ピムズの夏、イギリスの夏

イギリスの夏の人気アルコール・ドリンクにピムズ(Pimm's)があります。

ウィンブルドンでもシャンペンと並び、良く飲まれる飲み物。トーナメント中は毎夜放送されるダイジェスト番組トゥデイ・アット・ウィンブルドンでも、解説者たちが座る、屋上に設置されたテーブルの真ん中に、いつもピムズのカクテルを入れたピッチャーがどっかと置いてあります。

ピムズは19世紀前半、ロンドンのシティでオイスター・バーのチェーン店を経営していたジェイムス・ピム氏によって生み出されたもの。それまでは、ジンが主に飲まれていたのを、自分のオイスター・バーの客に、もう少し口あたりの良い洗練された飲み物を出そうと、ジンをベースにスパイスやハーブを加えたピムズNo1 Cupを考案します。この飲み物は、すぐに、人気となり、1860年代までには、ロンドンのあちこちで売られるようになります。

経営者は幾度か手が変わり、現在は飲料業界の大手Diageo社所有。レシピは、今も、6人の人間しか知らない極秘事項なのだそうで。色々なスーパーが自社製ピムズ風飲み物を売っているようですが、味はやはり違いがあるようです。

ジン・ベースのNo1Cupのほかに、スコッチ・ベースのNo2、ブランデーのNo3、ラムのNo4、ライのNo5そして、ウォッカのNo6なども世に出されましたが、今でも売られているのはNo1とNo6だけ。

さてピムズのカクテルの作り方は、ボトルに貼ってあるレベルによると、

*シンプル・ピムズ
ピムズ1に対しレモネード3
氷とレモンのスライスを加える

*クラッシック・ピムズ
ピムズ1に対しレモネード、ジンジャーエールまたはトニック3
氷とレモン、きゅうり、りんご、オレンジのスライスに、ミント少量を加える

混ぜるものは好みによって、個人個人、好きなものを入れて楽しめばいいのでしょう。ピムズのアルコール度は25%。飲みやすいのでがばがばやると、私などはすぐ酔っ払います。


さて、日曜日のウィンブルドン男子シングルスの決勝は、久しぶりにフェデラー対ロディック。

イギリス(スコットランド人)のアンディ・マリーが決勝進出、もしかしたら優勝するんではないかと、毎日の様なメディアの大騒ぎも空騒ぎで終わり。マリーが決勝進出をしたら、センターコートに女王が見に来るとか、優勝したら、サーの称号をもらえるなんて話まであがってたのに。イギリスは他にいけそうな選手がいないから、異様なまでの期待がかかっちゃいます。

マリーは、いつかはグランド・スラムのひとつやふたつは優勝しそうな選手ではありますが、本日のセミ・ファイナルで、「サーブだけで、後はだめ」なんて言われながら、新しいコーチ、ステファンキ氏の下、再生し、それは良い試合ぶりをみせたロディックに負けてしまいました。よっぽどうれしかったのか、試合後、ロッカールームに帰る階段の途中で、つっぷして泣いているロディックの姿が印象的でした。決勝、がんばれ。対フェデラーでは、無理かなとは思いながらも。ピムズ飲みながら応援です。

コメント

  1. ピムズ、知りませんでした。
    先日あまり飲みもしないのに梅酒をしこんでしまいました。
    どんなのができることか・・・。
    Blackthornという植物、その実がスローベリーでスロージンの原料だと知りました。スロージンというけれど、ジンベースではなくて英国版梅酒のようなものと説明しているブログもありました。そちらでも自家製果実酒など作るのでしょうか。

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  2. Blackthornを植物辞典で見てみました。刺がかなり強烈ですね。ラテン名のPrunus spinosaは、刺のある梅の意味だと。庭用梅の木のご先祖だそうです。
    sloe ginにも触れてあり、10月に熟す実(sloe)自体は非常に苦く、それをジンにつけると、きりっとした味になると。BBCのサイトのレシピでは、実に沢山穴を開け、砂糖と、ジンをを加えるとありました。ということは、ジンベースです。自家製果実酒作る人もいるでしょうね。

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