キングス・カレッジ・チャペル

ケンブリッジのイメージとして、一番良く使われ、目にするる建物のひとつが、キングス・カレッジのチャペル。(上の写真、左手の建物。)

31あるケンブリッジ大学のカレッジの中でも、キングス・カレッジは、古株の部類で、1441年、まだ19歳だった、ヘンリー6世により創立。このため、周辺にあった幾つもの中世の家々や店、教会までも強制買取で、取り壊され、川へと続く広々とした土地をカレッジのために確保。それは、王様ですから、何だってできます。3年もかかったと言われる、この古い建物の撤去が、ケンブリッジが後、大学を中心とした町になる第一歩であったわけです。

 ヘンリー6世は、また、イートン校も創立しており、伝統的に約400年以上もの間、キングス・カレッジは、イートン校からの卒業生しか受け入れなかったそうです。

宗教熱心な王様だったヘンリー6世が、一番、力を入れようとしたのが、チャペルの建設。他に類を見ない美しさと大きさを誇るものにしたかったようですが、中世の大規模建築物は、時間がかかるのがもっぱら。このチャペルも例外ではなく、約100年かかっています。

1446年に、チャペルの最初の石が置かれたものの、1455年に、ばら戦争が始まり、1471年にはヘンリー6世は、ロンドン塔にて殺害。

次の王、エドワード4世の時代は、ほとんど建築は進まず。その後、せむしのリチャード3世が、熱心に建設の続行を試みたものの、彼は彼で、1485年、ボズワースの戦いで戦死。
リチャードの後、王座についたチューダー朝創始者ヘンリー7世は、しばらくはチャペルの建設などは放ったらかし、ようやく1508年に、再開。ヘンリー7世は、その翌年亡くなるので、完成は、息子のヘンリー8世の時代となります。

チャペル内部は、世界で一番大きいと言われるファン・ヴォールト(Fan Vault)の繊細なレースの様なパターンがが天井を覆ってています。

ケンブリッジ観光をした日は、フィッツウィリアム博物館(Fitzwilliam Museum)と、トリニティー・カレッジのレン・ライブラリー(Wren Library)に時間をかけたので、キングス・カレッジ・チャペルの内部には入りませんでした。よって、内部ファン・ヴォールトの写真は、キングス・カレッジのサイトより拝借したものです。何度もテレビなどで見てはいますが、実際、入って天井を仰ぐと、「こんなすごいものを、何百年も昔の人がよう作ったな」と、改めてびっくりする事でしょう。

キングス・カレッジの有名な合唱団も、やはりヘンリー6世の時代に設立されています。
雰囲気を盛り上げるために、キングス・カレッジ合唱団の歌声、を聞きながら、チャペル内部を見てみよう。



*おまけ写真*
フィッツウィリアム博物館。わりと大きく、幅広いコレクションで、全部をしっかり見ようと思うと時間かかります。私は、絵画の部分だけ見て、後は、早足で流したのですが、それでも疲れました。

レン・ライブラリー。クリストファー・レン設計で1695年に完成したトリニティー・カレッジの図書館。この写真は、パントの中から撮りました。

図書館内部では、ニュートンの手書きのメモ帳や、A.A.ミルンの「くまのプーさんの」の原稿などが見れます。

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