ゼリーに入ったウナギ

イギリスに来てから、いまだ食べたことの無かったこちらの食べ物のひとつにジェリード・イール(Jellied Eels ゼリード・イール、うなぎのゼリー寄せ)がありました。

 うなぎをざっくり輪切りにして、ハーブやらストックやらを混ぜて煮、そのまま冷やしてゼリー状にしたものです。聞くからに、そして、見るからにまずそうで、手を出さなかったのですが。

その歴史は18世紀に遡り、東ロンドンの労働者階級の食べ物として人気だったそうです。うなぎは、テムズ川で簡単に捕まえることが出来た上、輸送も楽、安くて栄養価の高い食べ物と重宝され。東ロンドンの、パイとマッシュポテト等を出す店、Pie and Mash Shopなどでも、伝統的なメニュー。

先日、たまたまスーパーで見かけ、「一度くらいは試してみよう」と購入。

何だか、パッケージに張ってある、ラベルからして、ぬるぬるした食感を連想してしまう。かぱっと皿にあけてみたら、もっと薄気味悪い。

先入観も手伝ってか、一口、そして二口で、もう食べ続けられなくなりました。ちょっとだけ塩味のゼリーは、気色悪く、こりこりした骨も嫌だ。もう二度と手をつけない、と思いながら、水道で、ゼリーを全部洗い落として、うなぎの輪切りだけ庭に放りました。庭に来る鳥が食べるかもしれないと。

案の上、ブラックバードが数羽やって来て、つついて食べていました。骨っぽい部分以外は無くなっていたので、彼らは、まあまあ気に入った様です。

コックニー(東ロンドンっ子)にはなれません。これは、パイとマッシュ付きで出されても、食べられない。安くて栄養価が高いうなぎを使って、もう少し工夫して、美味しい料理を作れなかったものか。この国、食文化に関しては、あまり執念がないというか、工夫が無いというか。日本の様に、食べ物は、最初に目で楽しんでからという感覚もなく、腹に入れば、皆同じ的アプローチです。やっぱり、うなぎは、うな重がいいのです。

コメント

  1. 昨日が土用の丑の日でした。
    今年は7月31日もそれにあたるそうです。
    うな重やひつまぶしは良いのですが、
    私は肝吸いの中に浮いているものが、視覚的にだめです。
    それにしても、このゼリー
    見るからに、’まんま’うなぎですね。
    この後手を加えて食べるものではないのでしょうか。

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  2. これは、このまま食べるんですよ、それが。本当にまんまうなぎという言葉ぴったりです。お隣の夫婦が好物だそうで、ビネガーとコショウをかけて、美味だ、何て言ってました。ゼリーの部分は、確かに、ところてん、みたいな感じはしましたが。私が食べきれず鳥にやったと言ったら、「くれれば食べたのに」だそうです。
    7月31日に、うな重食べたいです。

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