銀河ヒッチハイクガイド


イギリス人に、こんな哲学的な質問してみます。
What is the ultimate answer to life, the universe and everthing?
(生命と、宇宙と、そして、もろもろの事への究極の答えは何であるか?)

それに対して、
42
というわけのわからない答えが返ってきたら、その人は、銀河ヒッチハイクガイド(The Hitchhiker's Guide to the Galaxy)を知っている人。

イギリス人、アーサー・デントは朝目覚めると、友人フォードが宇宙人であり、地球が滅亡すると知らされる・・・

カフカの「変身」のような唐突な始まり方をするこの映画、もともとは、ダグラス・アダムス(Douglas Adams)作、1978年にBBCラジオ4にて放送された同名のイギリス・ラジオ・ドラマ、SFコメディです。その後、小説、テレビドラマにもなりました。

2005年に公開された、この映画バージョン、ラジオや小説の熱烈ファンからは、少々文句も出たようですが、楽しく見ました。アダムス氏は、2001年に、映画完成を見ずに、心臓麻痺で49歳の若さで急死しています。

地球滅亡寸前にアーサーはフォードに助けられ、共に宇宙船に、ヒッチハイクで乗り込む。宇宙で生き抜くための頼みの綱は、宇宙内のトラベル・ガイド・ブックのような「銀河ヒッチハイク・ガイド」。ガイドの表紙には、Don't Panic(パニくるな)の文字が刻まれる。

一番好きなキャラクターは、巨大目玉おやじのような頭でっかちシルエットの、常時、うつ病気味のロボット、マーヴィン。

冒頭で書いた42は、ディープ・ソートという名のスーパー・コンピューターに「生命と宇宙ともろもろの事への究極の答え」を計算してくれるよう頼み、気の遠くなるような時が経った後、返ってくる有名な答え。奥深い返答を、期待していたら大間違い。コンピューターがたたきだした答えなので、数字なのです、うーん。

地球は滅亡したものの、しっかりとバック・アップが取ってあり、惑星工場で、そのバック・アップ(アース・マークII)を見学する場面も楽しいです。仕上げにペンキなんかぬっちゃったりして。

く~だらない、けど、面白い。モンティ・パイソンなどが好きな人には楽しめるかもしれません。宇宙船に乗っても、「この宇宙船に、紅茶無いの?」と聞くアーサーのイギリス人ぶりも可笑しいです。

ガイド・ブックのナレーションは、コメディアンのスティーブン・フライ。マーヴィンの声にはアラン・リックマン。コンピューター、ディープ・ソートの声は、ヘレン・ミレン。主人公アーサー役は、イギリスのテレビ・コメディ、「オフィス」にも登場していたマーティン・フリーマン。普通っぽい、ちょっと情けない感じがいいです。

オリジナルのラジオを聞いていた主人に言わせても、やっぱりカルト的地位を確立したラジオ・ドラマが一番というので、これ、そのうちCD買って聞いてみます。

原題:The Hitchhiker's Guide to the Galaxy
監督:Garth Jennings
言語:英語
2005年

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