チャタムのロイヤル・ドックヤード(チャタム工廠)観光

チャタム・ドックヤード内の19世紀後半の艦船、HMS Gannet 先月、ケント州にある、 ロチェスター (Rochester)を訪れた時の話を書き、少々、間が空いてしまいましたが、本日は、それと同じ日に訪れた、ロチェスターの隣町のチャタム(Chatham)の事を書くことにします。 チャタムは、ロチェスター同様、チャールズ・ディケンズゆかりの地で、ディケンズが、幼少の頃に一時住んだ場所であり、彼にとって、子供時代の最高の思い出のある場所とされています。お金を湯水のように使ってしまうディケンズの父は、この後、チャタムからロンドンへ引っ越した後、ついに借金に首が回らなくなり、債務者監獄である マーシャルシー監獄 に投獄。このため、チャールズは、12歳にして一時学校を去り、悲惨な状況でテムズ川沿いの工場で働く・・・という羽目になりますから、それは、チャタムで、周辺を自由に走り回ったころの生活が夢のように感じた事でしょう。 ディケンズがチャタムに住んでいる時、父と、ロチェスター北部のハイアムにあるギャッツ・ヒルという屋敷の前を通りかかり、その時、父が、「一生懸命働けば、いつかこんな屋敷を買って住めるようになる。」と息子に言って聞かせ、その後、幼いディケンズは、幾度かわざわざチャタムから歩いて、この憧れの屋敷を見に行っていたのだそうです。ディケンズは、人生の後半の1856年に、この館が売りに出ているのに気づき購入、お気に入りの館となり、1870年、当館で息を引き取ることとなります。 などと、ディケンズの事をたくさん書きながら、私が今回チャタムを訪れた目的は、ディケンズの足跡を辿るためや、ちょっと子供だまし的なディケンズのテーマ・パーク、ディケンズ・ワールドを訪れるためではなく、チャタムに約400年間存在した、広大なロイヤル・ドックヤード(Royal Dockyard、チャタム工廠)を訪れるため。ここは、イギリス海軍の造船と船の修復を行ってきた、かなり大規模なドックヤードでしたが、いまは博物館となって一般公開されています。チャールズ・ディケンズの父は、イギリス海軍の事務を司っていたため、チャールズの生まれた、やはり軍港のポーツマスから、ケント州のシアネス、そして、チャタムへと転勤になり、ディケンズ一家は、一時的にここに住んでいた次第です。 さて、このチャ...