ブッシュ家祖先の村

以前ラジオで、アメリカ元大統領のジョージ・ブッシュ・シニアとジュニアの祖先が住んでいたという村、エセックス州メッシング(Messing)の話を聞いたことがありました。

たまたま、このメッシングのそばを通りかかった際、立ち寄る事にしました。人口200人前後の小さなごく普通の村でした。鉄道もバスも通らず、あるのは教会とパブ。店らしきものも見かけず、のんびりとした感はありますが、住むのは不便かもしれません。

村の教会に入ると内部の壁には、ジョージ・ブッシュ・シニアのサイン入り写真が飾ってあり、ブッシュ家の先祖の歴史を簡単に説明したパンフレットがあったので、もらって来ました。

ブッシュ家は14世紀からメッシング周辺に住んでいたそうですが、1631年に、小農民であったレイノルド・ブッシュ(Reynold Bush)が、大西洋を渡って、米東海岸、マサチューセッツ・ベイ植民地のケンブリッジヘ移住。

当時の英国からの移民者の多くは、英国国教会との宗教観の違いが理由で国を出ていったようです。マサチューセッツを含むアメリカ北東地区ニューイングランドは、プロテスタントでも更に厳格なピューリタン(清教徒)が多く移住した場所です。彼らにとって、英国国教会は少々派手すぎたのでしょうか。

マサチューセッツ・ベイ植民地への移住者たちは当初は、原住のインディアンに食物を分けてもらい、飢餓を逃れて生き延びる事ができたといいますが、今から思えば、インディアンは、人助けをしたばかりに、自分の首を絞める結果に終わってしまったわけです。

地図を広げて、マサチューセッツ・ベイ周辺を見てみると、ありました、ケンブリッジ。その周辺には、有名なメイフラワー号の清教徒ピルグリムファーザー達が居住したプリマスも名も見え、その他にも、ハル、ウェイマス、グロスター、チェルムスフォード、ベバリー等、英国の町と同じ地名を沢山見つけました。新しい地へ辿り着いても、なつかしい母国の名を付けてしまうものでしょうか。私だったら新規一転で、全く違った名前を付けたいですが。その地に咲いているお花の名前なんかがいいですね。


移住後、ブッシュ家は繁栄。ご先祖様たちは、18世紀初頭はインディアンと戦い、イギリスがフランスを相手に、カナダ及びインドの覇権を巡って争った7年戦争(1756-1763年)では、英側で参戦。1775年の米独立戦争では、今度は英国を敵に回して戦い。

ブッシュ家が出て行ってから300年以上経った後、ジョージ・ブッシュ・シニアが米大統領に選出された際には、メッシングの写真のパブで、お祝いが行われたそうです。

シニアはともかく、ジュニアは、すでに史上最悪の大統領だったのではないか、などと噂されていますが・・・。後に大きなMess(混乱)を残して、大統領の座を去った彼の祖先の村がMessingというのも、あまりにぴったりで、何だか笑うに笑えない下手な冗談のような感じです。

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