ランチはてんとう虫

我家の庭で、いまや枯れ木の様になって立っている咲き終わったひまわりとひまわりの間、晩夏を謳歌するダリアの間に、沢山の蜘蛛の巣がかかっているのが目に留まるこの頃です。ざっと数えただけで、6つはあります。毎日、どんな虫が巣に引っかかっているかを観察するのが、なんとなく日課となっています。

先日、その中のひとつの蜘蛛の巣に、てんとう虫が2匹ひっかかっていたのを発見。こんな甲虫、食べるところあるのか、などと思うのですが、蜘蛛は、てんとう虫のお腹のほうに頭をうずめて、その体液をじゅるじゅる吸っている気配。もう1匹は、糸でぐるぐるまきにされて、少し離れたところにひっかかったまま。こちらは、次の日の夕飯用でしょうか?

この蜘蛛君は、非常に虫のかかりやすい、絶好の場所に巣をはっておるようで、てんとう虫のランチにありつく2,3日前には、この巣に、ミツバチがひっかかり、それを同じように、がしっとつかんでいるのも目撃したのです。その際に、このミツバチをめぐってちょっとした野生ドラマが展開されたのでした。そばをワスプ(wasp:スズメバチ科のハチ)が、徘徊していたのですが、やがて、このワスプ、蜘蛛からミツバチを奪い取ろうと、ミツバチめがけて突っ込み、いきなり攻撃をかけたのです。蜘蛛も、もちろん、黙って、自分のご飯を横取りされるわけはなく、威嚇しながら必死に守っていました。ワスプ攻撃と、蜘蛛防御が、3,4回繰り返されたあと、ワスプはやがて、あきらめて、どこかへ飛び去りました。ライオンが取った獲物を狙う、ハイエナか、禿たかの様でした。ミニチュア版ではありますが。

蜘蛛は、どんなに小さいものでも嫌だという人は、イギリスでもわりといるようです。蜘蛛恐怖症の事を、「arachnophobia アラクノフォビア」と言います。以前、「ピーピング・トム」の記事で、ギリシャ語が語源の「-philia フィリア」という語尾で終わる単語は、「-を好む事」を意味すると書きましたが、「arachnophobia」も、ギリシャ語が語源の言葉。ただし、「-philia フィリア」とは逆に、「-phobia フォビア」は、恐れ、恐怖の意味ですので、閉所恐怖症は「claustrophobia」、高所恐怖症は「acrophobia」、外人恐怖症(というより外人嫌い)は「xenophobia」となります。

私はarachnophobiaではありませんが、狭いところにずっといるのは嫌な、ややclaustrophobiaの気はあります。よって、広いおんもで、蜘蛛の観察は、全く怖くありません。ランチにされてしまう、てんとう虫が気の毒ではありますが。

ここ数日、気温は27度を越す暑い日が続きました。8月が涼しかった分、冬が来る前の最後の日光浴と、今週末は、ビーチへ押しかける家族連れも多かったようで、海辺のリゾートのB&Bに予約が殺到したという話です。うちのだんなは、残念ながら、3回目のキモセラピーのため入院中。「エアコンが利きすぎている病棟で、寒い。大体、この国にエアコンなど必要ないのじゃ。とんだ国費の無駄使い。」などとぐちっておりました。

隣の家は、どうやら、庭でバーベキューをしているようで、開け放した窓から、肉の焼ける美味そうなにおいが漂ってきています。

コメント

  1. こんにちは
    今日は冷たい雨ふりです。秋も来週あたりから深まるでしょう。蜘蛛が嫌いな人は多いようでうよね。スパイダーマンとか映画で人気なのに、嫌われ者なんでしょうか?英会話の先生も大嫌いだと言ってました。目が悪いので、見えない蜘蛛の巣に顔を突っ込んでしまったときは大声で泣いたと言ってました。私はあの蜘蛛の巣の美しさに感動してしまいます。特に雨の日はキラキラして美しいです。

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  2. 去年の今頃取った庭の写真にも、蜘蛛の巣が多く写っていました。これも季節の風物詩です。蜘蛛の、巣を作る技はあなどれません。

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