ルパート・ブルックのグランチェスター
ケンブリッジから少し離れ、ケム川に沿ってやや上流(ケンブリッジより南)へ行くと、グランチェスター(Grantchester)という小さな村があります。ケム川の旧名である、グランタ(Granta)から取った地名。
*ブルームズベリー・グループは、ロンドンのブルームズベリー(Bloomsbury:大英博物館や、ロンドン大学の拠点があるエリア)周辺に集まり、議論した、作家、芸術家、思想家達のグループ。*
彼の詩の中でおそらく一番有名なのが、The Old Vicarage,Granchester(グランチェスター、旧牧師館)。これは、ブルックが、1912年のベルリン滞在中にホームシックにかかり書いた詩で、要は、彼にとって、イギリスらしさの典型の様なグランチェスターほどすばらしいところは無いと。
あれこれとグランチェスターの良さを讃えた後の、詩の最後の部分は特に有名。
Yet
Stands the Church clock at ten to three?
And is there honey still for tea?
教会の時計は、まだ3時10分前を指したままだろうか?
そして、紅茶用のはちみつは、まだ残っているだろうか?
ブルックは、第1次大戦に参戦し、1915年、異国の地で、27歳で病死。彼のThe Soldier(兵士)という詩の一節には、こうあります。
If I should die, think only this of me
That there's some corner of a foreign field
That is foever England.
もし、私が死ぬ運命なら、私の記憶にはこの事だけを思って欲しい
他国の野原のどこかの片隅に
永遠のイギリスが眠っていると。
緑深い川が流れる古き良きイギリスの風景のイメージが強い詩人です。
私達は、ケンブリッジへ行った帰り道、車でグランチェスターを通過したのですが、時間も遅く、ゆっくり駐車できる場所を見つけられそうも無く、ささっと素通り。(よって、載せている写真はグランチェスターのものではありません。)いつか、オーチャードでお茶をしないと。
車で行くより、ケンブリッジから、パンティングで行って、グランチェスターの川岸の草原でピクニック、というのが、一番おつで、ブルックの時代の雰囲気を味わえるのでしょう。
グランチェスターは、20世紀初期の詩人、ルパート・ブルック(Rupert Brook)が住んだ事で有名。彼、写真を見ると、ロマンチックな感じの美男子。
この地をこよなく愛した彼は、Byron's Pool(バイロンの池)と呼ばれ、バイロンが泳いだとされる周辺のケム川で泳ぎ、今も、ティー・ルーム/ティー・ガーデンとして経営されているThe Orchard(オーチャード・果樹園)の庭でお茶をし。
このオーチャード・ティー・ガーデンの歴史は、遡ること、1897年のある春の日。当時、スティーブンソン夫人所有のOrchard House(オーチャード・ハウス)に、数人のケンブリッジ大学の学生が現れ、館の庭の花盛りの果実の木の下でお茶を出してもらえないか、と頼んだのが始まりと言います。この果樹園内でのお茶は、瞬く間に、ケンブリッジの学生の間で人気に。
オーチャード・ハウスでは、下宿人も取っており、1909年にこの屋に部屋を借りるのが、ルパート・ブルックです。彼は、後、隣に建つThe Old Vicarage(旧牧師館)に移り住みます。この牧師館は、今では、小説家ジェフリー・アーチャーに買われてしまっています。
ブルックがグランチェスターへ居を構える1909年から第一次大戦勃発の1914年まで、彼を中心に、彼の著名な友人達が、オーチャード・ティー・ガーデンに集います。作家のヴァージニア・ウルフ、E.M.フォースター、経済学者のジョン・メイナード・ケインズなど、その面々は、ほとんどが、ブルームズベリー・グループのメンバー。グランチェスター・グループなどと称される事があるようです。
*ブルームズベリー・グループは、ロンドンのブルームズベリー(Bloomsbury:大英博物館や、ロンドン大学の拠点があるエリア)周辺に集まり、議論した、作家、芸術家、思想家達のグループ。*
彼の詩の中でおそらく一番有名なのが、The Old Vicarage,Granchester(グランチェスター、旧牧師館)。これは、ブルックが、1912年のベルリン滞在中にホームシックにかかり書いた詩で、要は、彼にとって、イギリスらしさの典型の様なグランチェスターほどすばらしいところは無いと。
あれこれとグランチェスターの良さを讃えた後の、詩の最後の部分は特に有名。
Yet
Stands the Church clock at ten to three?
And is there honey still for tea?
教会の時計は、まだ3時10分前を指したままだろうか?
そして、紅茶用のはちみつは、まだ残っているだろうか?
ブルックは、第1次大戦に参戦し、1915年、異国の地で、27歳で病死。彼のThe Soldier(兵士)という詩の一節には、こうあります。
If I should die, think only this of me
That there's some corner of a foreign field
That is foever England.
もし、私が死ぬ運命なら、私の記憶にはこの事だけを思って欲しい
他国の野原のどこかの片隅に
永遠のイギリスが眠っていると。
緑深い川が流れる古き良きイギリスの風景のイメージが強い詩人です。
私達は、ケンブリッジへ行った帰り道、車でグランチェスターを通過したのですが、時間も遅く、ゆっくり駐車できる場所を見つけられそうも無く、ささっと素通り。(よって、載せている写真はグランチェスターのものではありません。)いつか、オーチャードでお茶をしないと。
車で行くより、ケンブリッジから、パンティングで行って、グランチェスターの川岸の草原でピクニック、というのが、一番おつで、ブルックの時代の雰囲気を味わえるのでしょう。
「美男子」という言葉で、ルパート・ブルックの写真を検索してみました。
返信削除髪型を含めモーリスに出た頃の
ヒュー・グラントに似ていると思い、
YoutubeでMauriceを見ました。
パンティングのシーンもありました。
時代背景も近い感じです。
服装、建物など見直すとあらためて興味深かったです。
美男子となると顔見たくなりますよね、やっぱり。Maurice、懐かしいです。これも原作E.M.フォースターでした。言われてみると、ブルックのフロッピー・ヘアはヒュー・グラントにそっくり。早死にしてしまいそうなタイプには見えます。
返信削除ところで、Tom's midnight gardenを、図書館から借りて来ましたよ。第1章にさっそく、Elyで絵葉書を買ったくだりが出てきて、うれしいところです。