海に突き出したミナック・シアター

それは、シェイクスピアの国ですので、イギリスは芝居大国です。

ロンドンに来たての頃は、足しげく劇場通いをしたものです。映画やテレビでお馴染みの有名俳優等も、毎日毎晩舞台に立つのが見れる贅沢に感激しながら。

一番初めにこちらで見た芝居は、忘れもしない、リチャード2世。映画「ミッション」や「フランス軍中尉の女」でお馴染みのジェレミー・アイアンズが主演でした。これは、2回も見に行ってしまいました。その後、ジョナサン・プライスの「マクベス」、アンソニー・ホプキンスの「リア王」と「Mバタフライ」、007シリーズにも登場するジュディー・デンチは数回違う芝居で見ました。

夏の期間、アメリカから来ていたダスティン・ホフマン扮するシャイロックでの「ベニスの商人」。これはダフ屋からチケットを買ってみました。演技が自然すぎるのか、不思議と舞台映えのしない人でしたが。かなり昔に、アル・パチーノがロンドンで短期公演をした時には、そのど迫力たるや鳥肌ものだったそうです。観たかった。

そんなこんなで、こちらで観た芝居の中で一番良かったのは?と聞かれるとかなり選択に困ります。有名俳優が出ていなくても、すばらしいプロダクションを沢山観れましたので。でも、行った劇場でどこが一番印象に残ったかと聞かれたら、迷わず、ミナック・シアター(The Minack Theatre)!

イギリス南西部、コーンウォール州の海岸線にあるこのミナック・シアターは、古代のものではありません。ギリシャの野外劇場を模して、1930年代に、地元女性の尽力によって作られました。初演は、月夜、松明を掲げた中でのシェイクスピアの「テンペスト」だったといいます。題目どおりの魔法の様な夜だった事でしょう。

私は、ペンザンスという町から、ぽこぽこバスに乗って行って来ました。チケットオフィスで、調度、「ハムレット」をかけると知り、当日券を購入。役者さんたちの演技は一級品とは行かず、衣装も道具もシンプル。石のベンチでおしりもかなり痛みましたが、真っ青な海の背景は、どんな舞台装置よりも贅沢で、今も心に残ります。

劇場のすぐわきには、こんなサラサラ砂の、美しい海岸がありました。まるで地中海のどこぞの国のようです。行った時は、夏休みも終わっていたので人もほとんどおらず。

英国南西部は、雨は少々多いですが、比較的温暖で、海岸線を含め美しい場所が多いため、夏は家族連れのホリデーでにぎわい。またリタイアーの場所としても人気です。

コメント

  1. コーンウォールは愛読したロザムンド・ピルチャーやダフネ・デュ・モーリアの本で知り、行ってみたい地です。素敵な写真でさらに思いが募りました。
    海から遠いところで育ったせいか、いつも海に憧れていました。
    Mr.Toadから彼が住むあたりのコパーコーストの写真を見せられ、そちらにも
    誘惑されています。

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  2. ピルチャーという人の作品は読んだことがないです。
    デュ・モリアでなじみあるのは、ヒッチコックのおかげで、やっぱり、レベッカと鳥。この「鳥」の原作のラジオドラマ化されたものを、ラジオで聞いたことがありますが、原作の方が、映画よりも、静かで隔離された雰囲気があり、恐ろしいですね。

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