Bushism

ブッシュ元大統領が去ってしまい、悲しいという人は、少なくともこの国ではあまりいないようですが、コメディアン達にとっては、あれだけ笑える政治家がいなくなるのは、ちょっと惜しいという話も。

特にブッシュ元大統領が、母国語であるはずの英語と格闘し、誤用したり、どもったり、文法ミスをしたり、本人も回りも何を喋っているかわからなかったりする、そのコミック性はぴか一。思ったように言葉が出てこない時、途方にくれてしまい、頭が真っ白になっているのがわかるような表情も爆笑をさそっていました。

こうした、ブッシュの喋りは、いまやBushism(ブッシズム)と名づけられ、他の事では、どうしょうもない大統領でしたが、この件に関しては、堂々と(?)歴史にその名を残す事に。

あるコメディアンは、「彼が、連発する(心ならぬ)ギャグの数々は、ついて行くのが大変で、次から次へという感じだった。」ともらしていました。コメディアンにとっては、尽きること無いネタの宝庫の様な人だったわけで。


数あるブッシュ語録の中で、一番有名なのは、

They misunderestimated me.
彼らは、我輩を、誤小評価しておったのだ。

misunderestimateという言葉はありません。

「我輩を過小評価した」と言いたかったのを、おそらく、

misunderstand(誤解する)と
underestimate(過小評価する)を

ごっちゃにして、思わず、新語を世に発表してしまったのでしょう。これでは、過小評価されても、文句は言えない?このフレーズは、最後の記者会見でも、再披露していたのが、記憶に新しいところです。

この他には、

Our enemies are innovative and resourceful,
and so are we.
They never stop thinking about new ways
to harm our country and our people,
and neither do we.

我々の敵は刷新的で機転に富んでいる、
が、我々もそうだ。
彼らは我々の国と国民に打撃を与える新しい方法を次々と考え出す事をやめない、
が、我々もそうだ。

自分達自身がアメリカに打撃を与える新しい方法を次々考え出しているような、変な文になってしまいました。so are weと、neither do weを重ねて、マッチョに格好良く決めようとしたのでしょうが、ああ大失敗。

気に食わない政治家だからと、多少意地悪っぽく書いてしまいました。公平に見れば、始終マイクをつきつけられ、公でスピーチすると、多少のボロが出てきてしまうものなのでしょう。

このような英語でも、世界の桧舞台に立てるのですから、外国人が、第2外国語の英語を多少間違えても、恥ずかしいことは無いのでしょう。正確なのに越したことは無いですが、一番大切なのは喋る内容だし。多少、たどたどしくても、しっかり中身が伝われば良いと、堂々と喋って良いのだと思いたいところです。

もし、間違いを指摘されたら、
It's a Bushism.
「これは、ブッシズムさ。」とすまして言えば良いし。

ブッシュさん、可笑しい人でしたが、コメディアンからアンコールを受けても、もう政治界には戻らないで下さいね!

その他、数々のブッシズム英語を読んでみよう

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