春の日浴びてホランド・パーク


O! how this spring of love resembleth
The uncertain glory of an April day.

ああ!
なんとこの恋愛の春は
4月の定かならずとも
芳しい日に似ていることか

(シェイクスピア「ヴェローナの二紳士」)

そんな4月の芳しい午後、ホランド・パークへ繰り出しました。

ホランド・パークはロンドンの西部にあります。ケンジントン宮殿があるケンジントン・ガーデンズから、更に西へ、ぽくぽく歩いて15分ほど。

この地に1607年に建設されたのは、ウォルター・コープ氏の館、コープ・キャスル。1614年に亡くなった氏は、再婚しない事を条件に、館を妻に残します。が、奥方は後、再婚。館はコープ氏の娘へ渡され、やがて、彼女がホランド伯爵と結婚することで、後、館はホランド・ハウスの名を取り。おしゃれな館と評判だったものの、第2次世界大戦の爆撃で、わずか1部を除き、ほぼ全壊。館の敷地が、現ホランド・パークです。

写真は、噴水や彫刻も置かれているノット・ガーデン。すぐ脇にはカフェもあり。

幾何学模様に形づくった背の低い生垣の中に、カラフルな春の花々が埋め込まれていました。プリムローズ、ヒヤシンス、チューリップ。周辺のベンチに腰掛けた人々は、のどかな午後の時間を楽しみ。乳母車を押したママたちの姿も多く。私も、歩き回った後、ここのベンチで休憩しました。

園内では、夏季は、野外オペラが上演されます。

敷地内には、京都庭園なるものもあります。確かに、こうして写真だけ見ると、日本かな、という気もしますでしょうか。写真に入ってしまった人達のエスニック風の洋服はともかく・・・。

池には鯉も泳ぎ。鯉はこちらでも、コイカープなどと呼ばれて売られていますが、大きいものは、やはり高価ですね。こんなロンドン市内の公園に泳がせておいて、夜中盗まれたりしないのでしょうか。

公園内の木々の間を縫う散歩道。こんな風景に出くわしました。ダファデルに覆われた斜面。

今年は、開花が遅かった気がするダファデルですが、その黄色い顔が光の中で開く様子は、目にも心にもまぶしいものです。

その中で、花に埋もれて本を読む青年と、きゃっきゃとはしゃぐ女の子達。

April, April,
Laugh thy girlish laughter

4月よ、4月、
そなたは、少女の様な笑みで笑う

(ウィリアム・ワトソン)

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