馬の尾を食べる馬


細いパブリック・フットパスを歩いていたら、馬が一頭、周囲の植物をバリバリ食べるのに夢中で、立ち止まったまま、行く手をふさいでいました。

よほどの事がない限り、野原や野道で、遭遇した馬に襲われる、などと言う事はないですが、やはり、頑丈な後ろ足で蹴られるのは怖いので、用心せにゃ。

むしゃむしゃと咀嚼で動く鼻面をなでた後、何とか脇を通り抜け、背後に回り、足蹴りを食らう危険のある範囲に踏み込まないよう注意して通り抜けました。

十分離れた後、背後から写真をぱしゃり。まだ、ひたすら食事を続けていました。

この馬が食べていた植物は、その名も、なんとホーステール(Horsetail:馬の尾)。

ホーステールは、非常に原始的な植物だそうで、石炭などと共に、化石として見つかったりもしているそうです。

家に戻ってから、インターネットや図鑑で更に調べてみたら、ホーステールは種類によっては、大量に食べると、馬や羊、牛などの家畜などには毒となる・・・ような事が書かれてありました。

特に、家畜への毒性が名指しであがっていたのが、フィールド・ホーステールまたはコモン・ホーステール(Field Horsetail・Common Horsetail、正式名:Equisetum arvense)と呼ばれる種。駆除に非常に手間のかかる雑草でもあるそうです。これ、日本語ではスギナ、春につくしを出す植物でした。

あの馬、あんなに沢山食べてたが、大丈夫か、今頃、下痢なんぞしてないか・・・と思ったのですが、写真を色々、ネット上のものと見比べてみたら、あそこに生えていたものは、グレート・ホーステール(Great Horsetail、正式名:Equisetum telmateia)と呼ばれる種のようです。こちらの説明書きには、毒性に触れていなかったので、まあ、大丈夫なんでしょう。植物の世界も、調べ出すと、色々奥深く、ややこしい事です。

このグレート・ホーステールも、4月には、つくしの様な丸頭のものがにょきっと生え、夏はこの写真の様になり、秋には枯れるという事です。見た目は、「馬の尾」と言うより、ボトルを洗う棒つきたわし、といった感じですが。

コメント

  1. 確かにグレート、日本のスギナよりも大きく見えます。
    スギナは生薬として使われ利尿作用があるということ。
    近年は花粉症への効能もあると言われているそうです。
    毒があるのはスギナの子、ツクシではないかと思われます。
    スギナ茶というのもありました。

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  2. 毒はつくしんぼでしたか。スギナも気をつけて使えば、お役立ち植物なんですね。薬にもなるものが毒にもなるケースというのは、良くあるようですが。

    日本人は野にあるものを、上手に使うものだなと思います。食料危機が来ても切り抜けやすい国民性かも。こちらでも、野草を食べたりすることはあるけれど、日本ほど浸透していない気がします。

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