、ストレスが減ったり。ペットを飼ったりするのも、可愛いの他にも、健康や精神衛生上の、効果があるらしいです。

歯医者の待合室などでも、水槽が置かれており、泳ぐ魚を20分ほど眺めてから診察を受けた患者は、普通の場合に比べ血圧が下がっているという調査結果もあるそうで。

また、以前読んだ別のニュースでは、交通事故で右半身不随となって喋る能力も無くしてしまった米の男性ウィルソン氏が、ペットのオーム2羽、デイジーとローズバッドに話しかけようと、言葉にならない声を掛けているうちに、話す能力を取り戻したとありました。自分の声を聞くと、喜んで話し返し、自分の愛情に敏感に反応するオーム達に励まされたようです。そして今は、喋る事はもとより、歩く事もできるようになったと。

すばらしいオーム達への恩返しのため、氏は、ウィルソン・パロット・ファウンデーションを設立し、ひどい扱いを受けたり、捨てられたり、飼い主が面倒を見切れなくなったオーム達を引き取り世話をする活動を行っています。

氏いわく、
親戚や友達などの人間の愛情も、それは、いいものであるし、助けになる。ただ、動物が身近におり、自分に話しかけてくれ、愛情をそそがれるのを待っているのを見ると、「もっと、よくならねば」という励みになる。

 健康に良い4つの自然との交流として、

動物とふれあう
植物とふれあう
自然な場所とふれあう
景色を眺める

があがっていました。

上記の新聞記事は、日本で行われた調査にも触れていました。この調査は、コンクリートの壁を眺めていた人と、植物の垣根を眺めていた人との反応を比べるというもので、前者はストレス度があがり、後者はリラックス度があがったという結果。似たような調査で、空っぽの花瓶を眺めた人と、花が飾ってある花瓶を眺めた人ではやはり同じような結果だったと言います。

この様な、自然が健康に与える良い影響の原因は、いまひとつ良くわかっていないようですが、考えられる事として、

人間の先祖は、食料を探しやすく、また、天敵からも身を守りやすい、見晴らしの良い場所を好んだ。また、同時に飲み水の確保のため流水があり、危険が迫った時、隠れるための藪や木があることも大切だった事から、未だに、同じような環境を無意識のうちに欲しているのだという説があげられていました。

ご先祖様が、野山を走り回っていたころから、気の遠くなるような時が経とうと、人間は、やはり自然の一部。コンクリートジャングルばかりで生活していると、精神的、肉体的に、狂ってきてしまうこともあるのでしょう。野生の証明というやつでしょうか。

ところで、PC上で、自然の写真や動物の写真を見るというのも、効果があるのか、誰か調査してくれないでしょうか。まあ、本物に越したものは無いでしょうから、スクリーンを見すぎたら、やはり靴をつっかけ、外で直に自然に触れに出るのがいいのでしょう。

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