150歳のビッグベンと若者ロンドン・アイ

ビッグ・ベン。この名は、国会議事堂の時計塔の中の鐘に与えられた愛称で、今年はこのベン君、御年150歳。

愛称の由来は、鐘の設置の総督であったベンジャミン・ホール(Benjamin Hall)氏から取ったものとする説が有力のようで、彼の名は、鐘にも刻まれているそうです。

時を鳴らすビッグ・ベン。重さ13.7トン。高さ2.2メートル。直径2.7メートル。

この巨鐘は、クオーター・ベルと呼ばれ、15分毎に鳴る、それぞれ音程が違う4つの小型の鐘に囲まれて時計塔の中にあります。ちなみに、クオーター・ベルの音程は、それぞれ、Gシャープ、Fシャープ、E、そしてB。ビッグ・ベンの音程はE。

クオーター・ベル達が、

キンコン、カン、コーン
カンコン、キン、コーン
キンコン、カン、コーン
カンコン、キン、コーン
と「ウェストミンスター・チャイムズ」と呼ばれるメロディーを歌ったあとに、

ビッグ・ベンが、

ボーーーーン、ボーーーーーン、ボーーーーーンと時を告げます。

鐘は、固定されており、外側からハンマーで打つ仕組み。

ビッグ・ベンのアップと、鐘の音が聞いてみよう。


「ウェストミンスター・チャイムズ」のメロディーは、もともとは、時代さかのぼり、18世紀後半に、ケンブリッジの教会の鐘に使われたメロディーだそうで、その為、「ケンブリッジ・チャイムズ」とも呼ばれます。ロンドンの議事堂の鐘の音に使われてから、あちこちで時を告げる音として模倣され、色々な地で聞かれるようになったと言います。地球を半周した日本でも。

時計の文字盤の下に書かれたラテン語の意味は、
「神よ、我等が女王ヴィクトリア1世を守りたまえ」

ビッグ・ベンがはじめて鳴り渡ったのが、1859年の7月11日。ところが、同年9月には、すでに鐘に亀裂が入り、修理改善されるまでの以後4年間、クオーター・ベルのひとつが代役で時を鳴らしていたそうです。1863年に復帰してからは、ずっとロンドンを代表する音として無くてはならない存在。

ネオ・ゴシックと呼ばれるスタイルの国会議事堂の建物自体は、1834年に火災でほぼ全焼したウェストミンスター宮殿の代わりに建てられたもの。この建築にあたって、デザインのコンペティションが行われ、提出された97の設計デザインの中から選ばれた建築家は、チャールズ・バリー氏。時計塔は当初のバリー氏の設計には入っておらず、後で加えられます。


テムズを挟んで、斜向かいの対岸に建つのは、2000年に生まれた大観覧車の、ロンドン・アイ。まだ若者です。そのわりには、もうすっかり定着した雰囲気があります。

夏などは観光客にも大人気。実は私は、まだ乗っていないのです。いつでも乗れると思うと、なかなか実行に移さないというのはあります。

今年の新年のセレブレーションに、ロンドン・アイを中心にして、花火が冬の夜空に開きました。寒い中、対岸には見物人もいっぱい。2000年の大晦日の花火大会には、私も繰り出しました。今年は大人しく、テレビで見ました。

2009年、新年のテムズの花火を見てみよう。

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