夜空に火星と木星を見る

 我が家の庭は、ほぼ真南を向いている。

冬の凍てつく晩には、この南の空を東から西へとオリオン座が渡っていくのが良く見える。「おお寒」などとつぶやきながらも、庭に座って時に夜空をながめるのは、冬の楽しみのひとつでもある。特にイギリスの夏の夜は暗くなるのがとても遅いため、星でも見ようなどと言うより「もう寝るか」となってしまう。

雲に覆われる日が多いイギリスで、特にこの冬は、めげるような曇った日が続き、12月、1月とあまり庭で星を見ることも無かった気がする。それが、2月に入ってからのここ数日、夜の空は晴れ、久しぶりに星を見に庭に出ている。

夜の9時。マフラー、手袋、帽子を装着し、庭に座って前方を見ると、オリオン座は空のど真ん中あたりで堂々としている。オリオン座の斜め上東側にはオレンジがかった色をした火星がおり、それと張り合うようにオリオン座斜め上西側には黄色がかった木星がまばゆく光る。

現在、火星はふたご座のカストルとポルックスの二つの星と共に小さな三角形を作っている。一方、木星の方はおうし座の只中に陣取り。月は上弦で、この時は西の空におり、昨日はほぼ半月。すばらしい光景。

上にのせた図は、2月4日の夜、南の空に見えた星座たちだが、この図の中で火星と木星、どれだかわかるだろうか。2月の初め、火星と木星は双方逆行しており、東から西へと動いていたのが、木星の逆行は2月4日で終わり、これからは順行し徐々に東へ移動していくということ。火星は2月の終わりまで逆行し西への移動を続けるようだ。

惑星、planetの語源はギリシャ語で、wanderer(放浪者)を意味するという。場所を動かず星座を形成する恒星と異なり、惑星たちは天空でその居場所を変えていく。ギリシャ人たちはそれを「さまよえる者たち」と呼んだわけだ。

ちなみに火星は英語でマーズ(Mars)。木星はジュピター(Jupiter)。マーズはローマ神話の軍神マルス。その燃えるような赤い色が血と戦いを連想させたためらしい。ジュピターは言わずと知れた主神(ギリシャ神話のゼウス)で、命名の理由は、他の惑星と比べた木星の大きさと地球から見たその明るさにある。王様的貫録というやつ。

肉眼で見ることができる5つの惑星たち(水星、金星、火星、木星、土星 :Mercury, Venus, Mars, Jupiter, Saturn)はローマ神話の神々の名にあやかってすでに紀元前のローマ時代に命名されていたという。実際は、ギリシャ時代にすでにギリシャ神話の神々の名で呼ばれていた様だが、ローマ人たちはローマの神々の名に置き換え、それが定着。

天王星、海王星(Uranus, Neptune)、そして今では純惑星に格下げされてしまった冥王星(Pluto)、は発見された後の時代の命名となる。何故か、天王星のみローマではなく、ギリシャ神話の神様の名が使われている。

昨日の夕方日没後6時には、西の空に金星も輝いていた。

今夜も惑星たちに会えるだろうか。

惑星また冥王星に関して詳しくは過去の記事、「惑星たち」も参照あれ。

国立天文台2月の空のサイトはこちら

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